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ニトリ、屋根上太陽光発電を本格稼働 他拠点にも電力供給
2024年6月7日 13:45
ニトリホールディングスはSustechと連携し、FIP制度を利用した余剰電力活用型の太陽光発電の稼働およびニトリグループ他拠点への供給を含めた再生可能エネルギー循環の実現に向けて準備を進め、2024年度より本格稼働した。
FIP制度を利用した自社設備の屋根上における太陽光発電プロジェクトとしては、日本最大級というプロジェクト。2022年7月に導入を決定し、FIP制度への申請や、余剰電力活用に必要な発電予測・需要予測精度の向上など、稼働に向けて準備を進めていた。
太陽光パネルの設置に適した独立型店舗に加え、店舗の7倍のパネルが設置可能な大型の物流拠点などに順次パネルを設置することで、全国規模で太陽光発電インフラの構築を目指す。
パネルを設置する拠点には屋根全体にパネルを敷き詰めて、自拠点で使用する分以上の発電を行なう。余剰電力はSustechが開発した電力プラットフォーム「ELIC」を活用して、パネルが設置できないニトリグループの他拠点に供給することで、発電したエネルギーを余すことなくグループ内で最大限活用できる仕組みとした。パネルが設置できない店舗はインテナント店舗や屋根上が駐車場の店舗などで、デコホームや島忠も含まれる。
取り組みを開始する前段階での事例調査によると、従来の屋根上太陽光発電では自拠点で必要となる電気使用量に合わせてパネルが設置されるため、屋根の面積に比して半分以上が活用されていない例が多い。また、発電量と自拠点で必要な電力量のピークに時間差が生じることにより、発電した電気を使いきれずに無駄にしてしまうケースがあることがわかった。
そこで、最も環境負荷が低い仕組みとして、Sustechと連携して余剰電力活用型の再エネ循環スキームを実現。一般的な自家消費型の太陽光発電に比べて3倍以上の温室効果ガス削減が可能となったとしている。
2030年度、180拠点拡大時のプロジェクトの効果の見込みは、発電容量が総計80MW規模、発電される電力が年間10万MWh以上、温室効果ガス削減が5万t-CO2以上。発電される電力は⼀般家庭約23,000世帯分の年間電力使用量に相当、温室効果ガス削減は杉の木約568万本が1年間に吸収するCO2の量に相当するという。
ニトリグループは、不要品の回収などによる商品や廃棄物の資源循環にも取り組んでおり、今回のエネルギー資源の循環とあわせて、2050年度目標のカーボンニュートラル達成につなげるとしている。