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メルカリでお金を借りる。少額融資「メルペイスマートマネー」開始

メルペイ山本真人COO(左)、信川享介取締役(右)

メルペイは、フリマアプリ「メルカリ」の利用実績等を元に金利・利用限度額が決まる少額融資サービス「メルペイスマートマネー」を8月3日から提供開始した。

メルペイスマートマネーは、20万円を上限金額とし、メルカリにおける利用実績等を元に金利・利用限度額を決定し、メルカリアプリで申し込みと利用が完結する少額融資サービス。メルペイで展開していた後払いサービス「メルペイスマート払い」を拡張し、少額融資にも対応。メルカリ内での購入やメルペイでの支払いだけでなく、必要なときにお金を借りれるようにする。

メルカリアプリで「お金を借りる」。メルカリ利用で金利変動

一般的な金融システムで用いられる属性情報(職業・年収等)を元にした与信では、一律で金利・利用限度額が決まるが、メルペイスマートマネーでは「メルカリ」の販売実績等から予測された将来の販売傾向に応じて金利が優遇されるなど、利用者の利用状況に合わせた融資を行なう。

メルカリアプリに「お金を借りる」
シミュレーション
返済日や返済額をアプリで表示

金利は年率3~15%で、メルカリの利用実績により変動。チャージされたメルペイ残高は、メルカリアプリ内やメルペイ加盟店での利用、送金、銀行口座からの出金も可能となる。支払いは、メルカリのポイント・売上金が利用できるほか、銀行口座からの引き落としに対応。引き落とし日は11日、16日、26日から選択できる。

対象は20歳以上70歳以下で、引き落とし用の銀行口座を登録済み、かつ本人確認(eKYC)済みであること。また、メルペイスマートマネーの審査を通過する必要がある。遅延損害金は年率20%。滞納時には信用情報機関に記録される。

利用時には、申し込み前に適用金利や返済の見通しが表示され、利用中も利息を含めた返済額の合計を表示するなど、わかりやすさに配慮。また、一度の申し込みで利用限度額が決まる一般的な貸付方式(極度貸付)ではなく、利用毎に審査を行なう(証書貸付)ため、その都度一人ひとりに合った利用限度額に変動するという。

なお、審査は多くは数分で完結するが、信用情報がデータと一致しない場合は、数日かかる場合があるという。

メルカリユーザーの行動で信用を判断

メルペイでは、'19年4月から行動履歴による与信を使った「メルペイスマート払い」を展開してきた。メルペイスマートマネーは、スマート払いを拡張し、メルカリ・メルペイ以外の日常生活でも利用できる少額融資サービスとして展開する。

特徴はメルカリアプリのみで申込から審査、利用、返済のすべてを完結できること。メルカリユーザーにとって使いやすく、またメルカリの利用実績で金利優遇も行なわれるため、「メルカリを利用している人ほど使いやすいサービス」(メルペイ山本真人COO)という。

実際あと払いのメルペイスマート払い利用者は、48.2%がメルカリの売上金を返済に利用している。また、メルカリ売上金を保有している人の延滞率は、売上金がない人の2/3となっているなど、返済確率が高いという。メルペイで期日通り返済している、メルカリで丁寧に迅速に取引している人などは信用が高いと判断し、金利優遇などを行なう。

スマートマネー開始にあたり、貸金サービスの課題に配慮。支払い能力以上の利用や、支払いのための複数サービス利用、与信サービスへの理解不足など対策を行なう。

支払い能力以上の利用については、都度審査の「証書貸付」として、多重債務懸念のある人の利用を抑制。また、申込時に適用金利や利用の見通しを表示するほか、支払完了までに期間や月々の支払金額・利息などをわかりやすく表示し、利用の見通しを立てやすくしている。

また、延滞抑制のためには返済の柔軟性も重要。そのため、支払額の変更や返済日の変更に対応する。さらに、収入減などに際に、有人のサポートデスクで支払い条件変更の相談もできるという。

スタート時点では、メルカリを利用する個人向けのサービスとして展開。法人向けについては、現時点では予定はないとしている。利用者数などの目標は非公開。