こどもとIT

マイクラで楽しくプログラミングに挑戦!「Hour of Code 2020」2つの村の課題を解決しよう

――教育版マインクラフト ワールド紹介その②

プログラミングが体験できる教育版マインクラフト「Hour of Code 2020(インクルージョン)」のワールド

科学や数学、言語や歴史など豊富なワールドが用意されている教育版マインクラフト。今回は、プログラミングが体験できる「Hour of Code 2020(インクルージョン)」のワールドを紹介しよう。前回紹介した「ケンブリッジ大学の英語アドベンチャー」は思い切り全編英語のコンテンツだったが、この「Hour of Code 2020(インクルージョン)」は日本語化されているので、学校や課外活動でも取り入れやすいと思う。

マイクラで「Hour of Code」といえば、「Hour of Code 2019(AI)」が既にこちらで紹介されているが、今回は2020年版。コーディングの体験と「インクルージョン」についての理解を深めるレッスンだ。SDGs、ダイバーシティとあわせてよく耳にするこの言葉、なかなか一言で説明するのは難しい。マイクラ世界の中でどう学習していけるのだろうか。

体験版レッスンなら、教育版マイクラのアカウントなしでプレイ可能

教育版マインクラフトは、学校やプログラミング教室など教育機関とそのユーザーに利用が限られている。

しかし、「Hour of Code 2020」は教育版マインクラフトのアカウントを持っていない人でも、アプリさえインストールすれば、利用できる体験版レッスンの1つだ。

体験版を利用する場合、アプリを起動後、サインインの要求画面が表示されたところで、「アカウントをお持ちでない場合は、体験版レッスンをお試し下さい」をタップする。続いて「利用条件に同意する」をチェックし、「遊ぶ」をクリックする。条件については「諸条件を確認する」をタップするとブラウザーで詳細が表示されるので目を通して欲しい。

教育版マインクラフトの体験版レッスンを試そう。

ちなみに、体験版としてすぐに試せるワールドは3つある。この中から、「Hour of Code 2020(インクルージョン)」を選ぼう。

レッスンを開始を選び、体験可能なワールドから「Hour of Code 2020」を選ぶ

既にアカウントを持っている場合は、トップ画面の「遊ぶ」から「ライブラリを表示」-「主題キット」-「多様性と受容性」などから探すことができる。「Hour of Code 2020」を選び、「世界を作成」でワールドの準備がはじまる。

「世界を作成」でワールドの中へ

Agent(エージェント)を入手して物語を進めよう

ワールドに入ると、「2つの村の物語」と表示された本が置かれている。これをタップすると、物語がはじまる。

いかにもな本がある。これをタップすると物語がはじまる

この島には、村人と邪悪な村人が住んでいるが、お互いに会話をすることは稀で2つの村に分かれている。それぞれに問題も抱えており、これを自分がプログラミングして動かすAgent(エージェント)と呼ばれるロボットとともに解決し、2つの村を1つにしていくのが使命となる。

物語を読んだら、すぐ目の前にいる管理人に近づいて話しかけてみよう。管理人は、Agentとの対話方法、コーディング言語を選ぶように求めてくる。Scratchなどのようにブロックを積み重ねてプログラミングする「Blocks」と、テキスト入力するプログラミング言語の「Python」のどちらかを選ぶ。ここでは「Blocks」を選んで進めてみよう。

管理人に話しかけて、コーディング言語を選択しよう

最初のプログラミングとして、Agentをゴールドブロックまで進めるように指示が出る。床を見ると、ゴールドブロックが埋まっているところがある。

最初の課題として、Agentをゴールドブロックまで進めるコーディングを求められる

ここで、キーボードの「c」または、画面上のAgentのアイコンをタップすると、Agentが出現し、コードエディターが表示される。エディター画面は、このワールド用の簡易版になっており、はじめて触る人でもわかりやすい。ブロックをドラッグして組み立てて、プログラミングしていこう。ブロック4つ分エージェントを前進させればよさそうだが、どうするのがいいだろうか。

コードエディターを表示させてプログラミング

できたら、緑の再生ボタンをタップして実行してみよう。もし失敗しても、管理人に話しかけると最初の状態に戻してくれる。何度でもやり直せるので、試行錯誤して慣れていこう。

うまくいくと、続いてAgentからの贈り物を受け取るプログラムを作るように指示される。贈り物は苗木のようだ。草地に植えておこう。どうやら物語の進行とかかわってくるらしい。

贈り物の苗木を受け取って、草地に植えておこう

苗木を植え終わると、このまま進むか、Pythonを試してみるか確認される。これ以降、コーディング言語を途中で変更することはできない。ここは、そのまま進めていこう。さらに、エンダーコミュニケーターという道具をもらえる。これを使うと、自由に2つの村や、木の様子を見に来ることができるので、冒険の助けになりそうだ。

エンダーコミュニケーターを使うと、2つの村と木のある場所へ移動することができる

Agentに指示を出し、困っている住民を見つけて課題を解決しよう

ここからは、「村人のエリア」と「邪悪な村人のエリア」、それぞれを訪れて、困っている住民を見つけて解決していく流れ。

例えば、村人のエリアで出会う「漁民」は、ドックの構築を手伝ってほしいようだ。「アクティビティの開始」をタップし、エディターを開いて、課題を解決するプログラミングを考えて試していこう。うまくいかなかった場合は、住民にもう一度話しかけると、最初に戻すことやヒントも表示してくれる。

困っている住民は「?」マークが目印。ドックの枠組みを作って欲しいと頼まれる

必要ならば、住民に話しかけてヒントを表示してもらうこともできる。

Agentをどのように動かせばいいのか、ヒントを表示することも可能

課題をクリアすると、プログラムで解決したことについて、どのような意味があるのか、インクルージョンの観点で簡単な説明が入る。たとえば、ドックを作ったことに対しては、「公平性」について解説。全員に魚を与えることが公平なのではなく、皆が釣りをできるようにすることが公平なのだという考えを、住民がわかりやすく解説してくれる。

プログラミングだけでなく、インクルージョンの考えに触れる場面も

もう1つのエリアの住民は「邪悪な村人」。もう片方の村人とは別の種族のようだ。こちらも困っている住民を見つけて解決していこう。

邪悪な村人の町では、子どもに助けを求められることも

このワールドのアクティビティは全部で6つ。1つ解決する毎に、最初に植えた苗木はどんどん大きくなっていくので、ときどき足を運んで見に行こう。どのようなアクティビティがあるかは、自分の目で確かめて欲しい。

全てを解決すると苗木は大木となり、管理人から褒め称えられる。なかなか、いい気分である。

最終的に苗木は巨木に成長している

はじめから挑戦して言語をPythonに変えることもできるので、興味がある人はやってみるといいだろう。

言語にPythonを選ぶと、このようなテキストエディタの画面に変わる。タイピングになれてきた子どもたちに良いだろう

詳細な翻訳済みレッスンプランも提供済み

デモレッスンの場合、途中で中断しても保存することができないのは要注意。とはいえ、集中して取り組めば、おそらく1時間程度で終了できるのではないかと思う。

終了後、「ESC」キーを押して、終了を選ぶと、通常とは異なる画面が表示される。Hour of Codeならではだが、修了証明書を表示してくれるのだ。「証明書の取得」から名前入りの印刷イメージをで作ることもできる。プリントしてあげれば、参加した子どもたちに喜ばれそうだ。

名前入りの修了証明書も表示してくれる

このレッスンでは、コーディングの体験はもちろん、2つの村の困りごとを解決する過程で、多様性の大切さを学ぶことで、「インクルージョン」についての理解を深めていく内容になっている。学校やキャンプなど、いろいろな場所で活用できそうだ。指導者向けの翻訳済みレッスンプラン各アクティビティの解答例も公開されているので、ぜひ授業でも取り入れてみてはどうだろうか。

新妻正夫

ライター/ITコンサルタント。2012年よりCoderDojoひばりヶ丘を主催。自らが運営する首都圏ベッドタウンの一軒家型コワーキングスペースを拠点として、幅広い分野で活動中。 他にコワーキング協同組合理事、ペライチ公式埼玉県代表サポーターも勤める。