ニュース

タクシーのDiDi、東京・京都上陸。5月末にPayPay対応、年度内に13都市展開

DiDiモビリティジャパンは、4月24日から東京都と京都でタクシー配車プラットフォーム「DiDi」を提供開始する。東京エリアでは、アプリ内決済を利用した場合に、迎車料金が無料になるキャンペーンを、京都では初回利用時に1,000円分のクーポンがもらえる「初回利用キャンペーン」を実施する。

DiDiは、中国の滴滴出行が手掛ける世界最大級の交通プラットフォームで、ソフトバンクが出資。国内では大阪においてタクシー配車プラットフォームを'18年9月から展開開始し、地域拡大を図っていた。東京でも実証実験を行なっていたが、24日から正式にサービス開始。大阪、東京、京都に続き、2019年度中に、北海道、兵庫、福岡など10都市にサービス拡大し、合計13都市で展開する。

エリア拡大とともに、Yahoo! 乗換案内アプリ対応、PayPay対応、会員プログラムの導入などの計画も明らかにした。

24日からは、DiDiアプリが「Yahoo!乗換案内」アプリと連携開始。ルート検索画面にDiDiによるタクシー利用が移動手段として提示され、Yahoo!乗換案内アプリからのタクシー配車に対応する。

さらに5月末にはPayPayの決済機能を搭載。QRやバーコードの読み取り・提示なしで、PayPayで支払えるようになる。QR/バーコードを使わないPayPay決済は今回が初となる。また、PayPayで支払うとDiDiがお得になるキャンペーンも6月中旬以降に実施予定。

今夏には「会員プログラム」も開始。DiDiの利用金額に応じて、3段階に会員ランクがアップし、割引金額が大きくなる。

会員プログラムも展開

東京都での迎車無料キャンペーンの対象地域は、23区と三鷹市、武蔵野市、成田空港。事前にクレジットカード情報を登録し、支払いもクレジットカードを利用する必要がある。

AIと開発力を強みにエリア拡大

DiDiモビリティジャパンの菅野圭吾 副社長は、昨年の大阪でのサービス開始以降の取り組みとともに、東京・京都での新展開や、Yahoo!乗換案内との連携、PayPay決済対応などの新施策を紹介した。

DiDiモビリティジャパンの菅野圭吾 副社長

国内にはJapanTaxiをはじめ、MOV、みんなのタクシー(S.RIDE)などの競合もあるが、菅野副社長がDiDiの強みと語るのは「AI」。「(他のタクシー事業者は)人を介して配車している場合もあるが、DiDiは完全にAIが配車を行なっている」とし、すぐにドライバーと乗客のマッチングが行なえる点をアピールした。

大阪では、車両到着時間が5分以内になっているが、「ドライバーに会うまでの時間を『秒単位』にしたい」という。

また中国で多くの利用者を抱えることから、日本においても多く活用されていること、既存のタクシーよりも20~30代の利用が多いこともDiDiの特徴という。

大阪での配車実績は毎月60%成長しており、半年で10倍になった。加盟タクシー会社も「毎週1社ずつ増えている」とのことで、42社となった。なお、東京や京都の加盟タクシー社や台数は明らかにしていない。

また、アプリやサービスを自社で一体開発しているため、Google Map連携や乗車禁止区域の反映など、日本市場向けのプロダクト改善にも積極的。その改善速度もDiDiの強みという。今後は車内向けのタブレットなども提供予定。

乗務員向けアプリやサービスも強化。どこに人が増えているかを示す「ヒートマップ」、業務終了時に帰庫ルートの乗客のみを受注する「Go Home」、乗車中タクシーを降車前に次の配車につなげる「乗車中の配車機能」などを展開予定。

国交省での検討が進められ、実証実験も行なわれている、乗車前に運賃を確定させる「事前確定運賃」や「相乗りタクシー」などについても「対応していく方針」(菅野副社長)という。過疎地域での相乗り導入など、通常のタクシー運用以外の展開も検討していく。