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メルカリ、赤字は「ピーク超え」。メルペイは利用者獲得から収益化へ

メルカリは30日、2020年6月期第3四半期(1-3月)決算を発表した。売上高は前年同期比49.8%増の203億円、営業利益はマイナス63億円(前年同期はマイナス40億円)。日本のメルカリの成長が続く一方、メルペイと米国メルカリ(US)が赤字なのは第2四半期までと同様だが、「営業損失はピーク超え」とし、赤字幅を減少させていく方針。

新型コロナウイルスの影響については、第3四半期まではほぼ無し。ただし、第4四半期以降は全社で広告宣伝費・販管費の大幅削減と図る。鹿島はJリーグ開催延期によるチケット収入の減少の可能性がある。

日本のメルカリ(JP)は、3月後半から購入単価にマイナスの影響があるが、出品数やGMV(総流通額)は上昇傾向。商品カテゴリもアウトドア向けからインドア向けにシフトしているという。

メルペイは、スーパーやドラッグストアでの利用増となったが、第4四半期以降は外出自粛強化で利用頻度や利用額への影響が見込まれる。メルカリUSは、3月20日前後の一部の州でのロックダウン以前は出品・購入ともほぼ影響なし。ロックダウン以降、今後の傾向には不確実性があるが、特に既存ユーザの間で取引数は続伸しているという。

メルカリJPにおいては、本・ゲーム(エンタメホビー)、ハンドメイド、家電などの購買需要が増加。USはElectronicsやToyを中心に伸び、カテゴリーの多様性が高まっているという。

日本のメルカリは高成長。ドコモとの提携効果は'21年6月以降

日本国内のメルカリ事業は、GMV(総流通額)が過去最高の1,641億円、売上高が153億円、営業利益が46億円。GMVの伸びは前年比27.5%。第4四半期も25%~30%台前半のGMV成⻑率を目指す。調整後営業利益率はコスト削減により30%程度を見込む。

ドコモとの提携については、2月にメルカリでd払い利用時にdポイント還元キャンペーンを実施。GMVリフトアップ効果もあり、第4四半期もキャンペーンを実施予定とする。6⽉頃からドコモとのID連携など順次シナジー効果を出していくが、業績に本格的に貢献してくるのは、2021年6月以降とする。

メルペイ、利用者獲得→与信事業による収益化へ

メルペイは、月間決済回数2,000万回、本人確認済みユーザー数500万人を突破。新型コロナの影響で先行き不透明感があるため、広告宣伝費や販管費を抑制し、赤字額を削減させていく方針。ドコモや信用金庫との協業による加盟店の営業効率向上も見込む。来期からは、定額払い(分割払い)サービスの導入も予定しており、利用者獲得から与信事業による収益化へのシフトを進めていく。

メルカリUSは、12月末からの投資拡大が一定の成果。GMVは前年比で55%増、MAU(月間アクティブユーザー)は340万人を超えた。第3四半期の3カ月でのGMVは1.6億ドル。新型コロナの影響で外出規制が始まった3月末から、利用者数・GMVともに成長率が加速し、4月にはEコマース全体の物流容量のパンクや政府助成金による購買刺激で、さらに成長が加速しているという。ただし、目標とする月間GMV 1億ドルには届いておらず、今後の方向性に関しては、「第4四半期の決算発表時点でコミュニケーションしたい」としている。

2020年6月期の通期業績予想は、売上730~750億円、営業利益マイナス250~230億円。メルカリJP単体では、売上570~580億円、調整後営業利益率26~28%。