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Palm用手書きメモパッド「Decrio」製品版レポート

 昨年の11月にレビューを行なったDecrioは、製品直前のものをお借りしてのレポートだった。今回、Decrioの製品パッケージを入手したので、あらためて、付属ソフトなども含めてレポートしたい。


■ パッケージはこういうもの

日本IBM Decrio
標準価格24,800円。手書きメモというアナログデータをデジタル化して活用するためのWorkPad用オプション。ケース込み重量580g。サイズは190×270×40mm(幅×奥行×高)

 Decrio自体がどんなものであるかについては、前回のレポートを参照していただくことにして、ここでは、製品パッケージの内容などについて簡単に説明しておくことにしよう。製品には、バインダ型のDecrio本体、デジタルペン(スタイラス機能あり)、替芯、ソフトウェアCD-ROMディスク、電池(単4電池2つ。デジタルペンには最初からAAAA型電池がセットされている)、Decrioロゴ入りメモパッド2冊およびリファレンスシートからなる。

 バインダ型の本体は、開いて右側がタブレット部分、左側にIr送受信部と2つのポケット(替芯用と携帯電話用)がある。対象機種であるWorkpadは、30Jタイプは、付属のマジックテープで、c3は、c3のフリップカバーをDecrio側に差し込んで固定する。固定すれば、そのまま持ち歩くことができる。

 Decrioに付属のドキュメント類は、紙を2つ折りにしたリファレンスシートと俗に「投げ込み」と言われる紙(たいていは色がついていて、出荷直前に後からわかった注意点などが書かれている)のみ。マニュアルは、付属CDの中にPDF形式で書かれている。Decrio自体は、単に電池を入れるだけでよく、これについては、タブレット部分にイラストが書かれていて、それをみれば大丈夫(ちゃんと電池の向きも書いてある)なようになっている。

 インストールは、PC側のEcriNoteとWorkpad側のソフトを行なう必要がある。なお、製造元の武藤工業のWebサイトによれば、バージョンアップしたEcriNote があり、ユーザー登録すれば、入手が可能。こちらは、製品に同梱されているEcriNote 1.0の差分になっており、CD-ROMからEcriNoteをインストールしたのち、差分を適用する。

 WorkPad側には、Decrioによる手書きメモに対応した4つの置き換えソフト(アドレス、メモ帳、予定表、ToDo)やライブラリ、後述のMultiMail用のプラグインなどをインストールする。



■ ペンの追従性は抜群だが

 今回は、バージョンアップしたEcriNoteとPalm側の置き換えソフトを使ってみた。PC上のEcriNoteは、起動が早くなり、前回評価したものよりも、使い勝手が良くなった。ただ、前回評価したものが、製品に近いバージョンだったためか、WorkPadとの組み合わせでは、ほとんど違いを感じなかった(武藤工業のWebによると、いくつかのバグを直し、省電力時の動作が違っているとか)。

 Irで転送しているにも関わらず、ペンの追従性はかなりいい。乱暴に紙に殴り書きしていっても、ちゃんと筆跡を拾っていく。WorkPad上の画面とペンの位置には時間的なズレが僅かに出ることはあるが、データを落とすことはないようだ。PCなどで、マウスを使ったペイントソフトで、マウスをグルグル回すと、データの取りこぼしが発生して、曲線が直線になってしまうことがあるが、Decrioでは、こういった現象はおきなかった。デスクトップPCなどに比べて格段に非力なWorkPadのCPUでよくもここまでやったと思う。

EcrioNoteのウィンドウには、なぜかすべてが表示されているのにスクロールバーが

 ただ、ソフトの使い勝手としてはちょっといまいちな所もある。たとえば、Decrio対応のEMemoで描画中に他のアプリケーションに切り替えて、再度EMemoに戻ってくると、書きかけのメモは閉じられており、メモの選択画面になってしまう。多くのpalmwareでは、再度起動されたときには、前回の状態を再現するようになっているので、このDecrioでも同様の対応をして欲しいものである。もっとも、再度開くことでメモの続きを書くことはできるので、実害はないのだが、なんかめんどくさい。たとえば、これで会議のメモを取っている途中に、スケジュールなどを確認したりすることもあるだろう。そんなときに、1アクションで戻ることができないのでは、素早く続きのメモを取ることができない。

 あと、細かい話だが、EcriNoteのウィンドウにスクロールバーが付くのが気になる。ウィンドウサイズは十分あって、必要なものは見えているのになぜか、スクロールバーが付く。このEcriNoteのアイコンが、Visual Basicで作ったデフォルトのアイコンと同じで、Visual Basicで作ったような感じがするのだが、フォームに配置した見えないコントロールでも端のほうにあるのだろうか?



■ Visorでも動作

 Decrioが対象としているのは、日本IBMのWorkPad(30Jとc3)だが、同等のものであれば、他のPalmシリーズでも動作するようである。実際、手元にあったVisorソフトをインストールしてみたところ、ちゃんと動いた。もっとも、長時間の本格的なテストを行なったわけではないし、発売元の武藤工業が保証しているわけでもない。

 ただし、手元にあった、Palm Pilot Professional + 2M Upgrade Kitの組み合わせでは動作しなかった。具体的には、Decrioとの通信が行なえないようである。この2M Upgradeは、IrDAインターフェイスを持たないPalm Pilot用に、メモリ基板上に別途IrDAインターフェイスが搭載されており、どうも、IrDA周りが特殊なようである。IrDAを標準装備している機種では、CPU内蔵のシリアルインターフェイスを使っているが、2M Upgradeは、シリアルチップを別に持っているようなので、こうしたハードウェアの違いが問題になっているのはないだろうか? 原因はどうあれ、Palm Pilotは、対象機種ではないので、動かなくとも文句はいえない。Palm Pilotとの組み合わせでDecrioの利用を考えている人は、あきらめたほうがよさそうだ。

 さて、Visorだが、この機種は、IrDAのインターフェイスが側面にあり、横向きに配置しなければならない。そうすると、画面が横になってしまうので、筆跡表示が見にくくなってしまう。こうしたときには、以前紹介したFlip Hackが役に立つ。



■キャンペーンでメールソフトなども付属

 なお、初回出荷分に関しては、IBMが最近の機種に付けて配布している「はじめようWorkPadでインターネット」というCDが付いてくる。このCDには、以下のソフトが含まれている。

(1)MultiMail for WorkPad
(2)Palmscape for WorkPad
(3)JotMail for WorkPad

 このうち、(1)は、IMAP4にも対応した本格的なメールソフト(米国のActual Softwareの同名製品の日本語版)で、(2)のPalmscapeは、国産のWWWブラウザである。(3)のJotMailは、手書きメモ機能を持つ電子メールソフト。

 (1)のMultiMailは、米国で人気のあるPalm用ソフトの日本語版。Palm/Pilot内蔵のMailを使わずにMultiMail自身でメッセージの表示を行ない、専用のConditも付属し、Netscape(Messenger)、Outlook Express、Eudoraおよび、MAPIでアクセス可能なメールソフトに対応できる。

MultiMailのメッセージリスト画面。こちらはOutbox(送信前のメッセージが置かれるところ)の画面 MultiMailで本文を表示させたところ

 Palmscapeは、テキストのみのWWWブラウザ。オフライン時でも、キャッシュ内のページの表示が可能なほか、メモ帳のページを参照することもできるため、HTMLで書式付きのテキストを作って、閲覧することもできる。動作も軽快で、PHSの64kbps PIAFSと組み合わせれば、手軽に外出先でもWWWブラウジングができる。

Palmscapeの表示画面。画面下部にさまざまな機能を実行するためのボタン類が配置されている

 JotMailは、手書きメモをメールにして送信できるもので、テキストも送ることができる。このため、ちょっとした地図などを入れたメールを手軽に送ることができる。DDIポケットの文字電話みたいな感じ。


JotMailの画面。ここでは、送信可能なファイルのリストが表示される JotMailの手書きメモ。その場で手書きメモして、即送信が可能


◎関連URL
武藤工業のDecrioホームページ
http://www.mutoh.co.jp/decrio/home.html

WorkPad製品情報(日本IBM)
http://www.ibm.co.jp/pc/workpad/index.html
Palm Computingのホームページ
http://www.palm-japan.com/home.html

(塩田紳ニ)
2000/02/16


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