映画に携わる身だからかも知れないが、こんな質問を多く耳にする。

「今まで観た映画の中で、一番好きな作品ってなんですか？」

　いやはや難しい質問だ、非常に非常に難しい。映画を愛する男、浜田としてはどの映画にも変わらぬ、そして絶え間ない愛情を注ぎたいと思うのが、親心というもの！これだーっていう作品はなかなかいいづらいのが常である。

　しかしながら、オトコを磨くための映画ナンバー１はこの映画をおいて他ならない。コッポラの不朽の名作、イタリア移民のコルレオーネ家の一大叙事詩『ゴッドファーザー』だ。フラットパンの上に熱々にヒートアップされるオリーブオイル、その上を優雅に焦げ跳ねるスライスガーリックの如く、観る者を常に飽きさせない軽快なテンポで物語りは進む。F・コッポラの凄まじい演出力に、思わずパヴァロッティばりの雄叫び声あげてしまうこと請け合いである。言い換えると実に唸りやすい映画、それが本作品の醍醐味に違いない。

　パチーノ、デ・ニーロの出世作となった本作品。映画の中のビトー・コルレオーネの生き様はもちろん、今はスター俳優になった彼らの無垢な体当たり演技にオトコを感じてしまう。ロマネコンティをリーデルのグラスでゆっくりと飲みたい、そんな大人の為の映画、『ゴッドファーザー』を是非貴方のワインセラーでじっくりと熟成してみては？