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引越し手続をワンストップに。内閣官房が実証実験

引越しポータルと各事業者・行政との連携(出典:政府CIOポータル)

内閣官房IT総合戦略室は、引越しに伴う関連手続きを一括で行なう「引越しワンストップサービス」の実証実験を12月2日~24日まで実施する。行政と民間企業が連動し、引越し時に電気・ガスなどのライフライン、転出・転入届けなど行政サービスをまとめて実施することを目指す。

引越時の負担を軽減するための取り組み。利用者は、民間事業者が用意した「引越しポータル」サイトで自身の情報を入力。引越しポータルが利用者と行政・民間企業の橋渡しをする。ユーザーが入力した情報をオンラインでやりとりする仕組みは国内初。

引越の知識がなく、必要な手続きを知らない人や、知っていても同じ内容を何度も申請する手間、窓口の混雑で手続きに時間がかかるようなケースを減らし、利用者の利便性を向上する。事業者側としては手続きを自動化することで支払い漏れなどの契約管理コストを削減できる。

引越しポータルの運営は下記の6社。そのほか、電気事業者、ガス事業者、水道事業者など約20の事業者が協力する。

・ウェブクルー(ズバット 引越し手続き)
・エイチーム引越し侍(引越し侍 まるごとスイッチ)
・東京電力エナジーパートナー(引越れんらく帳)
・LIFULL(LIFULL HOME’S 引越し手続き)
・リベロ(手続きラクっとNAVI powered by 引越しラクっとNAVI)
・リロクラブ(福利厚生倶楽部)

引越しポータルを利用すると、従来は個別に行なっていた電気・ガスなどの民間関係手続きを一括で申請可能になる。実証実験は24日までで、2020年3月に結果をまとめる。

実証実験では、引越しポータルからの民間関連の一括手続きは一部にとどまり、水道など一部のサービスも対応事業者が限られているが、2020年度以降に順次拡大予定。本人確認が必要な手続きについても連携を強化する。

将来的にはマイナポータルAPIと連携し、行政関連手続きにも対応。例えば、マイナンバーカードで「特例転出届け」を出せば、利用者の情報があらかじめ自治体に届けられるので、後日、自治体窓口でスムーズな手続きができるようになる。

また、自動車関係の手続きについても2022年度からの自動車検査証電子化を視野に入れ、引越の手続きを簡素化するなど連携のあり方を検討していく。

実証実験後のロードマップ(出典:政府CIOポータル)