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YouTube、子供を保護する取り組みを強化

Googleは27日、YouTubeにおける、子供や家族を守る取り組みについて公表した。未成年者がオンラインで過ごす時間が増える中、探究心に応えながら、安全なオンライン体験を提供することをYouTubeの最優先事項としていく。

YouTubeでは、子供向けに「YouTube Kids」アプリを提供しており、YouTube Kids アプリに掲載できる動画の基準を厳しく定めているほか、子供が視聴するコンテンツを保護者の方が管理できるようにしている。さらに、保護者が9~12歳の子供向けの管理対象のアカウント作成や、子供と一緒に楽しめるコンテンツ設定など、メインのYouTubeアプリの機能に関するオプションも提供している。

YouTubeでは、有害なコンテンツを削除すること(Remove)、信頼できるコンテンツを見つけやすくすること(Raise)、ガイドラインのボーダーライン上のコンテンツの拡散を減らすこと(Reduce)、信頼できるクリエイターを優遇すること(Reward)という4つの要素を中心に構成。対策もこの4要素に沿って行なわれる。

Remove - 削除については、明確なポリシーを定めており、未成年者や家族を対象としたコンテンツとしながら、性的、暴力、わいせつなどの成人向けのテーマが含まれるコンテンツを削除の対象としており、2021年第1四半期だけでも、180万本以上の動画が「子どもの安全に関するポリシー」の違反により削除されている。

YouTube Kidsは、子供の視聴体験のための独立アプリで、固有のコンテンツ ポリシーを設け、視聴できるチャンネルや動画を厳選している。最近では、商品のパッケージのみに焦点を当てた動画や、子供に購入を促すような動画など、過度に商業的なコンテンツはYouTube Kidsから削除するようポリシーを更新し、YouTubeのおすすめに表示するコンテンツにもこの原則を適用している。

Raise - 見つけやすくすると、Reduce - 拡散を減らすでは、子どもや家族向けコンテンツのエコシステムの指針となる品質原則を策定。YouTube Kidsに含めるコンテンツだけでなく、メインのYouTubeでどの動画をおすすめに表示するかを判断するのにも役立てている。

YouTubeのおすすめコンテンツの決定にも、この原則を適用。YouTubeで「お子さま向けコンテンツ」を視聴する場合、年齢に適し、教育的で創造性や想像力を刺激するような動画をおすすめできるようにしている。

同時に、コミュニティ ガイドラインに違反はしていないがボーダーライン上のコンテンツがYouTubeのおすすめ動画として表示される機会を減らし、YouTube Kids からはそのようなチャンネルを削除する。たとえば、過度に商業的または販売促進目的であるもの、否定的な行為や態度を奨励するものなどが含まれる。

Reward - 還元するでは、コンテンツクリエイターを支援する。先日、追加の収益化ポリシーを公表し、品質原則と連携して、YouTubeで主に子供や家族向けのコンテンツを制作しているチャンネルを対象とする。

今後、これらの原則は、おすすめ動画や YouTube Kids に含まれる動画だけでなく、収益化にも適用。未成年を主なターゲットとするチャンネルや、「子ども向け」として分類されているチャンネルは、子ども向けコンテンツ固有の収益化ポリシーを遵守する必要がある。たとえば、「過度に商業的または販売促進目的」であったり、「否定的な行為や態度を奨励」したりするなど、低品質なコンテンツを多く含むチャンネルは、収益化プログラムへの参加が停止される可能性がある。また、個々の動画における違反があった場合は、広告表示の制限などが行なわれる。

11月からこれらの変更が反映される予定で、YouTubeでは影響を受ける可能性のあるクリエイターをサポートするために事前に連絡している。