ミニレビュー

Fire TVがちょっと便利に。YouTubeもダイレクトな「リモコン Pro」

Amazon Fire TVシリーズ用の新型リモコン「Alexa対応音声認識リモコン Pro」が11月16日から発売開始されました。Fire TVシリーズ用の"プレミアム”リモコンで、自分好みの機能を割り当てられる「カスタムボタン」や。Alexaで「リモコンを探す」、そして暗い部屋でリモコンが光って使いやすい「バックライト」などが特徴です。

Fire TV Stick(第1世代)、Fire TV(第2世代)、FUNAI Fire TV搭載スマートテレビ以外のすべてのFire TVデバイスです。

価格は3,980円。Fire TV Stickが4,980円でセール時には2,000円台のときもあるのでリモコンだけにしては「高い」と思う人もいるかも知れません。ただ、Fire TVのヘビーユーザーにとってはありがたい機能がもりだくさんです。短時間ながら、発売前の新リモコンを借りてFire TV Cube(第3世代)との組み合わせを試しました。

カスタムボタン・探すなど充実の機能

Alexa対応音声認識リモコン Pro(以下リモコンPro)では、再生/停止、早送り/戻し、番組表、ホーム、ボリュームなど、Fire TVの本操作ボタンのほか、NetflixやPrime Videoなどのダイレクトボタンや、Alexa、電源ON/OFFボタン、Prime Videoのライブチャンネル切り替えに利用できる「チャンネルボタン」などを備えています。

さらにリモコンProの特徴となるのが以下の4つの機能です。

特徴は
・カスタムボタン
・リモコンを探す
・バックライト
・ヘッドホンボタン

2つの「カスタムボタン」は、YouTubeなど好きなサービスや機能を割り当ててすぐに呼び出せる機能です。

「リモコンを探す」は、Alexa対応のデバイスに「アレクサ、リモコンを探して」と話しかけると、リモコンの内蔵のスピーカーから探知音が鳴り、家の中であればリモコンを見つけられるというもの。

「バックライト」は、ボタンが光り、薄暗い部屋でもリモコン操作をしやすくする機能。「ヘッドホンボタン」は、Bluetooth対応のワイヤレスヘッドフォンに音声をワンボタンで切り替えられるものです。

リモコン自体は従来のFire TVシリーズとほぼ同サイズですが、ボタン数が多いのでかなり“みっちり感”があります。ただ、本体にはシボ加工がなされており、樹脂感の高い付属リモコンよりは手触り・見た目ともに高級感があります。Fire TV Cubeの付属リモコンと比べると一回り小さくなっています。

Fire TV Cubeの付属リモコン(左)とリモコンPro(右)

設定はシンプルで、すでに他のFire TVリモコンがある場合は、[コントローラとBluetoothデバイス]から「Amazon Fire TVリモコン」→[新しいリモコンを追加]で設定が完了します。新たなデバイスとのペアリング時には、ホームボタンを10秒長押しすると、リストに新たに追加するリモコンとしてリモコンProが表示されます。

カスタムボタンはYouTubeも割当できる

新機能の中でも一番わかりやすいのは「カスタムボタン」。好きな機能を割り当てられるボタンが2つ用意されています。Fire TVシリーズのリモコンはPrime VideoやNetflixなどをワンボタンで呼び出せる専用ボタンが用意されていますが、このカスタムボタンは任意のサービスや機能を割り当ててワンボタンで起動できるようにするものです。

ダイレクトボタンの上に「カスタムボタン」

例えばFire TVシリーズは、歴史的に「YouTube」のダイレクトボタンがないので、ここをYouTubeにすると、Fire TVを起動してすぐにYouTubeを呼び出せるようになります。筆者もリモコンProを見た瞬間に「一つはYouTubeで決まり」と思いました。

カスタムボタンは。動画配信サービスだけでなく、「ウォッチリストを開く」、「電気をつける」「天気の確認」「スマートカメラの映像確認」といった"機能"への割当も可能です。

リモコンProのダイレクトボタンは、Prime Video、Netflix、ABEMA、Amazon Musicの4つ。Fire TV Stickの場合DAZNのボタンもついているので、個人的にはDAZNを入れてほしかったところです。

4つのダイレクトボタン

また、Fire TV Cubeも同じ4サービスですが、Amazon MusicとABEMAの並びが逆だったりとボタン配置にあまりこだわりが感じられないは少々気になるところです。

Fire TV Stickの付属リモコン(左)、リモコンPro(中央)、Fire TV Cubeの付属リモコン(右)

ひとまず、筆者は利用頻度が高いYouTubeとDAZNをカスタムボタンに割り当てています。YouTubeやDAZNをすぐに起動できるのはやはり便利です。

ただし、一つ注意したいのはこのカスタムボタンでは「電源ON」はできないこと。Prime Videoなどのダイレクトボタンはテレビの電源とも連動し、例えばPrime Videoボタンを押すだけで、テレビ起動→Fire TVに入力切替→Prime Video立ち上げまで実行されますが、カスタムボタンではテレビの電源は入りません。

リモコンのホームボタンを押すと、(テレビ連動している場合は)テレビが起動してFire TVが立ち上がるので、その後にカスタムボタンを押すと設定したYouTubeなどのサービスが起動します。電源ボタンやホームボタン操作の分のワンステップだけですが操作は増えます。それでも、Fire TVのホーム画面でアプリを選ぶ手間はなくなるので、YouTubeなどダイレクトボタンがなかったサービスの利用にはかなり便利にはなります。

また、Prime Videoを見終わってすぐにYouTubeに切り替える、といった時も一旦ホーム画面に戻る必要がなく、サクサク使えます。

リモコンを探す

リモコンを探すは、Alexa搭載のデバイスに「アレクサ、リモコンを探して」と話しかけると、リモコンProの内蔵スピーカーから探知音が鳴り、リモコンの位置を把握できる機能です。Bluetoothを使うため、通信距離は10mまでとなっています。

ペアリングしているFire TV Cubeや、同じリビング内のEcho Show 10から「リモコンを探して」と呼びかけてみましたが、きっちり認識されます。またEchoだけでなく。Alexaアプリからの呼びかけでもリモコンを見つけることができます。

Alexa対応音声認識リモコン Proで「リモコンを探す」

音はちょっと耳障りで、別室のEchoで「リモコンを探して」を試したところ、昼寝していた猫がびっくりして起きるといったミスもあったので誤用には注意しましょう。ただ、リモコンをソファの隙間に落とした場合などには重宝しそうです。

バックライト

実は一番便利だと感じたのがこの「バックライト」です。夜に映画やドラマを明かりを落として見ている場合などは、リモコンのボタンが見つけづらくなります。そんな時でもボタンをしっかり見ながら操作できるので、非常に心強い機能です。

暗い場所でリモコンProを持つだけで光るので、確実にボタンを見ながら操作できるのはプラスです。ホームシアター向け製品のリモコンでは一般的な「自発光ボタン」ですが、3,980円のリモコンでこの機能があるのは嬉しいところです。

ヘッドホンボタン

BluetoothヘッドフォンとFire TVをペアリングして、ワンボタンで音声出力をヘッドフォンに切り替えられるボタンです。ボタンを長押しして、Bluetoothヘッドフォンのペアリングが行なえます。

あとは、ヘッドフォンに切り替えたいときにボタンを押すだけ。個人的にはリビングのテレビでイヤフォンを使うことはあまりないのですが、PCディスプレイとFire TVを繋いでいるケースなどでは重宝しそうだと感じました。

3980円で充実の機能 Fire TVヘビーユーザーにおすすめ

3,980円と手頃な価格で、Fire TVの使い勝手が向上する「Alexa対応音声認識リモコン Pro」。ちょっと欲しかった「かゆいところに手が届く」機能がまとまっており、1週間程度使っただけでも手放せなくなっています。

機能面では、特にカスタムボタンはYouTubeやその他の動画配信サービスをよく使う人にとって魅力的です。またバックライトは、映画やドラマを見ている体験を少しリッチにしてくれるもので、これもFire TV体験の強化という意味ではオススメできます。

リモコンの質感も高級で、せっかくのゆとり時間をちょっと贅沢に過ごしたい、ちょっと便利に過ごしたい、といった「プチ贅沢」感が3,980円のリモコンに詰まっています。Fire TVシリーズを「毎週必ず使う」といった人には積極的にオススメしたい製品です。

臼田勤哉