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みんなの銀行 1周年、今夏にローン参入。デジタルウォレットを強化

「みんなの銀行」は、5月28日にサービス開始1周年を迎えた。デジタルネイティブのための「デジタルバンク」を掲げてスタートした同行だが、1年を経過し、口座数は33万、ユーザーも10-30代のデジタルネイティブ世代が約7割となったという。一方で、預金残高は「目標に対してマイナス」の58.5億円になった。

30日に報道向けの説明会を開催し、同行の今後について説明した。みんなの銀行は、ふくおかフィナンシャルグループの子会社だが、ユーザー数は人口動態と連動し、全国から満遍なく獲得。デジタルネイティブ世代が7割だが、40代も16%、50代も9%いるという。

みんなの銀行は、すべてのサービスをスマホから操作可能で、普通預金的な「Wallet」、貯蓄口座的に使える「Box」、Apple Pay対応のJCBデビットカード「Debit」、資産管理「Record」などの機能を備え、アプリ内で操作できる「デジタルウォレット」を特徴としている。

Wallet

このうちWalletの預金残高は58.5億円で、アクティブユーザー数は58%程度。預金額は目標として掲げていた250億円とはかなり大きな差ができている。みんなの銀行の永吉健一頭取も「唯一思惑通りに集まらなかった」と語る。

みんなの銀行 取締役頭取 永吉健一氏

貯蓄預金口座のBoxは10.1億円で1人あたり45,000円。利用割合は7%となった。また、Boxの名称は自由に付けられ、支払い、へそくり、プレゼントなど用途にあわせて自由に運用されていることがわかるという。このBoxの作成総数は74,450個。特に「へそくり」と名前をつけている人が多く、そこからもみんなの銀行が「サブ口座」的に使われている事がわかるという。

Debit(デビットカード)の発行枚数は32.1万枚。資産管理の「Record」のユーザー数は6.1万(18.8%)。

また、有料のプレミアムサービスに入っている人を対象に、最大5万円を貸出せる「Cover」の利用残高は14.1億円。利用率は11.6%となっている。ただし、プレミアムサービスは1年間無料で展開してきており、今後はユーザーが有料に移行する予定。現在のプレミアム契約者は15.6万、契約割合は47.9%。

今夏「みんなの銀行 Loan」。便利なウォレットで浸透

今後の展開として、2022年夏に「みんなの銀行 Loan」を開始予定。アプリ上に貸出枠を用意し、そこからタップして普通預金(Wallet)に任意の金額を移すだけで、ローンが借りられるというもの。画面には限度額のほか、年金利10.0%なども表示し、わかりやすく使いやすいローンサービスを目指す。

「消費性ローンサービスはレッドオーシャン」と語る永吉氏だが、みんなの銀行 Loanの強みとして、すべてアプリ内で完結でき、入力情報が1項目(年収情報)のみというシンプルさを強調。さらに、ユーザーの属性に連動したパーソナライズにより借入条件を0.1%刻みで130パターン用意した「ハイパーパーソナライズ」を強みと説明する。

また、銀行サービスを小売や他業界向けに展開する「BaaS」事業も2022年度中に開始を予定しており、APIなどの整備を進めている。これにより、例えばスーパーマーケットのような会社が金融サービスに紐づいた決済サービスなどを提供可能にする。

ユーザー拡大策として、Box作成で最大1,000円をプレゼントするキャンペーンや、プレミアムサービスの継続で預金金利を0.30%に引き上げる(通常はプレミアム0.20%)キャンペーンなどを展開。1年間預金獲得に苦戦したことから、業界最高水準の金利とすることで、多くの預金を集めていく考え。

預金については目標を下回ったものの「どうしたら集まるかもよくわかった」という。12-1月のボーナスキャンペーンで「抽選で現金が当たる」としたら100億円ほど増えたとのこと。キャンペーンが終わると徐々に減っていくものの、それでもベースの預金額はかなり増えるという。そのため、キャンペーンなどを組み合わせて預金拡大を目指す。

また、給与が振り込まれる「メインバンク」になっていくことが目標だが、「多くのお客様はすでにメインバンクがある。なので徐々に移っていただければいい。まずはサブバンクで、いろいろな機能がある『デジタルウォレット』として使ってほしい」と説明し、便利なお財布として使ってもらうことで、徐々に「メイン」を増やしていくという狙いを説明した。