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アマゾンの衛星インターネット「Project Kuiper」試験衛星の打ち上げに成功

米Amazonは6日(現地時間)、衛星ブロードバンドインターネットの「Project Kuiper」(プロジェクト カイパー)において、試験衛星の打ち上げに成功したと発表した。

同プロジェクトは、多数の低軌道衛星でネットワークを構築する、衛星コンステレーションと呼ばれる衛星ブロードバンドインターネットサービスの計画。先行している同様のサービスに、SpaceXの「Starlink」(スターリンク)や、Network Access Associatesの「OneWeb」(ワンウェブ)などがあり、スターリンクは日本でもサービスが提供されている。

プロジェクト カイパーの試験衛星2基は、フロリダの宇宙軍基地から、ULAのアトラスVロケットで10月6日に打ち上げられた。ULA(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)はロッキード・マーティンとボーイングの合弁会社。

このプロトタイプの衛星は高度500kmの軌道に投入され、「プロトフライト」ミッションを開始、ワシントン州レドモンドにあるミッション・オペレーション・センターと、「KuiperSat-2」「KuiperSat-1」の順で通信を確立することに成功している。

ミッションでは最終的に、プロジェクト カイパーのデバイスを用いた、エンドツーエンドのネットワーク送受信をテストする計画。

量産型の衛星は2024年の前半に打ち上げ予定。2024年末までに、初期のユーザーによるβテストが開始される見込みになっている。

プロジェクト カイパー

プロジェクト カイパーは、スターリンクなどと同様、低軌道に多数の衛星を投入し、高速なブロードバンドインターネットを提供するという計画。今後6年間で、3,200基以上の衛星の投入を計画している。また衛星と地上のインターネットをつなぐ「地上局」(地球局)は、世界各地に設置されるとしている。

地上でユーザーが使う衛星アンテナは複数種類の提供を想定。持ち運びが容易な小型で、手頃な価格のデバイスも計画されており、よりカジュアルな利用ができるイメージを打ち出している。