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落とし物トラッカーをクレジットカードに。「三井住友カードTile」登場

三井住友カードとSB C&Sは、探し物トラッカー「Tile(タイル)」機能を搭載したVisaカード「三井住友カード Tile」を共同開発した。

クレジットカードに落とし物トラッカーを搭載したことで、スマートフォン上からカードを落とした場所を確認できるようになる。カード上にボタンとスピーカーを内蔵しており、スマートフォンから鳴らして、カードやカードを入れた財布を見つけられる。また、カード上のボタンを押せば、スマートフォンを鳴らし、見つけることもできる。

国際ブランドはVisaで、ICチップを搭載し、「Visaのタッチ決済」にも対応。Tileの機能を取り込みながら、通常のカードの厚みを実現している点が大きな特徴となる。カードの薄さ(0.76mm)に収めることのできる超薄型バッテリーを採用し、1,000回以上の屈曲テストをクリア。新開発のEMVチップは充電端子も兼ねており、付属の専用充電器でフル充電した場合、最長半年間の利用が可能となる。カードの重さは6g。

万が一充電が切れた状況でも、クレジットカード機能の利用には影響ない。充電は、Tileの落とし物トラッカー機能のために行なう。

カードのデザインは、三井住友カードのスタンダードカードを踏襲しながら、Tileの先進感を追加。また、Tileの文字部分がボタンとなっており、ボタンを押すとスマートフォンを鳴らせる。

氏名などの券面情報を背面に記載するなど、基本的に三井住友カードのスタンダードカードとほぼ共通の仕様となるが、一点大きく異なるのが、「ATMや券売機等、カードを出し入れする端末では利用できない」ということ。「カードをすべて吸い込む券売機などでは使わないようにしてほしい」としている。またキャッシングにも対応しない。

Apple PayやGoogle Payにも対応。初回枚数は1,500枚で、発行手数料は5,500円。年会費は1,375円。申し込みはSB C&SのWebページから受付。先行予約期間として12月16日から2022年1月14日まで予約を受付し、その後抽選で当選者に通知する。

利用枠は100万円まで、海外旅行保険は最高2,000万円。ポイント制度は「Vポイント」で、200円につき1ポイントを付与。また、大手コンビニ3社とマクドナルドでの利用では2.0%のポイント還元となる。

『お財布物語 〜Wallet Talk〜』三井住友カード Tile

クレジットカード×IoT。財布を探せる

三井住友カードによれば、コロナ禍でもクレジットカード決済件数は伸長しており、2020年は2019年比で1.3倍となった。特にスーパーやコンビニなど日常利用での決済金額が2割以上増加している。一方、旅行やレジャーなど、高単価の非日常利用は落ち込んできる。コロナ禍からの回復フェーズにおいて非日常利用が戻れば、さらにクレジットカードの利用が増えていくと見込む。

一方で、ユーザーの声として、カードにおける不正利用や紛失・盗難への不安の声が高い。同社でもナンバーレスカードやカードレスカード、アプリでの利用制限や利用通知などに取り組んできたが「安心・安全の新たな選択肢」として、「三井住友カードTile」を発表した。

「クレジットカード×IoT」と表現し、世界初のTile搭載カードとして、最後にカードがBluetoothで接続した場所を地図上に表示するため落とした場所がわかること、スマホからカードのスピーカーを鳴らしてカードを探せることなどを紹介。カードを財布に入れている場合は、財布を探すためにもこの機能を利用できる。

三井住友カードTileは、三井住友カードとSB C&S、米国Tileのコラボレーションにより実現。SB C&SはTileの代理店であるだけでなく、自社でIoTデバイスなどを開発しており、そのノウハウを生かして耐久性やバッテリの持ちなど技術的な課題を解決。また、Visaの認可の取得など多くのハードルを超えて世界初の「IoTクレジットカード」を実現できたという。

今回の共同開発は、SB C&Sが三井住友カードにTileを「ノベルティ」として提案しに行ったときから始まったという。ポイントでTileに交換できるという提案だったが、その際に「カードに入らないか?」という話をして開発に着手し、その後3年近くかけて、初のTile搭載のクレジットカードを開発した。

なお、クレジットカードの利用期間は5年だが、Tile部分は1年が保証期間となる。再発行手数料は未定。

また、初回以降の発行手数料などは未定だが、Tile単体でも3,000円程度するため、初回は「かなりお求めやすい価格」と強調。Tile内蔵のニーズを見極めながら、以降の展開を決めていく。