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auの5Gは“生活動線上”。リアル・バーチャルの融合も具体化

KDDIは9月13日に新サービスの発表会を開催し、5Gサービスの拡充方針や関連した新サービスを明らかにした。5Gのエリア展開は、鉄道や商業地域など生活動線上での拡充を基本とし、新たに利用可能になったエリアを発表。一方で、バーチャル渋谷をはじめとする5Gを活用するメタバース展開の加速についても案内している。

鉄道は47駅がエリア化

5Gのエリアについては、何%といった面展開の数字にこだわるのではなく、“生活動線上”がキーワードとし、鉄道と商業地域に注力する。

具体的には、JR東日本の山手線とJR西日本の大阪環状線の駅間のほか、JR中央・総武線、京浜東北線、埼京線、西武鉄道新宿線の合計47駅のホームにおいて、市中からの対策により、5Gのエリア化が完了した。

KDDIは6月に「鉄道路線5G化」を宣言しており、今回の対応を含めて2021年度末までに、JR・私鉄を含む関東21路線、関西5路線の主要区間のホーム・駅間および駅構内での5Gエリア化を目指すとしている。

札幌大通、新宿、福岡天神など全国80の商業地域も拡充

商業地域では、札幌大通、新宿、福岡天神など全国80の商業地域が5Gエリア化した。これは全国の乗降車数上位の駅を中心とした重点地域で、今後は隣接地域も含めて広く5Gエリア化を進めていく方針。

バーチャル渋谷のハロウィン、今年も開催

KDDIは「バーチャル渋谷」などの取り組みで、自治体や関連企業との連携を強化しており、リアルとバーチャルが融合した社会を5Gで実現するというテーマを推し進めている。これはハードウェアの進化や5Gのエリア拡大でさらに発展している最中でもある。

コロナ禍の中、2020年5月に登場したバーチャル渋谷は、同年10月に「バーチャル渋谷 ハロウィーンフェス」を開催。のべ40万人が参加したという同イベントは今年も開催されることが決定した。

今回の「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス 2021 ~ FUN FOR GOOD ~」は、10月以降に順次開催される。スポーツ、音楽、お笑いなどをバーチャルステージで実施するほか、特別グッズの販売も実施し、販売利益はすべて渋谷区に還元することで街づくりにも貢献する。

また、渋谷や銀座に設置される全身スキャナーで自身のアバターを作成できる仕組みも用意し、作成したアバターデータを用いて、バーチャルハロウィンを特別な衣装で楽しめる。

10月中旬にはサッカー・ワールドカップのAFCアジア予選について、バーチャル渋谷のスクランブル交差点にてパブリックビューイングを実施する予定。10月下旬には「バーチャル渋谷 ハロウィーンライブ」として、新しい学校のリーダーズのバーチャルライブを実施。ほかにも若手のお笑い芸人を支援する目的の活動も今後開始する。

さらに今後は、実店舗と連動する形で、バーチャルで試着を実施、商品が自宅に届くといった、リアルとバーチャルの融合を加速させる取り組みも実施していく。

一連の自治体との連携を含めた先進的な取り組みは今後「バーチャルシティ」として展開、2022年の春に、ほかの大都市に順次拡大する予定としている。

スマホアプリでバーチャルサービスの映像を配信

5Gなどの先進的な取り組みについて、AR(XR)や映像で手軽に楽しめるようにする無料のサービス「au 5Gチャンネル」も10月から提供する。スマートフォンアプリの形で提供され、サービスの利用は無料で、データ通信量はかかる。

ここでは、XRコンテンツやバーチャル渋谷をはじめ、バーチャルシティなどの先進的な体験や、音楽、映画・ドラマ・アニメ、スポーツ、お笑い、ゲーム、癒しなど、さまざまなチャンネルで構成された動画を、ザッピングするように視聴できる。また、登録した生活圏が5Gエリア化されると通知する機能や5Gエリアマップなども搭載される。