ミニレビュー

iOS 13の便利な新機能。iPhoneでPASMOなどの履歴を管理

9月20日にリリースされた「iOS 13」で、地味ながら注目の機能が「ICカードリーダー」だ。iPhoneにおけるNFCの読み取りが強化され、Suica、PASMO、ICOCAなどの交通系ICカードの読み取りが可能になった。

これにあわせて、マネーフォワードによるアプリ「ICカードリーダー by マネーフォワード」(iOS)や、「バスNAVITIME」におけるICカード読み取り機能などが提供され、iPhoneにおいて、交通系ICカードの残高などをアプリで取得できるようになった。実際に使ってみても便利な機能だ。「ICカードリーダー by マネーフォワード」を中心に、その使い勝手を紹介したい。

PASMOの履歴がiPhoneで管理できる!

「ICカードリーダー by マネーフォワード(iOS)」は。iPhone用のICカードリーダーアプリ。アプリを通じて、交通系ICカードの履歴を取得。さらに「マネーフォワードME」などの同社サービスに取り込める。

ICカードリーダー by マネーフォワード(iOS)

実はAndroid版は2015年11月から提供済みのものだが、iOS 13の「Core NFC」のアップデートをうけて、iPhoneでも提供可能になったという。

使い方はシンプルだ。アプリを立ち上げて、iPhone背面上部にカードをかざすだけ。筆者の場合は定期券+チャージで使っている「PASMO」をかざしたが、瞬時にアプリ上にPASMOの乗車履歴が表示された。

iPhoneの背面にカードをかざすだけ

筆者の場合、6月16日からの乗車履歴が取得できた。さらに、取得したデータは「マネーフォワードME」や「マネーフォワード クラウド経費」への取り込みのほか、CSVファイルでのダウンロードに対応する。

PASMOの履歴を取得して、マネーフォワードMEに取り込み

個人的にこの機能が重宝するのは、会社の「交通費精算」。筆者は、取材等の外出は基本的に「モバイルSuica」を使っている。モバイルSuicaであれば経費精算時にも履歴を見ながら、「どこに、いくらで行ったのか」が、すぐにわかる。

しかし定期券は「PASMO」で、自宅から取材先に直行する場合など、PASMOにチャージした残高を使うことも多い。しかし、PASMOの履歴はWebやアプリからは取得できないため、交通費精算のたびに、スケジュールを確認しながら「乗換案内」等のアプリで運賃を検索、入力していた。

しかし、ICカードリーダー by マネーフォワードを使えば、PASMOの履歴を一括で取得できるので、この無駄な手間が省けるはず。精算に使っていた時間は、おそらく月に10分程度だとは思うが、この時間をほぼゼロにできるのは嬉しい。

Edyなども読める「Japan NFC Reader」も。iPhoneが便利に

「バスNAVITIME」や「Japan NFC Reader」などのアプリもICカード読み取りに対応している。

バスNAVITIMEは、SuicaやPASMOなどをiPhoneにかざして、残高を読み取り確認できる。履歴は取得できず「残高だけ」というシンプルなものだ。ナビタイムによれば、「バス車内ではICカードのチャージができないことが多いため、乗車前に残高を確認し、足りない場合は駅などでチャージをしたり、小銭を用意するという活用を想定している」とのことだ。

バスNAVITIMEは残高表示のみの対応

Japan NFC Readerは、交通系ICカードだけでなく、楽天Edy、nanaco、WAON、大学生協ICプリペイドといった電子マネーの読み取りに対応し、残高だけでなく履歴もわかるようになっている。nanacoやPASMOで試してみたが、カードをかざして「スキャン」を押すだけで、瞬時に残高を取得し、カードの履歴もわかるようになる。

Japan NFC Reader
PASMOの履歴のほか、nanacoの履歴や残高も管理できる

いずれのアプリも機能としてはシンプルなのだが、アプリで情報を取得できるようになることで、カードを積極的に活用しやすくなると感じる。しかも無料だ。

iOS 13の中でも地味なアップデートかもしれないが、交通系ICカードを使っているiPhoneユーザーにはとても便利な機能・アプリになるはずだ。

臼田勤哉