■SDカードにフルハイビジョン
今一般ユーザーが手に入れられる動画のうち、もっとも高画質なのはフルハイビジョンムービーの映像なのではないかと思う。何せ自分でナマの映像を撮影するのである。編集や放送のようなプロセスがまったく入らないため、素材そのものに納められたすさまじい情報量を、ダイレクトに見ることができるのだ。
もちろんハイビジョンムービーが最も楽しめるのは、当然フルハイビジョンのテレビである。今回はビエラと、フルハイビジョンムービーのリンクを試してみたい。
さてPanasonicのハイビジョンムービーカメラと言えば、大半はSDカードに撮るというスタイルだ。つまりフルハイビジョンの映像は、小さなSDカード内に納められている。
これまで、ビデオカメラの映像をテレビで見るという場合、映像と音声ケーブルを持ってきて、テレビの外部入力端子に接続していたわけだ。しかしいちいち繋ぐのも面倒だし、再生や早送り、スキップといった操作は、ビデオカメラ側で行なわなければならない。そうこうしているうちに、だんだんビデオカメラの映像というのは、撮りっぱなしになってしまうのである。
だがビエラのPZ750SK/PZ700シリーズなら、前面にあるSDカードスロットにSDカードを差し込むだけ。フルハイビジョンの映像が、そこからダイレクトに再生できるのである。
この動作にも、実は「ビエラにリンク!」のポリシーが生きている。SDカードスロットに差し込むと、ビエラは自動的にSDカード内にあるムービーの一覧を表示する。ビエラのリモコンで見たいクリップを選ぶと、左側に動画サムネイルが表示され、それがどんな内容なのかすぐにわかる。レコーダーでテレビ録画したリストと同じようなものだ。
見たいムービーを選んで決定ボタンを押すと、すぐに全画面表示で再生されるというわけである。これならケーブル接続も必要ないし、早送りやスキップといった操作は、ビエラのリモコンで全部行なうことができる。
■ムービーカメラも直結
同じビエラでも上記モデルじゃないとシアワセになれないのか、と聞かれれば、そんなことはない、とお答えしよう。それが「ビエラリンク」のエラいところなのである。前面にHDMI端子があるビエラならば、ハイビジョンムービーカメラもレコーダーと同じような感覚で「ビエラリンク」できるのだ。
さっそくこれも実験してみよう。ビデオカメラ側の設定で「ビエラリンク」が「入」になってることを確認したら、あとはカメラとビエラをHDMIケーブルで繋ぐだけ。
もはやおなじみとなった動作だが、ビエラの画面が自動的にムービーカメラに切り替わり、普段カメラの液晶モニタで見慣れた再生モードの画面が現われる。
ビエラリモコンの操作は、ムービーカメラのジョイスティックと同じだ。上下左右で見たい映像のサムネイルを選択して、選択ボタンを押すだけ。あとは全画面表示でフルハイビジョンムービーが楽しめる。
さらにビエラリンクの特徴である、電源連動までしてしまう。ビエラの電源を切ると、繋いであったムービーカメラの電源まで切れるのだ。これなら、「気がついたときにはバッテリー切れ」という事態も未然に防げるわけである。
レコーダーとの連動から始まったビエラにリンクの世界は、ハイビジョンムービーカメラも取り込んでしまった。大きなテレビで子供の成長記録を見るという楽しみを、また一歩大きく我々のほうに近づけたわけだ。
技術的に難しいことを、誰にでも簡単に実現できてしまうビエラにリンク。「運動会はいつも撮りっぱなし」は、もうビエラで卒業なのである。
(小寺信良)
※PZ750SKシリーズ、PZ70シリーズ。
時間はスタンダードモード/動画表示時のパネル輝度半減までの目安。残像(焼付き)・故障等は除く
エコロジー設計 http://panasonic.jp/viera/products/pz750/eco.html#01