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長時間でも歩きやすいアウトドア高性能シューズ 防水性も嬉しい

日常の生活から、長時間歩く機会が多い観光旅行、キャンプやトレッキングまで、どんな時でも靴選びは重要です。最新の高性能シューズなら疲れにくく、ケガのリスクも軽減できますし、梅雨や夏の夕立には防水機能が重宝するでしょう。そこで今回は、高性能シューズが豊富に揃うエルブレス 御茶ノ水店の角田久幸さんにシーンや目的別におすすめのシューズを紹介してもらいました。

「歩く機会が多い旅行やアウトドアレジャーで使うなら、まずは足に合ったシューズを選ぶことが大切です。どんなに性能やデザインが良くても足に合っていないと履いていて苦痛になってしまうもの。そのため、エルブレスではまず足型測定器で足形を図り、足を見せていただき、歩き方のクセなどのお話を聞いた上でお客様に合うものを提案させていいただいています」

エルブレス 御茶ノ水店 角田久幸さん
エルブレス 御茶ノ水店 シューズコーナー

軽量でクッション性の高いシューズはタウントレッキングに最適

街中で長く歩くことを考えると注目すべき機能は「クッション性」と「軽量性」だと角田さん。最近は街で履いても違和感のないライトなトレッキングシューズが増えていて、歩きやすいだけでなく防水、防滑性能などを備えた機能性の高いモデルも数多くラインナップされているそうです。

「なかでもスタイリッシュなザ・ノースフェイスのモデルが人気ですね。Light&Fastをコンセプトにした軽量防水シューズ『ベクティブ ファストパック フューチャーライト』は、柔らかなメッシュ素材のアッパーで歩きやすいのが魅力。独自の防水透湿素材FUTURE LIGHTを採用しているので。適度な通気性を保ちながら優れた防水性を発揮してくれます」

ザ・ノースフェイス ベクティブ ファストパック フューチャーライト(20,900円)。手前はミリタリーオリーブ×TNFブラック、奥はTNFブラック×ヴァナディスグレー
多方向に優れたグリップ力を発揮するアウトソール

「街履きとしても人気の高いトレッキングシューズ『スクランブラー GORE-TEX インビジブル フィット』はスウェード調のスタイリッシュなデザインで、リフレクター付きのシューレースもポイントです。適度に衝撃を吸収するミッドソールなど、長時間歩いても快適さを保つ工夫が満載で、雨の日も晴れの日もしっかり地面を捉えてくれます」

ザ・ノースフェイス スクランブラー GORE-TEX インビジブル フィット(25,960円)。手前はウォルナット、奥はブラック
高いグリップ力で滑りを防ぐアンフィグリップラバーソール

続いて登場したのは万能ハイキングシューズとしてファンが多いメレルの「MOAB(モアブ)」。角田さんが選んだのは軽量化を追求した「MOAB SPEED」です。有名なラバーアウトソールブランドのヴィブラムとゴアテックスは黄金の組み合わせで、防滑・防水性能は最強といえます。

「軽くて底もしっかりしていて防水も利いている人気シリーズです。アウトソールには、従来よりも25%グリップ力が向上し、歩く時に体重移動がしやすいヴィブラムトラクションラグを採用。安定性抜群で、長時間の街歩きをサポートしてくれます」

メレル MOAB SPEED GORE-TEX(18,480円)
細かな段差のあるヴィブラム最新特許技術の山型形状ラグが高いグリップ性を実現

旅行だけでなく普段履きにもおすすめなのが、サロモンの「X BRAZE GORE-TEX」。ゴアテックスを採用していながらも価格がお手頃で、コスパ最高の一足です。

「アウトドアシューズに必要な機能性をギュッと詰め込んだモデルになります。独自のアッパー構造によって足全体を優しく包み込んでくれるので履き心地は抜群。高価なゴアテックスのシューズをリーズナブルに購入できるのが一番の魅力です」

サロモン X BRAZE GORE-TEX(14,960円)。手前はグレー、奥はブラック
メーカーオリジナルの軽量なアウトソールはあらゆる路面で高い安定性を発揮

シンプルなデザインでライトに使える高性能モデル

キャンプに行くけど場所は整備された公園、観光でも歩くのは舗装路のみ、という人にとってはトレッキングシューズだと少し大げさな感じがしますよね。あのゴツゴツしたデザインが好きじゃない、という人もいるでしょう。そこでもっとカジュアルに履くことができ、密かに機能性が盛り込まれているシンプルなシューズも紹介してもらいました。

「シンプルといえばコロンビアの『ホーソンレイン スリーウォータープルーフ』でしょう。定番のデッキシューズに防水機能と軽量性、防滑性をプラスしたこのモデルは、風合いのあるキャンバス調の生地や、ハイ、ローと好みによってデザインを選べるのもいいところ。機能性抜群なのにめちゃめちゃ軽いのでぜひ店頭で試着してみてください」

手前はコロンビア ホーソンレインロウ スリーウォータープルーフ(10,450円)、奥はホーソンレイン スリーウォータープルーフ(11,550円)
ハイカットタイプはサイドにファスナーを装備
グリップ性と耐久性に優れたラバーアウトソール

そして、「もう一足、外せないモデルがある」と角田さんが出してきたのが、メレルの「ジャングルモック」。1998年に発売してから今に至るまで、世界中のユーザーに愛され続けているメレルの代名詞的なモデルです。

「紐の締め付けがないスリッポンタイプの『ジャングルモック』は、アウタースポーツの定番シューズ。クッション性があり、グリップもしっかりしているので街履きには最高です。天然スウェードのアッパーは足なじみがよく、リピート率はナンバーワン。みなさん、一度履いたら履き心地の良さがクセになり、他の靴が履けなくなるとおっしゃいます」

メレル ジャングルモック(13,200円)。ネイビー(手前)、ピューター(奥)などのカラーがある
独自のアウトソールが足の疲れを軽減してくれる

スリッポンタイプは脱ぎやすく履きやすいので、お寺巡りなど、靴を脱ぐ機会が多い観光でも活躍してくれそうです。

足場が悪くても安心! 初心者向けトレッキングシューズ

多くの人は「ちょっとしたハイキングや河原でのキャンプなら普段履いているスニーカーでいいでしょ?」と思っているかもしれません。そこで、タウンユースのシューズとトレッキングシューズの違いについて角田さんに聞いてみました。

「一番の違いはソールです。アウトドアフィールドは険しく、足場が不安定のところも歩くので、通常に比べるとソールが滑りにくく丈夫になっています。あとは足を覆うアッパー。どんな地形を歩いても足がぶれず、しっかり支えてくれるので疲れにくく、ケガの防止にも繋がります。足場が悪い道を歩く可能性がある場合は入門用のトレッキングシューズを履いていくと足に優しいですし、お気に入りのスニーカーの底をボロボロにしなくて済みますよ」

より安全性を求めるなら、足首までホールドしてくれるハイカットがおすすめ。そのなかでも入門用として、まず紹介してもらったのは、スイスで誕生したOn(オン)というブランドの「クラウドロック2」。

「オンはプロトライアスロン選手が10年ほど前に創設した新しいランニングブランドで、ここ2シーズンくらいで山の方にも力を入れ始めました。ランニングモデルで培った技術を搭載しているため、とにかく軽量。特徴的なのはゴムチューブを輪切りにして靴に張り付けた、クラウドテックというソールです。このチューブがつぶれることで最適なクッションを生み出す、メーカー独自の技術が搭載されています。もちろん防水性・通気性も抜群です」

オン クラウドロック2 ウォータープルーフ(23,980円)。カラーはインディゴ、ブラックなどがある
「クラウドテック」は着地のときにだけクッション性を生み出す世界特許取得技術

オンのシューズは機能だけでなく、スタイリッシュな見た目で選ぶ人も多い、と角田さん。カラーもロゴもなんだかおしゃれでストリートっぽさもありますね。

続いて紹介してくれたのはオールラウンドなハイキングシューズ、HOKA(ホカ)の「TRAIL CODE GTX」。ホカもオンと同様に、ランニングシューズを得意とするメーカーです。

「今はランニングシューズも厚底がブームになっていますが、その火付け役となったのがホカ。その流れを踏襲してトレッキングシューズも独自の厚底になっています。優れたクッション性を発揮するEVAミッドソール、あらゆる路面でのグリップ力を高めるヴィブラム メガグリップと、厚底部分には最新の機能が集約されています」

HOKA TRAIL CODE GTX(25,300円)。手前はキャッスルロック/パーシモンオレンジ、奥はブラック/レーベン
このシューズもヴィブラムソールとゴアテックスの最強モデル

「オンやホカといった新鋭ブランドはデザイン性の高さも魅力です。今までのトレッキングシューズは独特な無骨さがありましたが、それとはまったく違うイメージに魅力を感じている人が多いようです」

最後に紹介してもらったのは、コスパ最強と名高いコロンビアの「セイバー ファイブミッド アウトドライ」です。

「独自の防水透湿機能『アウトドライ』を採用しているので、水の侵入を防ぎながらもムレを逃してくれるのがポイント。このクラスになると足ブレを抑えるために多くの補強がされていますし、ソールもクッション性やグリップ力に妥協なくつくられています。それでも独自素材を採用することでこの軽さを実現しているのが一番の特徴です。また、足の幅が広い人に向けたワイド仕様も用意しているので、『幅広でこのスタイルのシューズがはけない』という人にもおすすめですよ」

コロンビア セイバー ファイブミッド アウトドライ(14,850円)。ワイド仕様(奥)もラインナップ
アウトソールは耐久性とグリップ力に優れた「アダプトトラックス」を使用

荷物の量や行き先の地形を考えて最適なシューズを選ぼう

最後に、高性能シューズやトレッキングシューズを購入する上での注意点を聞いてみました。

「中にはハイクラス過ぎるものを購入してしまい、逆に足が痛くなったというお客様もいらっしゃいますから、高ければいい、というものではありません。普段使いか、旅行やキャンプ用か、あるいはトレッキングか。旅行やトレッキングであれば、荷物の重さや行く場所の地形、標高を考慮して選ぶのがおすすめです。あとはサイズ感ですね。街履きでのサイズ感とは違いがありますし、メーカーやモデルによってもサイズ感がまったく違うので、最初に言ったように足を測り、実際に履いてみてから購入してくだざいね」

乗るだけで足の裏の長さや幅、甲高などがわかる足型測定器

さらに旅先で履く靴下の厚みも重要だと角田さんは話します。

「街履きなのか、山に登るのかで靴下の厚みもご提案が変わるので、目的に合った靴下を履いた上でシューズの収まりを見るのも大切なこと。快適性を追求するなら靴下選びも大事ですね。個人的には汗抜けがよくて蒸れにくいメリノウールがおすすめ。靴下の厚みには、普通、中厚、厚手などがありますが、万能に使える中厚が人気です」

靴下も素材や厚さが違うものを多数用意

何を履いても長時間歩くと痛みなどの不調が出てしまう、という方はインソールを使ってみるのもおすすめだそう。

「土踏まずをしっかり支えてくれるインソールを選ぶと足のバランスが整って、長く歩いても疲れにくくなりますよ」

インソールも商品により効果が異なるので自分に合ったものを選ぼう

足に合った靴にインソールを入れるとフィット感や安定感がアップするので、足が疲れやすい人は、靴下にもインソールにもこだわってみてはいかがでしょう。

エルブレス 御茶ノ水店(東京都千代田区神田小川町3-4/ヴィクトリア御茶ノ水本店内)

なお、価格は4月26日の取材時点の税込価格です。

中野悦子