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“書かない人”も収益化「noteメンバーシップ」。エクスポートは「遅れている」

メディアプラットフォームの「note」は21日、サービス開始 8周年を記念した発表会を開催した。クリエイター支援の新たな仕組みとして「noteメンバーシップ」の今夏スタートを発表したほか、クリエイター支援の取り組みや、クリエイターの収益化や売上などの数値も公表した。なお、昨年予告していたnoteのインポート/エクスポート機能については「開発が遅れている」という。

書かない人も収益化「noteメンバーシップ」

今夏にスタート予定の「noteメンバーシップ」は、月額のサブスクリプション機能。これまでも、note“記事”のサブスク「マガジン」を展開してきたが、noteメンバーシップでは、記事だけに限定せず、マガジン・掲示板・ニュースレターなど、目的にあわせた方法でコンテンツを発信できる機能を用意。“書かない人”でもnoteで活躍し、収益化できるようにする。

メンバーシップでは記事やマガジンなどのnoteの主要機能に加え、会員限定記事の公開や、掲示板での交流などが行なえるようになる。従来の「サークル」に変わる機能になる。

noteメンバーシップの活用例としては、動画配信・ミュージシャン・芸能人などの場合、作品について話したり、日々の活動の感想を聞くなど「ファンクラブ」的にnoteを使える。活動の主体はnoteの外だが、会員を集め、レポートや掲示板でのコミュニケーションと会員管理のためだけにnoteを使える。

写真家やイラストレーターの場合は、プログラムやデータの販売場所としてnoteを活用。ゲームクリエイターが限定のゲームをnoteでプログラム配布するといった利用も可能という。

ビジネスパーソン向けには、セミナーをZoomなどの外部サービスで行ないながら、連絡や質疑応答、課金の仕組みなどにnoteを活用。NPOの活動支援や店舗におけるリピーター向け特典配布といった利用も可能とする。

noteで収入を得る人は10万人。購入数は3600万

noteは4月で8周年を迎えるが、会員登録数は500万人を突破し、記事数は2,400万。お気に入りの記事を示す「スキ」は2.6億を超えたという。

note利用者は500万人

クリエイターを支援するプラットフォームを標榜するnoteだが、今回クリエイターの収益化の現状や、売上数値なども明らかにした。

noteで発信し、収入を得ている人は2022年1月に10万人を突破。2019年比で410%と伸長している。2021年の年間売上トップ1000の平均売上は667万円。noteで生計を立てている人も多いという。累計1億円以上の売上をあげたクリエイターは、3月末時点で28人。

コンテンツを購入している人も増加しており、総購入数は3,600万件。5年前との比較では30倍となった。コンテンツ購入者がnoteに使う1カ月あたりの平均金額は2,300円。

エクスポートは「開発中」

12日には、エディタの表現力向上など多くの機能強化を実施し、使いやすさを向上した。一方、昨年予告していたnoteのデータの「インポート・エクスポート」機能は、「開発が遅れている」という。

「昨年、エディターの開発とあわせて発表したが、当初はエディターを昨年夏から秋に公開予定だったが、実際にはようやく先日(4月12日)リリースできた。大元のタイムラインが半年遅れてしまった。順番としては、エディタを作り、その次に内部のデータベースの統合(記事・動画・つぶやき・音声などの5種の統合)を実施し、その後にインポート・エクスポートを実装する」(note深津貴之 CXO)と説明。遅れてはいるが、随時開発は進めていくとした。

note 深津貴之 CXO(左)、加藤貞顕CEO(右)