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気象庁、線状降水帯を半日前から通知へ。キキクルに「災害切迫」追加

国土交通省と気象庁は共同で、大雨による洪水発生時など、出水期における防災気象情報の伝達方法改善について取り組みを6月1日から順次行なう。

6月1日からは、長期的な大雨の可能性が高まる線状降水帯について大雨の可能性を半日前から通知。まずは広域で半日前からの予測を開始し、2024年には県単位で半日前から予測、2029年には市町村単位で危険度の把握が可能な情報を提供することをめざす。これにより明るいうちから早めの避難を促すようにする。

また2023年からは新たな取り組みとして、30分前を目標とした直前の予測も開始。線状降水帯によって実際に大雨が降って危険な地域に対して速やかな情報提供を目指す。

キキクル(危険度分布)には、新たに「黒」を新設し、従来の「うす紫」と「濃い紫」を統合してより色分けを明確化する。これは、2021年5月20日から施行された避難ガイドラインに合わせるもので、黒は最も危険な段階で「災害切迫」とし、警戒レベルは5相当。新たな紫色は、従来の警戒レベル4相当とすることで、避難ガイドラインの色と警戒レベルに準拠している。

また、大雨特別警報(浸水害)の指標も改善する。従来、大雨特別警報を発表しても、多大な被害までは生じなかった事例が多く見られたケースや、逆に多大な被害が発生しながら大雨特別警報の発表に至らなかったケースも発生していた。

今後は、大規模な浸水害を高い確率で的中させるよう指標、基準値を設定。災害発生と結びつきが強いキキクル(危険度分布)の技術を使い、警戒レベル5相当の状況に一層適合した大雨特別警報を出せるようにする。具体的には、中小河川氾濫に起因する大規模な浸水害を適中させるよう、流域雨量指数の指標、基準値を設定する他、内水氾濫に起因する大規模な浸水害を適中させるよう、表面雨量指数の指標、基準値を設定する。

これらにより、大雨特別警報の対象地域を大幅に絞り込んだ発表が可能になるとし、島嶼部など狭い地域への発表も可能になる。また、警戒レベル5相当の情報としての信頼度も高め、住民や自治体等の防災対応を強力に支援できるという。実施は6月30日から。

高潮警報については内陸市町村での運用も追加され、新たに指定された“高潮による浸水が想定される地域”に含まれる、これまで高潮警報を運用していなかった内陸の市町村に対しても、高潮警報の運用を開始する。実施は5月26日から。

また、指定河川洪水予報の氾濫危険情報を予測でも発表するように改善する。これまでは河川の実際の水位が危険氾濫水位に到達した場合に氾濫危険情報を発表していたが、今後は、水位が急激に上昇し、3時間以内に氾濫する可能性のある水位に到達する見込みがある場合も氾濫危険情報を発表する。これにより従来よりも早い段階から警戒を呼びかけることが可能になる。実施は6月13日から。