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ChatGPTでできること 文書作成からExcel、英会話まで多才

ChatGPTをビジネスで活用すれば、時短や効率化につながるはずです。基本的な使い方だけではなく、ChatGPTを使って思い通りの結果を得るためのコツを覚えることで、その効果はよりアップするでしょう。ここでは、ChatGPTは従来の検索とどう違うのか、どういった作業が得意なのか、使用するうえで注意するべきことはあるのかなどを紹介します。

この記事はインプレス刊『ChatGPT快速仕事術(できるビジネス)』(田口和裕 著/森嶋良子 著/いしたにまさき 著/古川渉一 監修)の一部を編集・転載しています(編集部)

ChatGPTでできることとは

ChatGPTは、質問の答えを出してくれることから、「何やらすごい検索エンジン」と思っている人は多いのではないでしょうか? 確かに従来の検索エンジンのような使い方も可能ですが、ChatGPTの真骨頂はテキストの生成にあります。「生成」とは既存のデータや知識を元に、新しいものを作り出すことです。

ChatGPTの生成能力は驚くほど優れており、検索エンジンのような調べ物はもちろん、さまざまなジャンルのテキストを生成することが可能です。ここでは、ChatGPT快速仕事術で紹介するテキスト生成の例をかいつまんで紹介しましょう。

冠婚葬祭から報告書までさまざまな公式文書を生成

ChatGPTはフォーマット通りに文章を書くことが得意です。ここでは一般的な結婚式の招待状を作成してもらいました。

結婚式の招待状をさらっと生成する

いくつか試してみるとわかりますが、フォーマットが多く存在する文書を作成するにはChatGPTは得意な分野だと言えます。つまり、冠婚葬祭や報告書などの公式文書、契約書、議事録、電子メール、プレスリリースなどのビジネス文書などは得意分野です。

それに、ほとんど情報を与えなくてもとりあえず作成してくれるのもすごいところです。生成されたテキストをベースに必要な情報を加えたり訂正してもらってブラッシュアップしていけば、本来の仕事や書かなくてはいけない気の重い文書作成もあっという間に完成するはず。

コンピューターのプログラムやExcelの関数などを生成

ChatGPTは通常のテキストだけではなく、コンピューターで利用するプログラムを生成することも得意です。むしろ、プログラミングについてはJavaScript、PHP、Python、Ruby、Java、C、C++などのプログラム言語やSQLクエリなどを生成することができ、プログラマーや技術者がChatGPTを率先して使う理由にもなっています。

本書はビジネス分野の文書作成をメインに扱うため、Excelの数式(これもプログラムの一種)を生成してみました。

Excelで使える数式を作成

ほかにも、Excel関数の使い方を調べたり、目的にあった関数を提案してもらう、VBAを使ったマクロのプログラミングを考えてもらうなどもできます。

英語をはじめとする翻訳での利用や言語学習に

ChatGPTは教育・学習分野でも利用できます。他言語に対応するChatGPTは、特に英語は得意なので、日本語への翻訳や要約はもちろん単語や文法を教えてもらったり、TOEICやTOEFL対策用の練習問題を作ってもらうことも可能なのです。音声の入力や読み上げ機能を使えば簡易的な英会話レッスンも可能になります。

英語検定の練習問題を作成し、答え合わせも

ビジネスで使う際の注意点を押さえよう

ChatGPTをビジネスで利用する場合、下記のようなリスクが存在することを意識する必要があります。また、企業として利用する場合は、これらを踏まえたうえで社内利用におけるガイドラインなどを作成し、関わる人すべてに周知するべきでしょう。

プライバシーと機密性

ChatGPTは、そのまま使うと会話の内容を保存しChatGPTのトレーニングに使用される可能性があります。プロンプトに機密情報や個人情報を入力した場合、それが第三者に公開されるリスクはゼロではありません。

下の設定画面で「Chat history & training」をオフにすると、使用したプロンプトはその場限りで保存されない設定になります。ビジネスで利用する場合は最低限ここだけは設定しておきましょう。

[Chat history & training]の設定

正確さと信頼性

ChatGPTの情報は常に100%正確であるとは限らず、時には「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれる嘘をつくこともあります。重要なビジネス上の決定をする際には人間の判断が必要です。

著作権違反

ChatGPTでテキスト生成された文章は基本的にオリジナルですが、場合によっては既存のサイトや著作物と内容が酷似する場合があるので、必ず類似の著作物がないかを確認しましょう。あまりに類似性が高い場合は、著作権の侵害や無断利用とみなされるリスクがあります。

規制と法律

ビジネスを運営している地域の法律や規制に従う必要があります。関連する法規制や業界標準、既存の社内規定を確認しましょう。これには、データ保護、プライバシー、個人情報の使用などが含まれます。

未知のリスクの顕在化

AI技術は急速に進化しています。新しい機能やアップデートが定期的にリリースされるため、最新の情報をチェックすることが重要です。また、すでに顕在化しているリスク以外にも、今後、何らかの危険な要素が発見されたり利用制限がかかったりすることは十分に考えられます。

プロンプトの基礎を知る

プロンプトとはChatGPTにやってもらいたいことを指示する命令文のことです。ChatGPTは人間が使うのと同じ自然言語が使えることが最大の特徴です。

そもそもプロンプトとは何だろう?

プロンプトとはChatGPTから何らかの回答を得るために入力する文章のことです。

例えば「日本で二番目に高い山はどこ?」「猫の赤ちゃんに名前を付けたいので案を出してください」といった、「知りたいこと」や「してほしいこと」を文章で書いたものがプロンプトになります。

プロンプトの例

これまで、コンピュータープログラムに何かをやらせたい場合は、基本的にプログラム言語によって指示する必要がありました。しかし、ChatGPTは自然言語処理と呼ばれる、人間が使う言語をそのまま理解することができるので、プログラムとは思わずに「相手は人と同じ」と思って「人が読んでも理解しやすい形」の質問をすればいいのです。

さらに、「簡潔に書く」「論理的な内容にする」「可読性を上げる」といったことを心がければ期待の答えに近づくでしょう。

プロンプトの種類

プロンプトは基本となる「質問」系以外にもいくつか考えられます。ここではほかにどのような種類のプロンプトがあるかをざっと見ておきましょう。

(1)質問:一番ベーシックなプロンプトです。問いに対する答えを求めます。
例「スペイン語を公用語にしている国を教えて」

(2)指示:ChatGPTに何か仕事をしてもらいたいときに使うプロンプトです。
例「上記の文章を日本語に翻訳して」「以下の文章の雰囲気をもっとやさしくしてください」

(3)設定・コンテキスト:ChatGPTがうまく答えられるように、キャラクターを設定したりコンテキスト(文脈)を与えるプロンプトです。
例「あなたはセキュリティの専門家です」「これは○○社内だけの独自ルールです」

(4)生成する話題の設定:特定のトピックに関する情報や意見を生成させるものです。ディスカッションやディベートのような意見や情報が求められるときに使用します。
例「テレワークの利点と欠点について論じてください」

ChatGPT でビジネス文書を作成するための心構えを確認する

さまざまな文書のなかでも、ChatGPTを使うことで制作を効率化できるのが、ビジネス文書です。それは、ビジネス文書の特徴として以下の2点があるからです。

まずは、「てにをは」「トーン&マナー(トンマナ)」などのそれなりに面倒な不文律なお約束が存在していること。そして、そのためお手本となるようなサンプルがネット上にたくさん存在していること、この2点です。つまり、現在ある一定のルールがあり、かつ学習データが多いものほどChatGPTが得意な分野であり、その特性にぴったりマッチしているのがビジネス文書なわけです。

そして、お約束がある文書は慣れていないとそれなりに面倒くさいものであるというのも、ChatGPTを使う大きな動機となることは言うまでもありませんね。

ChatGPTで文書作成する際に大事なこと

まずコンテキストを含めて依頼することです。例えば、人格設定、職業的な説明、年齢、性別などは初期設定として入れておきましょう。また、期限や予算、達成目標などのビジネス要件があれば、これも含めましょう。例えば、ビジネス上の予算設定をChatGPTに伝えると精度が上がることもあります。

そして初期設定と同じぐらいに大事なのが、出力形式を指示することです。指示がないとChatGPTは好き放題にテキストを吐き出しますので、無駄な手間が増えてしまいます。文章の長さを字数で指示したり、使用する先に合わせて表形式やデータ形式を指示することで、さらに快適にChatGPTを使うことができます。

文書作成だけではないChatGPTの活用

また、ChatGPTは文書を作成するだけではなく、文書を整えることもできます。文書の添削や「てにをは」「トンマナ」の調整、長い文書の要約、特定文字列の入れ替えなど、人が普段からやっている推敲や調整も一度ChatGPTを通してあげることで、その後の作業が格段に楽になることがあります。

ChatGPTからよりよい回答を引き出すコツ

  • 些細な相談から内容をつめていく
  • アウトプットの仕様を検討する
  • 出力されたテキストを生かし最終的には自分で調整する
  • 毎回新しいチャットを開くより、同じチャットスレッドを使い続けることで精度を上げていくこともできる

出力された文書をそのまま鵜呑みにせず、大事にしなくてはいけないポイントをつかんで、さらに文書作成の速さと精度の高さを身につけることを、常に頭のどこかに置いておくことも重要になってくるでしょう。

『ChatGPT快速仕事術』では具体的なプロンプトテクニックや活用事例を紹介

『ChatGPT快速仕事術』では、ChatGPTを上手に活用するための様々なプロンプトテクニックを紹介しています。例えば、応答の内容をわかりやすくするために「小学生でもわかるように」という指示をプラスしたり、希望通りの回答を得るために条件や制約を明示したり、といったテクニックがあります。こういったテクニックを覚えておくと、ChatGPT活用による仕事の効率化につなげられるでしょう。

『ChatGPT快速仕事術』より

また、ビジネスシーンにおいては、メール、報告書や始末書、契約書、冠婚葬祭まで、文章を作る作業は数多くあります。ほかにも得手不得手に関わらず、Excelでの資料作成や英語と向き合わないといけないシーンなどもあります。本書では、文書作成・データ処理・多言語コミュニケーションなどを中心としたChatGPTの活用方法も解説しています。

『ChatGPT快速仕事術』より
ChatGPT快速仕事術(できるビジネス)

・価格:1,650円
・発売日:2023年7月19日
・ページ数:176ページ
・サイズ:A5判
・著者:田口和裕 著/森嶋良子 著/いしたにまさき 著/古川渉一 監修
・内容
Chapter 1 ChatGPTとは?
Chapter 2 基本のプロンプト
Chapter 3 仕事に役立つ基本の使い方
Chapter 4 ChatGPT文章術
Chapter 5 ChatGPT×Excel活用術
Chapter 6 ChatGPTで英語を克服
Chapter 7 プラグインや各種サービスでさらに便利に使う