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大雪予報が出てからではもう遅い。都市部積雪時に品薄になるモノ調査

昨年の東京近郊における記録的な大雪は記憶に新しいところ。今年もいつ同じことになるかはわからない。そこで、都市部の積雪に備えておきたいアイテムを、ホームセンターの島忠ホームズ中野本店で聞いてきた。

今回案内してくれた島忠ホームズ中野本店の鈴木さん(右)と甲佐さん(左)

大雪が降った後、スコップなどの品切れが報道されることもあるが、島忠スタッフによれば、昨年は雪の予報が出た時点で問い合わせや購入が増え、品薄になったという。“予報が出てから準備すればいいや”は、多くの人が共通して持っている考えであり、そこで購入者が殺到し、入手できない可能性もあるのだ。

それでは、どのようなモノを事前にそろえておけば良いかを、島忠ホームズ中野本店の商品を例に紹介していこう。

取材をした島忠ホームズ中野本店 東京都中野区南台5-24-13

スコップはスチール製ブレード装着タイプが人気

スコップは園芸用コーナーなどで展開。雪対策で人気があるのは、先端にスチール製ブレードが装着された、アイリスオーヤマの「着脱式メタルブレードスコップ」と、同スリムタイプ。女性が子どもが使用するという購入者は、ブレードがついていない、より軽いタイプを選ぶ場合もあるという。

園芸コーナーで展開しているアイリスオーヤマのスコップ
スチール製ブレード装着タイプが人気。写真は着脱式メタルブレードスコップスリム

アイリスオーヤマ製以外のスコップもラインアップされており、予報が出る前に用意しておけば、好みに合わせて選ぶことができる。

価格は898円から1,880円。

アルミスコップのラインアップも。アルミタイプも持ってみたところ軽量な印象

融雪剤は購入数に制限がかかることも

融雪剤も積雪に備えて用意しておきたいモノの1つ。昨年の大雪の時には、予報が出た後、一気に在庫が少なくなってしまったため、1人1袋限りに制限したという。もちろん品切れになる可能性だってある。1月28日時点では数量の制限もしていないそうなので、必要な分を用意しておこう。

中野本店では、みやちゅうの500ml(398円)、2L(698円)のペットボトル型と、昭光物産の10kg(1,280円)、25kg(2,180円)の袋入りをラインアップ。なお、1度開封したものをまた来年も使う、という使い方は推奨しないとのこと。

ペットボトル型のみやちゅう「ササッと安心」。500mlと2Lがある
袋入りのの昭光物産「融雪剤」。10kgと25kgがある

使用量の目安として、500mlボトルには「駐車場2~3台分の面積(約25m2)」、2Lボトルには「駐車場10台分の面積(約100m2)」と記載されていた。

ササッと安心の使用量目安

また重量でいうと、すべて1m2当たり、雪が降る前は約50g、積雪時は100~150g、凍結時は約200~300gが目安とされている。

昭光物産 融雪剤の使用量目安

長靴などの足回り対策

長靴には、ショートタイプやロングタイプ、折りたためるタイプなど豊富に取り揃えている。しかし昨年の積雪時には、この棚が「スッカラカンになってしまった」というから驚きだ。

長靴コーナー

普段売れている商品は軽量ショートタイプとのことだが、雪対策を考えるのであればロングタイプがおすすめとのこと。価格は1,186円から2,389円。安全靴タイプの長靴も用意されている。

おすすめは軽量のロングタイプ。写真はミタニコーポレーションの「HOPPER」。2,112円
折りたためるユニワールドの「のら・コンビニブーツ」。1,834円
小さく折りたためることが特徴
広げれば適度な長さの長靴に

足回りに関しては、靴に装着するスパイクも用意しておけば、雪や凍結の際に安心だ。モリトの「アイススパイク」が1,080円、LOGOSの「スーパーアイスグラバー」が1,580円。LOGOSはアウトドアブランドということもあり、公式ではアイゼンのカテゴリーに分類されている。

いずれもMサイズとLサイズが用意されているが、靴のサイズに関しては、Mサイズはモリトが22~25cm、LOGOSが23~26cm、Lサイズはモリトが25~28cm、LOGOSが26~29cmと、メーカーによって異なるので注意したい。

モリト アイススパイク
LOGOS スーパーアイスグラバー

積雪時にはレインウェアやカー用品も売れる

昨年積雪の予報が出た際には、レインウェアに関する問い合わせや購入も増えたという。いわゆる「雨合羽」と呼ばれるビニール製のレインウェアが最安値で228円、上下セットの高性能タイプ4,480円が最高値。

レインウェアも豊富に取り揃える

カー用品に関しては、タイヤチェーンもラインアップされている。ただし、在庫数はそれほど多くないことと、サイズについての問い合わせには車種やタイヤによる部分があるため正確に答えられない場合があるとのことなので注意しよう。

SOFT99「救急隊ネット」。価格は16,800円から

タイヤ周りに関しては、緊急用のタイヤに吹きかけるスプレーも用意されていた。商品名は「スノーOKスプレー」。凍結路面などでスリップして進めなくなってしまったときに、スプレーをすることでスリップ軽減効果を発揮し、脱出するためのアイテムだという。ただし、あくまで緊急用であり、チェーンの代用にはならない。

スノーOKスプレー。2,780円

そのほか、凍結したガラスの氷を溶かす解氷スプレーや、フロントガラスをカバーして直接窓に雪が漂着しないようにするアイテム、ウインドウの雪や氷を削って落とす「スマートアイスカッター」も売れるとのこと。

KUREの解氷スプレー「アイスオフ」。278円
フロントガラスをカバーするアイテム。528円から
クレトム スマートアイスカッター。248円

さて、ここで紹介したアイテムのうち、家族の分も含めてどれだけ用意できているだろうか。「困ったときには品揃え豊富なホームセンターに行けば何とかなる」と思いがちだが、多くの人が困って需要過多になれば、何とかならないこともある。そうならないためにも、早めの準備を心掛けよう。

なお、掲載している価格はすべて1月28日現在。

取材協力:島忠ホームズ中野本店