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100周年のパナソニック。自動運転や買い物ロボ、濡れないミストなど紹介

パナソニックは、創業100周年とともに新たなパナソニックの姿をアピールするイベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」を10月30日から11月2日まで開催する。会場は東京・有楽町の東京国際フォーラムで、入場には事前予約が必要。展示ブースで見えてきた、次のパナソニックの姿を紹介する。

会場は東京国際フォーラム

次世代モビリティで没入体験「SPACe_L」

SPACe_Lは、自動運転時代の「次世代モビリティ空間」を目指したコンセプト展示。運転室がなく、広くスペースを使えるためビジネスやリラックス、エンターテイメントなど様々な用途に快適に使える空間を目指すという。

SPACe_L

その一つの提案が、ベルリンフィルハーモニー交響楽団と、パナソニックのオーディオブランド「Technics」と連携したイマーシブ(没入)映像・音楽体験。ウィンドウ部をディスプレイとして、4K/HDRのベルリンフィル映像を表示し、天井などに備えたスピーカーで臨場感あるサラウンド再生を行なう。

ベルリンフィルと協力

このまま製品化へ向かうわけではないが、自動運転になると車内空間での体験に大きな変化がでると予測し、様々な提案を行なっていくという。

今後力を入れる「Home X」も紹介している

お買い物に“ついてくる”ロボなど

DIVERSE COMMUNITYと題したブースでは、歩行トレーニングロボットやパーソナルポーターロボットを紹介している。

パーソナルポーターロボットは、バッテリとモーター、センサーを内蔵し、歩行者の後をついていく「買い物ロボット」的なコンセプト。ロボットの内部には、2リットルのペットボトルを6本まで収納可能で、手ぶらで重い荷物やお土産の運搬に対応する。

パーソナルポーターロボット

収納ドアは顔認証で開閉するため、収納したものを盗まれる心配は少ないとのこと。またイスとして座れるようなデザインにした点も特徴。バッテリ駆動時間は「ほぼ1日」とのことだが、荷物などにより異なるという。スピードは人が歩く速度程度。

2リットルのペットボトル6本も収まる

お年寄りの買い物補助などにもよさそうだが、課題は、公道の自動追従運転は、現時点の法律では難しいこと。そのため大型商業施設やテーマパークなどでの導入を想定し、2025年ごろの実現を目指すという。

パーソナルポーターロボットの動作

歩行トレーニングロボットは、歩行に向けたリハビリや高齢者の歩行サポートのための運動を補助するロボット。手すりを持ちながら歩行の支援を行なうもので、脚部にタイヤを装備。モーターでブレーキの利きを調整し、負荷を3段階で選ぶことで、リハビリや練習にあわせて調整できる。

歩行トレーニングロボット

体の傾きや走行距離も検出。トレーニング後にはデータを集計してクラウドで管理できるため、現場のスタッフや医師と相談しながら、リハビリの方針を決めたり、進捗を確認できる。2017年から一部施設で実証実験を開始しており、2019年以降は今回披露した新型のロボットでも実証試験を行ない、早期の事業化を目指すという。

歩行データなどを記録
トレーニングの結果

「スケーラブル ePowertrain プラットフォーム」も展示。自動運転を想定したEV(電気自動車)向けのパワートレーン(動力部)をモジュール化したもので、重量1,800kgの低速モビリティであれば最高時速40kmを実現可能。

スケーラブル ePowertrain プラットフォーム
実装イメージ

遊園地のアトラクションやテーマパークの無人移動手段などを導入時に、そのパワートレーンとして選択できるようモジュール化。今回の展示製品は、チャージャー、インバーター、DCDC、モーターまでを一体化し、2020年ごろの量産を予定しているという。

また自動運転に向けた「e-COMMUTER」も紹介。車室空間の広さとともに、ガラスシェードのON/OFFをワンボタンで切り替えられるため、医者の往診などでも使える、といった利用イメージを実機で紹介している。

e-COMMUTER
広い車室空間
ガラス部は電動でシェードをON/OFFできる

ハイスピードプロジェクションマッピングやシルキーミストも

ハイスピードプロジェクションマッピングも紹介。ボルダリングの選手の動きにあわせて、プロジェクタで演出を加えていくもので、トライに成功すると[SUCCESS]とリアルタイムで表示するなど、映像技術とスポーツの融合による魅力の創出をアピールしている。

ハイスピードプロジェクションマッピング
ハイスピードプロジェクションマッピング

シースルー翻訳は、パナソニックの翻訳エンジンとプロジェクタを使った透明スクリーンによる翻訳表示により、対面での翻訳をサポートするという技術。

シースルー翻訳

シルキーファインミストは、従来の1/3という直径10ミクロン以下のミストにより、局所的に涼しい空間を作り出すというもの。これまでのミストは粒が大きく「濡れやすい」というデメリットにより人との距離が必要で、冷却効率が下がるという課題があった。

ミストを細かくすることで、人に近い距離でも“濡れ感”を防ぐことができるため、導入シーンの拡大が図れるという。

シルキーファインミスト

欠品検知ソリューションは、店内を4m幅で10分ごとにカメラ撮影し、欠品が発生すると画面上で注意喚起する。またデータを集約して在庫管理や発注作業などに役立てられるという。

欠品検知ソリューション