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Twitter Blueに980円の価値はあるか? 地味な「編集」と新機能

Twitterは11日、有料サービス「Twitter Blue」を日本で開始しました。価格は980円で、iOS経由からの契約では1,380円となります。機能としては、ツイートの編集や1080pビデオのアップロード(最大2GB)、スレッドのコンテンツのみをわかりやすく表示する「リーダーモード」などを用意。また、契約者には青い認証マークが付与されます。

早速、Twitter Blueを契約し、編集機能を中心にテストしてみました。ここでは利用にあたっての注意点などを簡単にまとめます。

Webで契約しよう 話題の記事とリーダーモードがいい

最初に注意したいポイントは契約手法です。Twitter Blueは月額980円ですが、iOSだと1,380円とプラス400円。ほぼ1.4倍なので、よほどの事情がない限りiOSからの契約は止めたほうがいいでしょう。Webから加入時は、設定[…]に[Twitter Blue]がでてくるので、画面に沿って進めていきましょう。

Webからの加入は980円

といっても、契約はメールアドレスとクレジットカード番号を入れるだけのシンプルなもの。クレカ以外の決済手段は現時点では用意されていないようです。

契約が終わると、青い認証マークについては審査中である旨が示されます。ただし、その他のTwitter Blueの機能はすでにこの時点で使えるようになっています。

決済手段はカードのみ。決済システムはStripeを使っている
Twitter Blueの主な機能

主な機能は別記事でまとめていますが、ここでは個人的に面白いと感じた機能を紹介していきます。

まずは「話題の記事」。フォロー中のアカウントやフォロワーの間で最も多く共有されている記事をまとめてオススメしてくれる機能で、自分がフォローしている人のシェアした(自分にとって)注目度の高そうな記事がリストアップされています。読もうと思って見逃した記事などを探す場合にはなかなかおもしろい機能になりそうです。

話題の記事

PCのWebでは、炎のようなアイコンからすぐに呼び出せるので、使いやすいと感じました。一方、iPhoneアプリではユーザーアイコン→Twitter Blue 話題の記事とやや呼び出しが面倒な位置にあります。スマホでの呼び出しやすさはもうひと工夫ほしいところです。

iOSアプリからはアクセスしにくいが、興味あるコンテンツをオススメしてくれる

もう一つ使いやすいと感じたのが「リーダーモード」。Twitterでは、長文を「スレッド」にしてまとめて投稿する文化がありますが、こうしたスレッドをつなげて読みやすくするのモードです。

いくつかのスレッドで確認しましたが、1つのWebページのように画像や図なども展開して表示されるため、たしかに読みやすく感じます。スマホでもPCでもかなり実用的な機能と感じます。20以上のツイートをつなげて投稿する人もいるので、フォローしている長文投稿者が多い人などは便利だと思われます。

西田 宗千佳氏のツイートから通常のTwitterのスレッド表示(PC)。右上のリーダーモードをタップすると
リーダーモードで読みやすく表示される
iOSでもキレイに表示

また、個人的にはあまり使っていませんがブックマークに追加したツイートをフォルダに分けて整理できる「ブックマークフォルダ」などの機能も用意されています。

ブックマークフォルダ

ツイートの編集は便利。でも用途は限定的

Twitter Blueを契約し、投稿時に一番影響がある機能が「ツイートの取り消し」です。これは、投稿後10秒程度ツイートを確認できる状態にして、その間に間違いなどに気づける機能です。すぐに投稿したい場合は[すぐに送信]もできますが、サクサク投稿したい場合は少し待たされるので、違和感を覚えるかもしれません。その場合は、設定でオフにできるほか、取り消し時間も5/10/20/30/60秒から選択できます。

ツイートの取り消し。[送信中]の間に誤字などを確認できる

そして、もっとも期待されていると思われる機能が「ツイートの編集」でしょう。

ツイートの編集は、ツイートしてから30分以内に最大5回までツイートを編集できる機能です。編集履歴はユーザーに表示されるため、どう修正されたかが第三者にわかるようになっています。

ツイートの編集

編集はツイート右上の[…]から[ツイートの編集]を選択すると編集画面(ツイート投稿画面)に入り、修正や追記などが行なえます。編集後に再度投稿すると編集した内容にツイートが更新されます。

編集したツイートは、ツイート下部に[最終更新 午後1:47 · 2023年1月11日]など更新時間も表示され、ここを選ぶとツイートの編集履歴が第三者からも確認できるようになります。ツイートなどを大きく変更する場合は、編集ではなく削除して再投稿したほうがいいでしょう。あくまで誤字や表現の微調整の機能という位置づけです。

最終更新から履歴を確認できる
履歴を確認

なお、実際に5回編集してみたところ、6回目でこれ以上の編集は不可とのアラートが表示され、編集できなくなりました。

待望の編集機能なのですが、正直用途が限定される機能とも感じました。

まず、編集できるツイートが自分の「単独のツイート」という点です。例えば、スレッドで長文投稿した連作ツイートなどは編集できません。また、他のユーザーから[返信]された場合も編集・修正できません。またスレッドの2つめ、3つめの投稿でも同様に編集できません。このように、基本的に投稿直後の誤字などを修正することが「ツイートの編集」の位置づけと言えるでしょう。

よい機能もあるが980円は高い

また、ツイートの会話においてTwitter Blue契約者の返信が優先的に表示されるほか、テーマの変更やカスタムアプリアイコンなどの機能も揃っています。さらに今後は、表示される広告数が半分になるなどの機能強化も予定しているとのこと。

さらに1080pの動画をそのまま共有(2GBまで)という点も特徴。Webからは最長60分、iOS/Androidからも10分の動画をアップロードできるようになります。そのため、動画を中心に投稿する人にとっては、Twitter Blueは使い出のあるサービスといえるかもしれません。

確かに有料サービスならではの機能が充実しているTwitter Blue。ただし、これが月額980円といわれると、個人的にはそこまでの魅力は感じていません。

例えば米国でのTwitter Blueスタート時は350円で、「いち早く新機能に触れられる」というと位置づけでした。その程度であれば、長く使っているTwitterなので支払ってもいいかなとは思うのですが、月間1,000円となるとほぼ同額(990円)でNetflixのベーシックプランに契約できます。「ここだけのコンテンツが見られる」とか「収益化にプラスの影響がある」など、実用的な魅力がほしいと感じてしまいます。

例えばauやソフトバンクの通信契約でNetflixが安価に契約できるといった「バンドルサービス」としては、Twitter Blueはわりと納得感はあるようにも感じますが、現状の機能と価格はちょっと高いと言わざるをえないところです。