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JCB、業界初の横断的なクレカ不正利用対策に向けIWIと協業

JCBとインテリジェントウェイブ(IWI)は、セキュリティーコンソーシアムを立ち上げ、JCB、IWI双方の強みを生かし、業界全体の不正利用対策を推進する仕組み構築に向けた基本合意書を締結した。IWIの不正検知システムを導入しているカード会社より展開し、2023年度中の実用化を目指す。

2021年通年のクレジットカード不正利用被害額は330億円(日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」)に達し、統計を取り始めた1997年以来、過去最悪という。

経済産業省も「クレジットカードシステムのセキュリティ対策の更なる強化に向けた方向性(クレジット・セキュリティ対策ビジョン2025)」を公表のうえ官民一体となった取り組み強化を宣言し、個社の不正検知システムの共同化、ノウハウやデータの共有による、高度な不正検知の実現が期待されている。

JCBは国内すべての加盟店との契約を自社で担い、加盟店情報を保有する「シングルアクワイアリング」の強み、IWIはカード会社に対して不正検知システムおよびFEP(フロントエンドプロセッサ)システムの高い導入シェアがある強みを持つ。両社の提携により、クレジットカード決済の上流から下流までを網羅的にサポートできることから合意に至った。

コンソーシアムでは、両社既存のソリューション提供に留まらず、カード会社各社の保有する不正検知ルールを共有する仕組みを提供するなど、今までにない業界横断的なノウハウやデータの共有による不正検知の高度化を目指す。

将来的には、コンソーシアムに参画するカード会社とともに、各社の強みを生かした多面的・重層的な不正対策を開発・実施し、カード会員に対する安全・安心な決済環境の提供を目指す。例えば、各社が蓄積した不正利用事例を一元化して共有し、最新の不正パターンに参加各社が速やかに対応できる仕組みを構築する。

JCBブランドに限定せず、他の国際ブランドへも仕組みを提供していく予定。不正利用対策という業界全体が抱える課題に対し、ブランドの垣根を超えてカード会社各社と協業して対応するとしている。