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NTTとスカパーJSAT、MSと「宇宙データセンタ」実現に向け協力

Space Compassは、マイクロソフトと共同で軌道上衛星のコンピューティング環境で動作するソフトウエアの開発とその実証について合意した。Space CompassはNTTとスカパーJSATが設立した合弁会社で、宇宙データセンタ(宇宙における大容量通信・コンピューティング基盤)、宇宙 RAN(Beyond5G/6G におけるコミュニケーション基盤)の事業・サービス開発に取り組んでいる。

2019年12月にマイクロソフトとNTTの間で締結されたデジタルソリューションの実現に向けた戦略的提携の一環として実施するもの。観測衛星が撮像した画像データを軌道上で処理することを実証することで、効率的かつリアルタイムな衛星データ活用を促進する。

衛星データを「空の目」として地球上を面的に情報把握するため、地球を周回して撮像する観測衛星の数は急速に増えている。一方で、衛星データの分析を地上のクラウド基盤でリアルタイムに分析するには、観測衛星と地上のクラウド基盤をつなぐネットワーク容量やそれに伴う遅延等の課題が存在する。これらを解決するため、衛星データを衛星上でデータ分散処理、分析するスペースエッジコンピューティングの必要性が高まっている。

Space Compassはマイクロソフトと合同でCo-Engineeringチームを立ち上げ、衛星から地球上の特定の場所における船舶をリアルタイムに検知するアプリケーション開発に着手した。このアプリケーションは、2024年6月に打ち上げ予定の観測衛星(Loft Orbital社YAM6)上のコンピューティングリソース上に実装され、軌道上でスペースエッジコンピューティングの効果を検証する予定。

今後、軌道上でのエッジコンピューティング実証については、今回の取り組みだけでなく、さらに多くのユースケースに基づくアプリケーションの開発や実証に取り組む予定。実証で得られた知見を活用し、軌道上でのエッジコンピューティング機能をサービスとして実現し、高速大容量の光データリレーサービスを組み合わせることで、リアルタイムかつ地上のクラウド基盤とシームレスに衛星データを活用できるソリューションの実現をめざす。