レビュー

10年ぶりにドラム式洗濯機を買い替え 進化に感動する

ドラム式洗濯乾燥機を買い替えました

10年使ったドラム式洗濯乾燥機を買い替えました。前回と同じくメーカーはパナソニックで、'23年10月発売の「NA-LX127C」という機種です。最上位機種から1つグレードが下がるモデルで、購入価格は268,290円。

以前使っていたのは当時の最上位機種だったのですが、現在売っているパナソニックの最上位機種は328,680円。昨今の物価高などにより価格が上がっており、色々悩んだ結果上から2番目の機種を購入しました。

もともと便利に使っていたドラム式ですが、10年ぶりの買い替えとなると機能も進化しています。新たに使えるようになった「洗剤自動投入」や「スマホ連携」などのおかげで、我が家のQOS(クオリティ・オブ・洗濯)はかなり上がりました。

もう1つ良かったのが「乾燥フィルター」です。乾燥機能を使うたびに掃除をする必要があるフィルターがかなり使いやすくなっており、今まで地味に面倒だった点が解消されていて10年分の進化に日々感動しています。今回は、買い替えに本機種を選んだ理由や、感動した進化ポイントなどを紹介したいと思います。

10年前にはなかった「洗剤自動投入」のおかげ日々の洗濯がかなり楽になりました

最重要視は「乾燥フィルター」

買い替えを決意したのは、乾燥性能の低下と、洗濯槽を洗っても洗っても衣類に生乾き臭が付くようになったからです。家電量販店に行ったら洗濯機の寿命は大体7年と言われ、10年近く使ったので買い替えることにしました。

我が家は外干し禁止の住宅で乾燥機能がマストなので、買い替えも乾燥機能が優れているドラム式というところまでは絞れていました。機種を選ぶにあたって、それまで使っていたパナソニックからメーカーを変えようか悩んだのですが、その大きな理由は「乾燥フィルターの掃除」です。

前述のようにドラム式洗濯乾燥機は乾燥機能を使うたびに乾燥フィルターを掃除しなくてはいけないのですが、その掃除が結構面倒。とはいえ掃除をしないと乾燥性能が落ちるため、毎回渋々行なっていました。

それまで使っていたパナソニックのドラム式洗濯乾燥機「NA-VX9300」(2014年購入)

最近は「乾燥フィルター掃除不要」をうたう機種も増え、その機能がパナソニックにはなかったため他メーカーの洗濯機を買おうか悩みました。しかし、乾燥フィルター以外はパナソニック製品に満足しており、他社の評判など諸々を踏まえてパナソニック以外を買うことをなかなか決断できませんでした。何度か量販店に行き店員さんと相談したり自分で調べる中で、結局パナソニック製の購入に至りました。

大きな理由としては、上述の通り乾燥フィルター以外はパナソニック製品に満足しており、「乾燥フィルター掃除不要」の製品に関してはまだ世に出始めて数年で、本当に乾燥フィルターを掃除しなくても大丈夫なのかがわからないと思ったからです。

乾燥フィルターを掃除するのは、乾燥機能を使ったときにフィルターにホコリが溜まるからで、掃除不要の製品はフィルターに溜まったホコリを水で洗い流してくれるものが多いですが、本当にキレイになるのか懐疑的でした。

また、掃除不要の製品だと乾燥フィルターが取り外せないようになっているものもあり、目詰まりを起こして乾燥性能に支障が出たときに自分で掃除ができず、業者を呼ぶことになります。

乾燥フィルター掃除不要の製品を数年使った人の話がまだ出てこないため、5年以上使っても問題ない、ということがわかれば次回買い替えるときは候補にしても良いかなという結論に至りました。

新たに購入した「NA-LX127C」の乾燥フィルター。他社は乾燥フィルター掃除不要で本体から外せない仕様の機種もありますが、パナソニックは乾燥フィルターの掃除を必須として、本体から外して掃除します

上位機種を候補にしたのは、乾燥機能に優れているヒートポンプ式という乾燥方式がマストだったため。ドラム式洗濯乾燥機は、ヒートポンプ式とヒーター乾燥という2つの乾燥方式に大きく分けられ、ヒーター乾燥は時間が掛かり電気代も高いため、乾燥機能をよく使うならヒートポンプ式一択になります。

その中で最上位ではなく2番目にしたのは、値段が大きな理由ですが、2番目の機種にも欲しい機能が揃っていたからです。

最上位機種「NA-LX129C」と、今回買った「NA-LX127C」の大きな違いは操作部分。NA-LX129Cはカラータッチパネルでパネルをタッチして操作しますが、NA-LX127Cはホワイト液晶パネルで物理ボタンを押して操作します。

あとはNA-LX129CがナノイーX搭載で、NA-LX127Cは通常のナノイーになるくらい。ナノイーはパナソニック独自のイオン技術で、通常のナノイーよりナノイーXの方が効果の決め手となるOHラジカル量がはるかに多いのですが、今回は重要視しませんでした。

共通するのは洗濯/乾燥容量(12kg/6kg)、洗剤自動投入、スマホ連携機能など。パナソニックの洗濯機で目玉となる機能はこのあたりなので、NA-LX127Cで十分だと判断しました。

最上位機種「NA-LX129C」と、今回買った「NA-LX127C」の違い。操作パネルとナノイーXの有無が大きな違いで、ほかは共通です

大きな違いとなる操作部分に関しては、これまでタッチパネルの最上位機種を使っていたので物理ボタンに慣れるか不安でしたが、10年前にはなかったスマホ連携があるのだから、操作が難しそうさならアプリからやれば良い、と思ったのも大きいです。

値段に関しては、パナソニックでは2020年から販売店で値引きをしない指定価格販売制度を導入しており、どこで購入しても値段は一緒。家電量販店サイトのポイントもつかないため、ビックカメラ.comで購入して設置や引取サービスなどもあわせて申し込みました。

製品価格は268,290円で、設置やリサイクル、長期保証オプションなどを付けて購入金額は計285,667円でした。購入した翌日には届き、サイズは前回とほぼ同じだったので設置も問題なく完了しました。

オプションなどを付けて合計金額は285,667円。注文した翌日には届きました
今までタッチパネルで操作していましたが、買い替え後は物理ボタンに。10年前の機種ではなかったスマホ操作が今はできるので、複雑なコース設定はスマホからすれば良いと判断しました

洗剤の計量が嫌いだったことに気付かされる

使い始めて2カ月経ちますが、一番便利だと思うのは洗剤自動投入機能です。NA-LX127Cには、「洗剤」「柔軟剤」「おしゃれ着洗剤(or漂白剤)」の3つをタンクに入れておけ、洗濯槽に入れた衣類の量によって毎回自動で洗剤が投入されます。

便利だとは聞いていましたが、これまで毎回していた洗剤と柔軟剤の計量がなくなるのは想像以上にラク。うっかりキャップからこぼすこともないですし、1工程減るだけで洗濯のハードルがかなり下がります。

洗剤は銘柄によって投入する量が異なるため、初期設定で銘柄を設定する必要があります。本体でも行なえますが、スマホアプリのほうがわかりやすいので最初に使う前にスマホアプリをインストールして設定しておくとスムーズでした。

洗剤が少なくなるとアプリで知らせてくれ、本体操作部も洗剤項目のライトが点滅します。タンクは取り外して洗えるので、洗剤の銘柄を変えたいときも問題ありません。

洗剤自動投入タンク。左から洗剤、柔軟剤、おしゃれ着洗剤(or漂白剤をまとめて入れておけ、洗濯の度に適量が自動投入されます
初期設定で洗剤等の銘柄を登録します。アプリでやるとわかりやすい

1つだけ、大容量の詰替え用洗剤を入れようとすると、タンク投入口は狭いので洗剤が入れづらいという難点がありました。慎重にやらないとこぼしそうになりますし、実際に何度かこぼしました。タンクは外して洗えますが、タンク外にこぼすと結構落ち込みます。

あとは日頃洗剤や柔軟剤のことを気にしなくて良くなったため、タンクが空になって新しい洗剤を買おうとしたときに、タンクに入っている銘柄がわからなくなるということがありました。

洗剤の銘柄はわかりやすいですが、柔軟剤は香りのバリエーションが多くリニューアルすることもよくあるので、今入っている銘柄がどれか不安になりながら買い物することも。ネットで買っておけば履歴を見れますが、ドラッグストアなどで買う場合は使用している柔軟剤の銘柄はメモしておくのが良さそうです。

大容量の詰替え洗剤を使うと少し入れづらいのが難点

上述の通りスマホ連携も便利で、普段使いではそこまでアプリ操作はしませんが、予約洗濯やイレギュラーなコースを使いたいときはアプリからがやりやすいです。

特に予約洗濯は終了時刻を画面で確認できず、「●時間後に運転終了」という指示で予約設定をします。人によるとは思いますが暗算がパッとできないことがあり、スマホアプリなら「16時30分に運転終了」と時刻が表示されるのでわかりやすいです。

イレギュラーなコースは、筆者だと温水洗いやおしゃれ着コースをよく使い、これらは本体で操作するよりアプリのほうがスムーズにできます。ほかにも乾燥運転のタイマー設定は、NA-LX127Cの場合はアプリ専用コースになるためアプリから行ないました。

スマホ運転は外出先からでもスタートできますが、洗濯機のドアをちゃんとしめ、電源を入れて「遠隔操作」というボタンを押す必要があります。ここまで操作するなら、標準コースを使う場合ならそのまま本体でスタートボタンを押した方が早いなと正直思いました。

アプリでの運転操作は、上述のように予約運転したいとき、本体操作だと設定がわかりづらいコース、アプリにしかコースがないときの利用に適していると感じました。

予約洗濯は「●時間後に運転終了」という指示で設定します。7時間後が何時かパッと出てきません……
アプリだと時刻がわかるので予約洗濯をする場合はスマホ連携しています
スマホから運転スタートする場合も本体の「遠隔操作」ボタンを押します

乾燥フィルターの進化に感動

10年ぶりに新しい洗濯機を使い、地味に感動しているのが乾燥フィルターです。前述の通り買い替え機種を選ぶ際に、乾燥フィルターの掃除不要機能をどう捉えるか悩みました。結局乾燥フィルターの掃除必須のパナソニックにしたわけですが、フィルターや本体の仕様が進化していてかなり改善されていました。

以前はフィルターについたホコリを取るとき、ホコリがモソモソしているというかポロポロと取れていました。ですが新機種ではホコリを取ろうとするとペロンと剥がれ、1枚の薄いスポンジのようにホコリがペロッと取れます。ホコリが飛び散らないので掃除がかなり楽で、以前のような面倒さはありません。

以前使っていたNA-VX9300の乾燥フィルター。使用から9年目にクリーニングしてもらったときなので年季が入っていますが、ホコリがモソモソしています
新たに使っているNA-LX127Cの乾燥フィルター。1枚の薄いスポンジのようにホコリがペロッと取れます

また、乾燥運転終了後は、乾燥フィルターが目詰まりしていると警告音が鳴る仕様に変わっていました。この警告音が結構うるさく、しばらくすると鳴り止みますがすぐに止めたいときはフィルターを外すか電源をオフにしないと鳴り止みません。すぐにフィルターを外すと嫌でもホコリに直面することになるので、運転終了後すぐに掃除をする気になります。

目詰まりしていないときは警告音は鳴りませんが、今のところ9割くらいは乾燥運転終了後に警告音が鳴っています。

10年前の機種はこうした警告音がなかったので乾燥運転が終わった後もフィルターを放置し、次に使うときに渋々フィルターを掃除していました。今は運転終了後に必ず掃除をしているので、フィルターは常にキレイな状態で気持ちが良いです。

乾燥運転終了後、乾燥フィルターが目詰まりしていると警告音が鳴り、アプリにも通知が届きます

とにかくホコリがキレイに取れるようになったのは気持ちよく、今まではドラム式洗濯乾燥機に対して「性能は良いけどとにかく乾燥フィルターの掃除が嫌」と言い続けていたのですが、今はその不満が解消されてかなり使いやすくなっています。

現在少し古めのドラム式洗濯乾燥機に不満を抱きながら使っている人でも、最新機種に触れたら印象はガラリと変わるはずです。次の買い替え時にはさらに進化した姿になっていることが予測されるので、それも楽しみにしつつ今は快適な洗濯ライフを送りたいと思います。

西村 夢音