これまでアップされた著名な皆さんのレビューを読んでいたら、ビエラのコマーシャルで「ヒューマンビエラ」と言っていることが分かったような気がしてきた。「オールインワン」とも違い、リンク機能で色々繋がったり、「見やすさ」「使いやすさ」「環境」への配慮というのが「ヒューマンビエラ」のコンセプトなのだ。
ビエラと連携する機器のうち、DVDレコーダーは当たり前だが、どこでもドアホンにはビックリした。もちろんビデオカメラも繋がるのなら、デジタルカメラはどうなんだろう?そして40inch超の大画面で見る写真はどうなんだろう? 一昔前はデジタルカメラの写真を見るためには、カメラに付いているビデオ出力端子から、テレビのビデオ入力端子にケーブルで繋いだ。それで見た写真は、見ない方が良いぐらい無惨なものだったが、それがビエラリンクなら、フルHD大画面の高画質だと綺麗に見えるのだろうか?
そんなわけで「人から聞いた話は信じない」「自分で試して感じて、納得しない限りは人には勧めない主義者」なので、いざPanasonicショールームで見て、試して感じてこよう。
【デジカメで撮ってテレビで見られる!】
納得するためには、自分で撮った写真でないといけない。そこでLUMIX「FX33」を持って京都に行ったり、植物園に行ったりと撮りまくり。そしてショールームで待っていてくれたビエラは、今年の秋モデルPZ750SKの型番の最新機種だ。さっそく試してみた。
まず、「写真一覧」を見てビックリ。予想より早くサムネイル表示してくれるので、見たい写真を選ぶのにロスは少なく、待たされるストレスがない。遅かったら使いたくなくなるから、これはとっても使いやすい。写真を1つずつ進めることもできるし戻すこともできる。そしてスライドショーの設定項目など、機能は充実しているから文句ない。
表示した写真は16対9で撮影したものならば、画面の縦横比率と同じなので、全画面にフルHD画像表示してくれる。4対3で撮撮影したものは画面縦いっぱいの4対3で表示してくれる。どちらも迫力は今まで経験したことないド迫力な大きさだから、下手な写真でも迫力でカバーできるかも!? なにしろ普通写真を撮ってプリントしても、せいぜいA4サイズだ。もちろん仕事でポスター用を撮れば別だが、それはコピー(宣伝文)が入っているので、私の写真から離れた存在になっている。自分で撮ったものを大画面で見る楽しさはまた格別である。
大きいだけではない。画質が良くなくては話にならないし、写真家としては自分の写真が綺麗に表示してくれないと困る。40inch以上の大画面で1920×1080にリサイズされて表示するとなると、解像度が足りないのではとちょっと心配。だがすぐにそれは消し飛んだ。植物園で撮影した、微妙なグラデーションの花びらが見事に表現され、そればかりか気がつかなかった細かい葉脈のような筋がちゃんと表示されている。濃い色の花は色飽和を起こしがちだが、それもなく無難に綺麗に表示してくれている。思っていたより自然な無理のない色作りに脱帽であった。プラズマ方式のビエラは予想以上に写真を見るのに適しているのかもしれない。
大画面フルハイビジョンの利点は大勢で見られること。旅行やイベントの後、ホームパーティーでみんなで写真を見ることもできるから、これは楽しそうだ。その時気になるのが視野角である。大勢で見るとけっこう横から見る人もいて、色がちゃんと出てないと困る。さすがに高精細なプラズマパネルの実力は少々斜めでも、全くと言っていいほど「そのまま」見えちゃっている。これなら脇から見ている人も同じように見えてくれる。我が家の液晶テレビとは、天と地の差ぐらい。まったくもっていやはや素晴らしい!
【ビエラの相棒「ディーガ」で写真保存が便利!】
このビエラにはタッグを組んでいる、ご存じDVD・HDDレコーダー「ディーガ」がある。ビエラリンクで繋がる「ディーガ」は「ブルーレイディーガ」も登場してフルハイビジョン録画までできてしまう。それはさておき、その「ディーガ」にもSDスロットがあり、デジタルカメラから取り出したSDを差し込めば、自動的にメニューが出て同じような操作ができる。しかも同じリモコンで操作できちゃうから、メインのリモコンは1つで済む。これはもう購入時にはセットとして考えた方が良いかも。そしてだ、LUMIXで撮った写真データを、「ディーガ」のHDDはもちろんDVDに焼いて保存することもできる。私のデジタルカメラの写真データはパソコンのHDDに保存しているが、その中のプライベート写真を見返すことはほとんどない。もし「ビエラ」+「ディーガ」ならいつでも見えるので家族も喜ぶかも。
これから出る新型「ディーガ」は、写真データをHDDに入れるとき、日付ごとにフォルダ保存が可能。同じSDメモリーカードに写真を撮り増やしてから保存しても、撮り増やした写真の差分だけを追加してくれる。凄い!便利だ!
より気に入ったのは、スライドショーと同時にBGMを流すことができることだ。お気に入りの写真をマイアルバムに登録して、ディーガのHDDに保存してある音楽をBGMに設定すると、より楽しいスライドショーになる。こうなれば毎夜仲間を集めホームパーティーか、一人で疲れた体をリクライニングチェアーに深々と沈め、ボーっと音楽を楽しみながらスライドショーを見るのも楽しいかもしれない・・というかやってみたい!
【ホームプリントもら~くラク!テレビで選んでその場で印刷】
さて、見る楽しさだけではない。DPOF対応だから「ビエラ」でも「ディーガ」でも、SDメモリーカード内にある写真データをサムネイル表示させて、必要なカットにチェックと必要な枚数を記録できる。そのSDメモリーカードを対応プリンターのSDスロットに差し込み、カンタンな設定をするだけで、印刷するカットとその枚数を認識して印刷する仕組みだ。L版やはがきサイズ写真プリントする人なら、小さくてじゃまにならないホームフォトプリンター「PX20」を脇に置いておけば、重宝するかもしれない。友人と行った旅行の写真を、人数分プリントなんて簡単にできてしまう。このプリンターは私の好きな綺麗なプリントで定評のある昇華型だし、保存性能も良い。また対応プリンターはなくても、町の写真屋さんに「DPOF設定してあります」と言ってSDメモリーカードを渡せばチェックしたカットをプリントしてくれるらしい。・・うーん便利!
【進化していく「ビエラリンク」】
各分野で活躍するライターによる「Panasonic HEADLINE」オリジナルコンテンツも今回の第10回で終わる。レポートを読み思ったのは、一昔前のテレビの概念はもう風前の灯火!?ビエラを中心にディーガやラックシアター、LUMIX、ハイビジョンムービー、どこでもドアホン、そしてネットで繋がる世界など、単なるテレビと言えない。
その「多種多様な異機種連携」と言って良いのか分からんが、「ビエラにリンク!」の世界はこの先どうなっていくか楽しみである。我が家の22inch液晶テレビから40inchクラスのビエラに代えて、繋がるすべてを手に入れたら素晴らしい世界が待っているような気がする。それが手の届くところにあるのだがら、うーん、「新しいテレビの夜明け」なのかも。
(若林 直樹)