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新型コロナのワクチン接種スタート。医療従事者・高齢者の後で一般に

2月17日から、新型コロナウイルス対策のワクチン接種がスタートした。まずは、医療従事者を対象とした先行接種となっており、3月から多くの医療従事者、4月以降に高齢者や基礎疾患のある人を優先して接種を行なう計画だ。

ここでは2月17日時点でわかっている、接種スケジュールなどの情報をまとめた。詳細については、首相官邸の「新型コロナワクチンについて」、厚労省の「新型コロナウイルス感染症について」などを参考にしてほしい。

医療従事者、高齢者の順でスタート。BMI30以上も

基本的な条件として、ワクチン接種費用は全額公費負担のため「無料」。接種は原則として、住民票のある市区町村で受け、市区町村から「接種券」「接種のお知らせ」が届くことになる(医療従事者は職場で配布)。現在承認されているファイザー社のワクチンは、3週間の期間をあけて、2度の接種が必要だが、95%の有効性で、発熱やせきなどの症状が出ること(発症)を防ぐ効果が認められている。

接種の優先順位は、医療従事者、高齢者や基礎疾患のある人。

2月17日からスタートしたのは約100施設、4万人の医療従事者。うち2万人は継続的に観察日誌をつけ、接種の安全性を確認する。1回目の接種後の3週間後に2回目の接種を行ない、その後3週間の経過を調査する。

その後医療従事者370万人に3月から接種し、高齢者(65歳以上)は4月から接種を開始予定。高齢者は約3,600万人が対象で、その前に高齢者向けのクーポンを配布する。

高齢者の接種を進めながら、基礎疾患を有する人や、高齢者施設等の従事者、60~64歳の人の接種も進める計画。

接種順位の考え方(出典:ワクチン分科会 予防接種基本方針部会資料 2020年12月25日)

なお、基礎疾患を有する人は「慢性の呼吸器の病気」「慢性の心臓病」などで通院・入院している人など。またBMI30以上の肥満の人についても対象とする方針。

(1)以下の病気や状態の方で、通院/入院している方

1.慢性の呼吸器の病気
2.慢性の心臓病(高血圧を含む)
3.慢性の腎臓病
4.慢性の肝臓病(肝硬変等)
5.インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病
6.血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く)
7.免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む)
8.ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている
9.免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
10.神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)
11.染色体異常
12.重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複した状態)
13.睡眠時無呼吸症候群

(2)基準(BMI 30以上)を満たす肥満の方

スケジュールについては先行接種の調査結果やワクチン等の調達状況を見ながら決定していく。

上記の優先接種の後で、それ以外の人の接種を開始予定。まだ正確なスケジュールは見通せない状況だ。なお、妊娠中の人については、十分な臨床試験データが無いため、主治医と相談するよう呼びかけている。

ワクチン後も感染予防対策は継続

政府では、「予防接種は最終的には個人の判断で接種されるもの」としているが、接種による感染抑制効果は大きいことから、積極的な情報提供を行なうとする。

ファイザー社のワクチンは、通常三角筋(上腕の筋肉)に筋肉内注射という方法で接種。50%以上で接種部位の痛み、披露、頭痛などの症状が発生する場合があり、10~50%で筋肉痛や悪寒、関節痛、下痢、発熱などの可能性があるとする。ただし、大部分は接種後数日以内に回復。また、疲労や関節痛、発熱などは、1回目より2回目のほうが頻度が高くなるという。

厚労省や首相官邸のワクチン情報ページでは、準備状況やワクチンの持続効果、熱が出た場合の対応策などを紹介している。

なお、ワクチンを受けた後も、マスクの着用など感染予防対策の継続は必要。また、「3つの密」の回避や手指消毒なども継続するよう呼びかけている。