トピック

ChatGPT超入門(2) 基本的な質問の仕方を知って企画書を作る

ユーザーの疑問や質問に人間っぽく答えてくれて、創作する能力まであるAIチャット。前回は、AIチャットがどういったもので、どんな種類のツールがあるのか、そして使用にあたって注意しておくべきことなどをざっと解説しました。

今回は、ChatGPTを使うときの具体的な質問の仕方について紹介していきます。自然な文章で自由に質問できるとはいえ、相手はいわばコンピューター。ユーザーが期待する回答を得やすくするコツもあります。なお、記事の内容は6月27日時点のものです。

ChatGPTの無料版と有料版 どちらを選ぶ?

前回説明したとおり、ChatGPTには無料で使えるものと、月額20ドルかかる有償の「ChatGPT Plus」というサービスがあります。それぞれの特徴を大まかにまとめると下記のようになります。

無料版

・GPT-3.5という言語モデルを使用可能
・AIからの返答に時間がかかることがある
・一定時間内に質問できる回数、回答の文字数やバリエーションに制限がある

有料版(ChatGPT Plus)

・GPT-3.5に加え、GPT-4というより高精度な言語モデルも使用可能
・AIからの返答が高速(GPT-3.5の場合)
・一定時間内に質問できる回数や回答文字数の制限が緩い(GPT-3.5の場合)
・今後追加される新機能を優先的に試せる

簡単に言えば、より快適に使いたい、もしくは進んだ機能を使いたいのであればChatGPT Plusがおすすめ。そうでなければ(頻繁に使わないのであれば)無料のまま利用し続ける選択もアリ、ということになります。無料版で自分のやりたいことをひと通り試してみて、プライベートや仕事に役立てられそうに感じたならChatGPT Plusへの移行を検討する、という考え方で良さそうです。

GPT-3.5で質問をしたところ
GPT-4で質問をしたところ。同じ質問でも言語モデルが異なると回答内容も変わります

ChatGPTの使用例、ビジネス活用のコツ

ChatGPTを使ってどんなことができるのか、いくつか例を挙げてみましょう。

ただし、思いつくままに質問してもあまり面白くはなさそうですので、ここでは「 新しいWebメディアを立ち上げる 」という仮定のシナリオを用意し、それに沿ってChatGPTを使ってみたいと思います。

以降はChatGPTの無料ユーザーでも試せるGPT-3.5を利用しています。

会社に提案するためのスライド資料を作る

まずは周囲の説得からです。そのためには、新たなWebメディアを提案するプレゼン資料を用意する必要があります。

シンプルな質問の仕方としては下記のようなものになるかと思いますが、これだとかなり漠然とした、薄い内容の答えしか返ってきません。

質問

新たなWebメディアを立ち上げたいと思います。周囲を説得するためのスライド資料のひな形を作ってください。

ChatGPTの回答

【スライド資料のひな形】

スライド1:

タイトル: 新たなWebメディアの立ち上げ

スライド2:
メディアの目的とビジョン
・目的: ユーザーに高品質なコンテンツを提供し、情報を発信する
・ビジョン: 情報の信頼性、クオリティ、ユーザーエクスペリエンスに重点を置いたメディアの構築

スライド3:
ターゲットオーディエンス

・誰に対して情報を提供するか?
・ユーザーのニーズや関心事を考慮する
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こういった場合は、下記のようにある程度条件を加えることでより具体的な内容になります。実際にプレゼン資料を作り込んでいくときにも、骨子がしっかりしていた方がイメージしやすく効率的です。条件は考えつく限り追加しても良いでしょう。

質問

新たなWebメディアを立ち上げるため、以下の条件に沿うようにスライド資料のひな形を作ってください。
・Webメディアのテーマは「新しいワークスタイル」です
・スライドは5ページ以内を想定しています

ChatGPTの回答

【スライド資料】新たなWebメディアの立ち上げ

スライド1:
タイトル: 「新しいワークスタイルにフォーカスしたWebメディアの立ち上げ」

・ワークスタイルの変革が進む現代社会において、新しいワークスタイルに関する情報を発信するWebメディアの立ち上げを提案します。
・本プロジェクトでは、「新しいワークスタイル」をテーマに、働き方や仕事環境の変化に焦点を当て、読者に有益な情報を提供します。

スライド2:
タイトル: 「ニーズの分析とターゲットオーディエンス」

・新しいワークスタイルに関心を持つターゲットオーディエンスのニーズを明確に把握します。
・調査結果に基づいて、ターゲットオーディエンスの関心事や課題に応えるコンテンツを企画・提供します。
・ターゲットオーディエンスの年齢層、職業、関心領域などを考慮し、読者に適切な情報を届ける戦略を構築します。
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テーマに沿った記事アイデアを考える

とりあえずは「新しいワークスタイル」をWebメディアのメインテーマとし、それに関連する情報を記事にして発信していきたいと思います。しかし、記事内容をパッと思いつけなかったりするのがつらいところ。ビジネスパーソンが求める記事とはどんな内容なのでしょうか。

新しいWebメディアでは、基本的にビジネスパーソンにとってなんらかのヒントを与えることを目的としています。では、そもそもビジネスパーソンにはどんな悩みがあるのか。その「課題」を知って解決策を提示するような内容が記事になるかもしれません。であれば、ChatGPTにその「課題」を聞いてみると良さそうです。

質問

オフィス通勤している人、自宅などでテレワークしている人、オフィス通勤とテレワークを組み合わせたハイブリッドワークをしている人、それぞれが抱える悩みとしては何が考えられますか。

ChatGPTの回答

オフィス通勤している人の悩み:
1. 通勤時間と交通費: 毎日の通勤時間や交通費が負担に感じられる場合があります。
2. ストレスや疲労: 混雑した通勤電車や渋滞によるストレスや疲労が積み重なることがあります。
3. ワークライフバランス: 通勤時間が長くなることで、仕事とプライベートの時間のバランスが難しくなる場合があります。
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ハイブリッドワークをしている人の悩み:
1. スケジュールの調整: オフィス通勤とテレワークの両方を組み合わせるため、効果的なスケジュールの調整が求められます。
2. コミュニケーションの円滑化: オフィスでのチームメンバーや上司との直接のコミュニケーションと、リモートでのコミュニケーションをバランスよく行うことが重要です。
3. 情報共有と連携: オフィスとリモートのメンバーとの間で情報共有やタスクの連携を円滑に行うことが必要です。

アイデアを深掘りする

大まかな悩み、課題はなんとなくわかりました。しかし、対象が広すぎるのでもう少し絞り込んで1テーマで記事にしたいところです。なので、これに続ける形でさらに質問を重ねて、方向性を詰めていきます。

質問

ハイブリッドワークをしている人の「情報共有と連携」に関わる悩みを解決する方法を記事にして紹介したいと思います。どんな視点からの記事が適切か、3つ挙げてください。

ChatGPTの回答

ハイブリッドワークをしている人の「情報共有と連携」に関わる悩みを解決するための記事を作成する際には、以下の3つの視点が適切です。

1. コミュニケーションツールとプラットフォームの比較と活用法:
・異なる場所で働くチームメンバーとの円滑な情報共有と連携を実現するために、さまざまなコミュニケーションツールやプラットフォームの比較を行います。
・チャットツール、ビデオ会議ツール、プロジェクト管理ツールなど、適切なツールの選択と活用方法を提案し、ハイブリッドワークにおける情報共有の効率化を解説します。
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紹介する具体的なツールを挙げてもらう

ここまでくると、記事にすべき内容がだんだんクリアになってきたように思います。どんなツールを紹介するといいのか、ChatGPTからアイデアをもらいましょう。

質問

ハイブリッドワークをしている人たちの情報共有に最適なコミュニケーションツールの具体例を5つ挙げてください。

ChatGPTの回答

1. Slack(スラック):
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2. Microsoft Teams(マイクロソフト チームズ):
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3. Google Workspace(グーグル ワークスペース):
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4. Asana(アサナ):
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5. Zoom(ズーム):
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このように新しいWebメディアで記事にすべき内容の大筋まで決めることができました。ユーザー本人がまだイメージできていない事柄について、最初からいきなりそのものズバリの答えを求めて質問するよりは、段階的に質問を重ねて、都度深掘りしたい点を追求していく方が、結果的に求めていた答えにたどり着ける可能性が高くなります。

記事本文を作成する

ついでに記事そのものもChatGPTに作ってもらうことはできないでしょうか。ここでも条件を細かく指定することで、望んだものに近い記事ができあがりそうです。

質問

あなたは新進気鋭のライターです。以下の条件に沿って記事を作成してください。

・コンセプトは「新しいワークスタイル」における課題の解決につながる情報の提示です
・先ほど挙げた5つのツールを紹介します
・一般のビジネスパーソンに向けた内容とします
・「タイトル」「導入文」「本文」「まとめ」で構成します
・「本文」では5つのツールそれぞれについて、ハイブリッドワークにおいてどういう役割を果たし、どういうメリットがあるのかを説明します
・全体の文字数は3000文字程度までとします
・文体は「ですます調」としますが、柔らかい表現を心がけてください

ChatGPTの回答

【タイトル】
新しいワークスタイルの課題を解決する5つのコミュニケーションツール

【導入文】
近年、新しいワークスタイルが注目され、多くのビジネスパーソンがオフィス通勤、テレワーク、そしてハイブリッドワークを取り入れています。しかし、これには情報共有や連携の課題が潜んでいます。そこで本記事では、新しいワークスタイルにおける課題の解決に役立つ5つのコミュニケーションツールを紹介します。それぞれのツールがどのような役割を果たし、どんなメリットがあるのかを解説します。
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【まとめ】
新しいワークスタイルにおける情報共有と連携の課題を解決するために、5つのコミュニケーションツールを紹介しました。Slack、Microsoft Teams、Google Workspace、Asana、Zoomは、それぞれ異なる機能を提供し、ハイブリッドワーク環境において効果的な情報共有と連携をサポートします。これらのツールの活用により、チームの生産性向上や円滑なコミュニケーションが実現できるでしょう。

忙しい人にも読んでもらえるよう長文記事を要約する

あっさり記事が完成してしまいました。ただ、忙しいビジネスパーソンには長い文章だとしっかり読んでもらえない可能性もあります。この記事内容を短く要約したものも用意すればいいかもしれません。当然ここもChatGPTの出番です。

質問

これを500文字以内で要約した記事にしてください。

ChatGPTの回答

タイトル: ハイブリッドワークでの情報共有に役立つ5つのコミュニケーションツール

近年、新しいワークスタイルが浸透し、ビジネスパーソンはオフィス通勤、テレワーク、そしてハイブリッドワークを取り入れるようになっています。しかし、この新しいスタイルには情報共有と連携の課題があります。そこで、5つのコミュニケーションツールを紹介します。

1. Slackはリアルタイムのチャットを提供し、迅速な情報共有が可能です。
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文章を他の言語に翻訳してもらう

有益な情報は世界中の人に読んでもらいたいので、できれば外国語版も作りたい。そんなときもChatGPTを使えば簡単です。自分に外国語のスキルがなくてもすぐに翻訳記事を作成でき、ワールドワイドに発信できます(ただし、すべてが原文の意図する通りの表現になっているとは限りません)。

質問

今要約した内容を英語に翻訳してください。

ChatGPTの回答

Title: 5 Communication Tools for Effective Information Sharing in Hybrid Work

In recent years, new work styles have become prevalent, with professionals adopting office commuting, remote work, and hybrid work. However, these new styles come with challenges in information sharing and collaboration. To address these challenges, we introduce 5 communication tools:

1. Slack enables real-time chat for swift information sharing.
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記事をWeb公開するためにHTML化する

できあがった記事をWeb公開したいと思います。通常はHTMLコーディングが必要になりますが、もちろんHTMLの書き方を知らなくても大丈夫です。ChatGPTにお願いしちゃいましょう。

質問
記事のHTMLバージョンを作成してください。

ChatGPTの回答
以下は、記事のHTMLバージョンです。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
  <title>ハイブリッドワークでの情報共有に役立つ5つのコミュニケーションツール</title>
</head>
<body>
  <h1>ハイブリッドワークでの情報共有に役立つ5つのコミュニケーションツール</h1>
:
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メールにして他の人に伝える

Web記事ではなく、この内容を働き方に悩みをもつ友人など他の人にメールで直接伝えてアドバイスしたい、なんてこともあるかもしれません。そういうときは下記のように入力すればOKです。

質問

要約した日本語記事の内容を、働き方に悩みをもつ友人に伝えるメール文として作り直してみてください。

ChatGPTの回答

件名: ハイブリッドワークにおける情報共有に役立つコミュニケーションツールの紹介

こんにちは [友人の名前] さん、

最近、新しい働き方スタイルが増えてきていることを知っていますか?オフィス通勤、テレワーク、そしてハイブリッドワークという働き方です。でも、この新しい働き方には情報共有や連携の課題があるんですよ。
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もしご興味があれば、詳細な使い方や導入方法もお伝えできますので、ぜひ一度試してみてください。もし他にも何か質問や相談があれば、遠慮なくお知らせくださいね。

応援しています!頑張ってください。

よろしくお願いします。
[あなたの名前]

大きな手間をかけることなくアイデアを形にできる

無事「新しいWebメディア」の企画から記事作成、そしてWeb公開に必要なHTMLコンテンツの作成までChatGPTでまかなうことができました。

もちろん100%生成された内容そのままで説得力のあるプレゼン資料や記事に仕上がっているとは限りません。人の手を入れてブラッシュアップすることも必要になるでしょう。

しかし、一定程度のクオリティまでなら少ない手間で作り上げることができ、生産性高く仕事をこなせます。ぜひ、みなさんも自分のアイデアを形にしたいときなどにChatGPTを活用してみてください。

次回はChatGPTやOpenAIの、もう一歩先の活用が可能な機能やツールについて紹介したいと思います。

日沼諭史

Web媒体記者、IT系広告代理店などを経て、フリーランスのライターとして執筆・編集業を営む。AV機器、モバイル機器、IoT機器のほか、オンラインサービス、エンタープライズ向けソリューション、オートバイを含むオートモーティブ分野から旅行まで、幅広いジャンルで活動中。著書に「できるGoProスタート→活用 完全ガイド」(インプレス)、「はじめての今さら聞けないGoPro入門」(秀和システム)、「今すぐ使えるかんたんPLUS+Androidアプリ 完全大事典」シリーズ(技術評論社)など。Footprint Technologies株式会社 代表取締役。