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PayPayはQR+クレカで強化する 「PayPayゴールドカード」も予告

ヤフーやLINEの親会社のZホールディングス(ZHD)は2日、2022年度第2四半期決算発表を発表するとともに、PayPayカードの「ゴールドカード」展開などについても言及した。

過去最高の第2四半期。ヤフショリニューアル

ZHDの売上収益は、第2四半期として過去最高の3,943億円となった。LINEのアカウント広告は前年同期比+17.8%と2桁成長で、ヤフー検索広告は同+6.3%成長。動画の「LINE VOOM 」も各種KPIが伸長しているという。

また、経済再開によりトラベル事業が好調に推移し、eコマース取扱高は1兆262億円、前年同期比+13.5%となった。PayPayは、中小加盟店向けの決済手数料有料化により、赤字幅が減少している。

経営統合後の実績とロードマップ

メディア事業の広告は堅調で、LINE公式アカウントの有償アカウント数も24.5万件に増加。プロダクト強化や「LINEで予約」などのマネタイズ拡充、営業強化で利用を促進していく。

コマース事業については、10月に新生「Yahoo!ショッピング」にリニューアル。加盟店のプロモーションパッケージプラン申し込みが想定を上回っているほか、優良配送比率も高まっている。また、PayPayモールからYahoo!ショッピングに集約したことで、販促施策もシンプル化され、「普段使いされるメインEC」として認知度が向上しているという。

コマース事業の新規施策としては、LINEギフトとYahoo!ショッピングにおける注文連携など、LINEギフトを軸に強化していく。

コマース全体では、1兆262億円(前年同期比+13.5%)だが、経済再開によりトラベル事業が好調で、国内サービス系ECは1,600億円(同+41.1%)と拡大している。

PayPayゴールドカード投入。QR/クレカ併用へ

戦略事業のPayPayは、アプリを起点とするシームレスな決済体験を強化。PayPay、ソフトバンク、ヤフーなどのZHDの顧客基盤を総動員して強化するとともに、QRコード決済とクレジットカード決済の併用を拡大し、ARPU(ユーザー1人当たりの売上金額)を拡大していく。

QRとクレカは、「決済単価・頻度が相互補完的」として併用を促進。PayPayを連結子会社化したことで、第3四半期以降はPayPayカードの獲得効率向上も期待され、PayPayアプリを起点としたシームレスな使い勝手を実現。利用の即時通知のほか、QRとクレカの利用明細一元管理や、PayPay STEPへの特典統合などを予定している。さらに、魅力的な特典を容易した「PayPayゴールドカード」も投入し、ARPU向上を目指す。

PayPayの登録ユーザーは5,100万人で取引高も高水準で推移。中小加盟店向け決済手数料の課金開始により、売上高は増加しており、EBITDAは改善傾向となっている(-43億円)。

またPayPayカードも前年同期比で24.7%と大きく取扱高を伸ばしており、PayPayカード、PayPay銀行ともにPayPayとの連携で事業拡大を図る。なお、10月からはPayPayポイントの外部開放もはじめており「好調」(川邊健太郎 代表取締役社長Co-CEO)としたが、その成果については次のZHD決算、もしくはPayPayから後日発表する予定。

LINE証券も口座数を大きく伸ばしており、LINEポケットマネーのローン残高も前年同期比で2.1倍になった。

なお、みずほ銀行と取り組んでいるLINE銀行については、2022年度のスタートを予告していたが、「スケジュールの見直しも検討している」(出澤 剛 代表取締役Co-CEO)と開行延期を示唆。理由については、景況感などの外部要因ではなく、「内部的なサービスの磨き込み、完成度を上げている」とした。

出澤 剛 代表取締役Co-CEO(左)と川邊健太郎 代表取締役社長Co-CEO(右)