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メルペイ、「ふえるお財布」で金融サービス強化。メルカリ決算

メルカリは、2021年9月期決算を発表した。売上高は260億円(前年比41%増)、営業損益は10億円。メルカリは、出品の拡大を軸に、マーケティングやオフライン施策を強化。メルペイでは、スマート払いの認知向上を図るほか、新たに「ふえる財布」で金融サービスを強化していく。

梱包配送などメルカリは出品強化継続

日本のメルカリ(メルカリJP)は、新型コロナの影響で大きく伸ばしていたGMV(総流通額)はやや落ち着きを見せ、成長率は一時鈍化。MAU(月間アクティブユーザー)は前年同期比17%増の1,802万人、GMVは同28%増の1,970億円。売上高は190億円で、営業利益は61億円。営業利益率は32%。

2020年以降から継続的に「出品」を強化しているが、その流れを継続。特に梱包発送の簡便化によるユーザー体験の向上を図っており、11月にスタートした郵便ポストを使う「ゆうパケットポスト」や、まとめて出品を依頼する「あとよろメルカリ便」、セルフ配送投函ボックス「メルカリポスト」などを強化する。

ドコモとの連携も強化し、ID連携や出品で協力。メルカリポストをドコモショップに1,000店展開を目指すほか、メルカリ教室を実施し、メルカリの出品の仕方を幅広いユーザーに紹介していく。ドコモとメルカリのID連携は12月末時点で480万で、ARPU(1ユーザーあたりの平均購入金額)もID連携者のほうが高いという。

また、ユーザー獲得に向け、特に高齢者に向けたテレビCMを展開。梱包資材の販路も拡大し、コンビニのほか、ドラッグストアやスーパーでも販売していく。

メルペイで「ふえるお財布」

メルペイは、「決済」に加え「与信」のサービスに力を入れる。あと払いの「メルペイスマート払い」は、使ったぶんを翌月にまとめて精算する「一括払い」と月々に分けて支払う「定額払い」を展開。いずれも順調に進捗し、11月からは定額払いの手数料徴収(年率15%)も開始した。

メルペイにおいては、この与信事業を中心に収益力の強化を進める。ただし、「スマート払いの認知はまだ低い」(小泉文明 取締役President)としており、下期は認知度、利用者増加に向けたマーケティング施策などを強化する。

また、新たに「ふえるお財布」も「メルペイの3つめのサービス」として強化していく。

ふえるお財布は、メルペイ残高を利用した資産運用サービス。第1弾として'20年11月に行なった「funds」を用いた取り組みは、募集から41秒で完売し、ユーザー関心の高さを確認したという。今後の展開は検討中だが、ユーザーにとって価値ある金融サービスの提供を目指すとする。

循環型社会の実現へ

メルカリUSも、新型コロナの影響で春以降大きく伸びていたが、10-12月はやや落ち着いた。販売手数料に加え決済手数料も導入し、収益化を強化しているが、GMVには大きな影響はなく、成長に向けた投資を継続する。

近隣への即日配送サービス「Mercari Now」も人気で、家電など大型で単価の高い商品で利用されているという。Webも強化し、取引履歴などをWebから確認できるようにした。また、売り手(セラー)向けの管理ツールなども提供開始した。

メルカリ全体では、同社が目標とする「循環型社会」の実現に向け、マーケットプレイスの原則を策定したほか、出品規制の原則や一時的な価格急騰について知らせる機能の追加などに取り組む。

投資については、これまではコロナ禍で投資抑制してきたが、グロースを優先した投資を再開していく。