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ドコモ、MNPが12年ぶりにプラス。ahamoは3月26日開始

NTTドコモの2020年度第3四半期決算の発表の様子

NTTドコモは、2020年度第3四半期決算を発表した。この中で、2020年12月のMNP(携帯電話番号ポータビリティ)が、転入が転出を上回るプラスになったことが明らかにされた。ドコモがMNPでプラスになるのは、2009年1月以来の約12年ぶり。

ドコモは新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」が好調としており、MNPの転入自体は伸びていたという。そこに2020年12月3日に発表した「ahamo」(アハモ)の効果でドコモからの転出が減り、結果として12月のMNPがプラスに転じることになった。また、2021年1月もプラスになっているという。

ドコモはahamoを3月26日に開始することも発表。対応端末などは3月1日に発表する見込み。今回新たに、ドコモユーザーが「ahamo」に移行してもドコモ回線の利用期間を引き継げることが明らかにされている。

ドコモによると、「ahamo」の事前エントリーは2月5日時点で100万件を突破。エントリーのうち、ドコモのユーザーが「ahamo」に移行する割合が、他社からの乗り換えより若干多いという。また、エントリーしている年代のうち20~30代が半分を占め、これは想定通りであるものの、ドコモの通常のプランの倍の比率という。

ドコモの井伊社長は好調なエントリー数について「こんなペースになるとは全くの想定外。年間で100万件いけたらいいなと思っていた」とする一方、「まだエントリーで、実際の契約はこの何パーセントになるのか。楽観視はしていない」と気を引き締める。もっとも、「他キャリアの料金プラン発表後も順調に(ahamoへの)エントリーが伸びており、魅力は失われていない」と自信をみせており、長らく3番手が定着していたMNPで1番になることに期待を寄せた。

なお、5G契約数は2月4日時点で185万。「年度末目標の250万に向けて順調に成長している」(井伊社長)とした。

金融サービスを強化。d系サービスを見直し

ahamoのスタートや既存の料金プランの値下げに伴い、来期の収益への影響も見込まれる。「もちろんマイナスはあるが、MNPのプラスによりユーザー数が増えていく部分もある。トータルでは影響があるが、非通信分野などを伸ばしていく」(井伊社長)と説明した。

強化について言及したのは「金融サービス」。dカードなどの金融・決済取扱高は、前年同期比33%で5兆800億円。加盟店開拓やプロモーション施策などにより大幅に伸ばした。うちd払いの取扱高は119%増の5,680億円、ユーザー数は同48%増の3,255万。

井伊社長は、「金融サービス・商品についてはまだ余地がある。dカード・d払いはまだまだ強化できる。例えば加盟店は増えているが、利用回数では負けている。また、金融各種商品は、パートナーと一緒に進めることを考えている。内容については然るべきときに発表する」とした。

なお、dポイントクラブ会員は前年比7%増の7,967万人で、まもなく8,000万会員を超える見込み。dポイント利用は同25%増の1,824億ポイント。

また宅配サービスの「dデリバリー」の撤退を決めるなど、d系サービスの見直しも図っていく。「負けているものは撤退を含めしっかりと方針を決める。すべて自社でやるのは無理だが、他社と組んで他力本願でも負けてしまう。そのバランスを見極めていく。適切な時期に発表する」とした。