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Visorを日本語化する

 さて、年も明け、いまのところ世間は、Y2Kで深刻な状況にはなっていないようである。今回は、前回に続き、Visor情報をお届けする。


■ デスクトップソフトウェアは、Palmそのまま

Visor
Handspring Visor Deluxe
北米価格249ドル~。これまで地味な色しかなかったPalm機で、はじめてカラフルな色を揃えた。ハード面では、拡張スロット「Springboard」を備えた点が特徴

 Visor本体付属のCDには、Windows/Macintosh用のデスクトップソフト(PC側で使うソフト)が収録されている。Windows版は、Palmシリーズと同じく、Palm ComputingのPalm Desktop(バージョン表記は3.0.1)が含まれている。また、Outlookとの連携が可能になるPocket Mirrorも同梱されている。ただし、これらは現状では英語版であるため、日本語Windowsで動作させても、日本語を含むテキストは文字化けしてしまう(一部、日本語が表示される領域もある)。

 ただし、細部ではPalmシリーズとの違いもある。Visorの標準添付のクレイドルはUSB接続であるため、そのためのドライバが含まれ、またHotSyncマネージャもUSBクレイドルと別売りのシリアルクレイドルを区別できるようになっている。インストール時に、USBかシリアルかを選択するが、選択する前にUSBクレイドルを接続しておく必要がある。

 使い方としては、従来のPalmシリーズと同じソフトであるため、特にVisorだからといってPC側の操作が異なるわけではない。

 Visorは、本体やパソコン側の操作については、ほぼ、Palmシリーズと同一の環境を持っている。これは、Palmシリーズから移行したユーザーに違和感なく使えることはもちろん、はじめて使う人でも、市販のPalm用書籍などを参考に操作できるし、基本的なことであれば、Palmシリーズを使っている知人に尋ねることもできる。周辺機器には互換性はないが、ソフトウェアや使い方という点では、まったくPalmシリーズと同じといってよい。

 これは、ある意味、Windows CEが、Microsoftからのライセンスをベースに、ハードメーカー各社が製品を販売しているのとよく似ているし、現在のAT互換機をベースとしたWindowsやかつてのDOSの世界とも似ている。ソフトウェア面での互換性を保ちつつ、ハードウェアや付属ソフトで競い合う構造ができあがりつつあるわけだ。



■ Visorを日本語化する

 さて、Visorだが、やはり国内で使うためには、日本語を使うことのできる環境が必要になるのだが、基本的には、J-OSなど従来のPalm/Pilotの日本語化のリソースを使うことで対応可能である。このあたり、やはりソフトウェアの互換性のありがたみを感じる。

 基本的なやり方は、以前解説した「英語版Palmシリーズを日本語化する その1、その2」と同じである。必要な作業としては、Palm Desktopの日本語化パッチ、および、VisorへのJ-OSのインストールである。

 最初に、Palm Desktopを日本語対応にしておこう。このためには、一度Visor付属のPalm Desktopをインストールし、その後でパッチを当てる必要がある。ただし、Visor付属のPalm Desktopは、バージョンは、3.0.1であるが、1部のDLLの日付が違うため、少々違う手順を必要とする。
 まず、以下のものを入手する。

(1)Palm Desktop 3.0.1用パッチ PD301J.COM
http://www.spc.gr.jp/palm/
(2)WSP.EXE
http://www.vector.co.jp/soft/dos/util/se000818.html

 次に、Palm DesktopやHotSync Managerが起動していないことを確認したうえで、Palm Desktopをインストールしてあるディレクトリ(デフォルトでは、C:\Palm)に、入手したアーカイブファイルを解凍して、PD301J.COMとWSP.EXEをコピーする。

 次に以下のようにして、MS-DOSプロンプトからパッチを実行する。

c:
cd \palm
wsp -T pd301j.com

 どうしてこのような手順が必要なのかというと、pd301j.comというファイルは、WSP.EXEで作成された「自己展開形式の差分ファイル」になっており、通常は、自動的に指定ファイルにパッチを適用する。しかし、このときに、対象ファイルのタイムスタンプのチェックを行なっているため、日付の違うファイルにはパッチを適用しない。このため、pd301j.comを作成したWSP.EXEを使い、このタイムスタンプのチェックを行なわずに、パッチを適用する必要がある。

 上記パッチを当てると、日本語の入力や表示がPalm Desktopで可能になる(画面1、2)。

画面1:標準状態のVisor(英語版)のPalm Desktop。アドレスの氏名は日本語表示されるが、スケジュールの本日の日付や、スケジュールの内容などが文字化けしている
画面2:パッチをあてて日本語対応したPalm Desktop。文字化けしていた部分が日本語で表示されるようになった

 次に、Visor本体を日本語化してみよう。これには、J-OS IIIxを使用する。ただし、Visorは1部のアプリケーションが同じバージョンのPalm-OSを使うPalm Vなどとは違っているため、ローカライザー(Palm/Pilotの英語版アプリケーションのリソースを差し替えて日本語表示を可能にするもの)を、専用のものと差し替える必要がある。1部制限はあるものの、Visor対応のローカライザー(VISOR.ZIP)は、山田氏のホームページからダウンロードが可能である。

 基本的には、J-OS IIIxのパッケージから、J-OS本体、フォントファイル、辞書ファイルをインストールし、ローカライザーは、VISOR.ZIPを解凍したものをインストールする。インストールや、その後の操作は、J-OS IIIxのマニュアルに従って行なってよい。基本的には、必要なモジュールをインストールするだけで、日本語化は完了する。画面3は、Visor独自のCityTimeを日本語化したもの。画面右上のホーム都市が日本語表示になっている他、画面下の都市表示も日本語になっている。これは、CityTimeが標準で持つ、都市情報の都市名を日本語に入れ替えたものだ。もちろん、Palmシリーズと同じAddress Bookもちゃんと日本語化できている(画面4)。

画面3:日本語化したCityTimeの画面 画面4:日本語化したAddress Bookの画面

 ただし、このVisor用ローカライザーでは、Visor標準のDateBook+は、日本語化されない。これは,すでにPalm/Pilot用として日本語化されたDateBk3があるので、それを利用すればよい。また、“・”を含む文字が文字化けするが、これは、現状のJ-OSの制限によるもの。Visorでは、この文字をSpringBoardで組み込まれるアプリケーション名の先頭文字として使っているため、日本語化した場合、モジュールで組み込まれるアプリケーション名が化けてしまうが、実行には問題はない。


◎関連URL
Handspringのホームページ(英文)
http://www.handspring.com/
Palm Desktop日本語パッチ
http://muchy.com/review/desktopjpatch.html
Visor用ローカライザー(山田達司氏のページ)
http://www.tt.rim.or.jp/~tatsushi/

WorkPad製品情報(日本IBM)
http://www.ibm.co.jp/pc/workpad/index.html
Palm Computingのホームページ
http://www.palm-japan.com/home.html

(塩田紳ニ)
2000/1/5


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