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パナソニック「タングステン手袋」を買ってみた。切傷に強い

パナソニックの「タングステン耐切創手袋」は、白熱電球のフィラメント技術を応用した手袋で、布のように柔らかいのに、布よりも切り傷や擦れに強く、耐久性が高いのが特徴です。購入価格は1組で1,821円と、一般的な軍手よりやや高めです。

タングステンは、一般的なステンレスと比べて3倍以上硬く、変形しにくいという特長を持つ希少金属です。タングステン耐切創手袋は、切り傷に強いといっても、まったくハサミで切れないわけではないですが、鋭利な金属の切れ端などに接触した場合、通常の軍手などよりも頑丈、というものです。

髪の毛より細いタングステン繊維を編み込み

製品は、通常タイプと、手のひらにゴムコートが施されたものの2タイプあります。今回は両方のタイプを購入してみました。

通常タイプ
ゴムコートタイプ
パナソニックのロゴが入っています

タングステンの手袋、と言われると、なにやら金属製の硬い手袋を想像してしまいますが、実際には硬い感じはしません。タングステンは、髪の毛の1/4程度の細い糸状に加工され、ポリエチレンなどの素材とともに編み込まれています。手触りは普通の軍手よりも少し、ゴワゴワしているような感じがするぐらいです。

通常タイプの編み目
ゴムコートタイプの編み目。少し通常タイプとパターンが違うように見えます

実際に手に装着すると、違和感なく作業できる柔軟性があります。通常タイプは普通の軍手とほとんど変わらない装着感です。ゴムコートタイプもゴムが付着している分、硬くはなりますが、作業性を損なうほどではありません。

装着感は通常の軍手とかわりません

強度としては、「耐切創性」(欧州規格 EN388:2016(ISO13997)基準)を備えていて、切り傷に対して耐性が高くなっています。DIYで刃物を扱う場合や、切り出した金属板などを手に持つ場合に効果を発揮します。ただし、千枚通しのような鋭利な物が突き刺さる場合の耐性はそれほどではないので注意が必要です。そうした強度は普通の軍手とあまり変わらないと思われます。

耐切創性は、レベルA~Fの6段階で表示されます。本製品ではゴムコートが施されたもののほうが、より耐切創性は高く、レベルFの最高ランク、通常タイプはレベルEということです。

実は摩耗耐性も高く、同じ欧州規格での試験では、最高レベルとなる耐摩耗性レベル4をクリアしています。これは低発塵性の長繊維を使用することで実現しています。

自転車用に常備

筆者はDIYで切り出しの鉄板などを扱う機会はないのですが、自転車に乗るときに常備するようにしました。自転車で走っていると、時々チェーンが外れることがあり、そうした時に軍手は必須です。

筆者が乗っている自転車は、リア側のチェーンが外れることが多いのですが、チェーンを戻す作業は鋭利なスプロケットの近くで行なうので結構気をつかいます。以前、素手で作業をして切ってしまったこともありました。怪我対策には通常の軍手でもいいのですが、タングステン手袋のほうがより安心なのは間違いありません。油で汚れているパーツを触るので、ゴムコートも助かります。

価格は一般的な軍手よりも高いですが、耐摩耗性も高く、洗濯も可能なので長く使うことができそうでお勧めです。

清宮信志