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6月から変わった児童手当。所得上限を超えると支給廃止

0歳~中学生の子供がいる世帯に支給される「児童手当」ですが、6月から手続きや制度内容が一部変更されました。何がどう変わったのか確認していきたいと思います。

児童手当の基本制度は児童1人当たりに対して、3歳未満は月15,000円、3歳以上小学校終了前までは月10,000円(第3子以降は15,000円)、中学生は月10,000円が支給されるというもの。

児童手当の基本制度(出典:内閣府)

月5,000円の特例給付に大きな変更

児童を養育している人の所得が制限を超えている場合は、特例給付として月5,000円が支給されます。この高所得者層への特例給付の内容が、6月から大きく変わるのです。

特例給付の対象は、これまで所得の上限がありませんでしたが、6月分より所得が上限額を超えると支給されなくなります。つまり、これまで特例給付として月5,000円が支給されていた世帯で、さらに所得が上限を超えると児童手当が廃止されるというわけです。

まとめると、所得制限を超えていなければ月10,000~15,000円、所得制限を超えているが所得上限未満の場合は月5,000円、所得上限も超えている場合は支給対象外と、3つの区分に分けられるようになります。この決定は内閣府によるもので、全国的に適応されます。

3つの区分が適応されるのが、6月分(10月支給分)から。児童手当は年に3回(2月・6月・10月)まとめての支給なので、児童手当が廃止になる世帯は、6月支給分が最後の児童手当になるのです。

令和4年6月以降の新制度(出典:練馬区)
児童手当の支払いスケジュール

なお、所得制限と所得上限の限度額は、以下の表の通り。児童1人の場合は、所得制限限度額が660万円、所得上限限度額が896万円となります。

所得は夫婦合算ではなく、どちらか高い方の所得が基準になります。表にある「収入額の目安」は、給与収入のみで計算。あくまで目安であり、実際は給与所得控除や医療費控除等を控除した後の所得額で、所得制限を確認します。

児童手当が支給されなくなったあとに所得が上限を下回った場合は、改めて認定請求書の提出等が必要になります。

所得制限と所得上限の限度額(出典:内閣府)

現況届は原則廃止

引き続き児童手当が支給される世帯にも、手続き面で変更があります。毎年6月に提出していた「現況届」が、令和4年6月分以降は原則不要になるのです。

現況届は、受給者、配偶者、児童の状況を把握し、引き続き児童手当を受給する要件を満たしているか確認するもの。提出は原則不要になりますが、各自治体の判断により、引き続き現況届の提出を求められる可能性もあります。居住自治体の取り扱いに従って対応するようにしましょう。

また、配偶者と別居している人や、支給要件児童の戸籍がない人など、現況届の提出が必要な場合もあります。現況届の提出がないと、6月分以降の手当が受けられなくなる可能性があるので注意が必要です。

これまでは毎年6月に「現況届」を提出する必要があった(出典:杉戸町)

独自制度で継続する自治体も

所得制限の上限を超えると6月分から児童手当が支給されなくなりますが、独自制度として継続する自治体もあります。

東京都千代田区では、所得上限を超える世帯にも「次世代育成手当」として、児童1人あたりに月5,000円を支給することを決定しました。10月支給分からは、区独自の手当として引き続き支給されるのです。

追加の手続きは基本的に不要ですが、受給者が公務員の場合などは申請が必要になるので自治体からの通知を確認しましょう。

通常の児童手当は中学生まででですが、千代田区の次世代育成手当では高校生相当(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間)の児童も、支給対象となります。ただし、婚姻している方は対象になりません。

千代田区は6月以降も、所得上限を超える世帯に「次世代育成手当」として、児童1人あたりに月5,000円を支給

全国的に共通する変更内容は、上記のとおり所得制限世帯への支給内容と現況届の廃止について。

所得制限の細かい基準などは自治体によって異なることがありますので、自治体からの郵便物やホームページなどを確認してみましょう。