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ソニーとKDDI、格ゲーもできる5G“ゲームストリーミング”を現実に

ソニーとKDDIは、5G SAの商用ネットワークにおいて、ゲームストリーミング用にカスタマイズしたネットワークスライスを活用し、自宅と外出先を結ぶようなネットワーク環境でも安定したプレイができることを技術検証で確認したと発表した。ソニーと共同で、2024年度にもサービスの商用化を目指すとしている。

5G SA(スタンドアローン)のネットワークで実現できるネットワークスライシングは、「ネットワークのオーダーメイド」と紹介されるように、特定のサービス向けにカスタマイズすることで、周辺の混雑の影響を受けにくい安定した環境を提供できる。

この特徴を活かし、実際に混雑している商用エリアにて検証を行ない、ゲームストリーミングにおけるネットワークスライシングの機能の有効性が確認された。

ゲームストリーミングは通信速度の速さだけでなく、安定性や、操作信号を戻す遅延の少なさも重要になり、5Gネットワークのユースケースでも特に総合力が求められるサービス。

具体的には、家庭用ゲーム機のゲームストリーミングの機能を使用。外出先からXperiaスマートフォンでゲーム機に接続し、ゲーム機側で動作する格闘ゲームの映像をスマートフォンに送信、スマートフォンでゲームの映像を見つつ、接続したコントローラーでプレイするという内容になっている。

ストリーミング配信によるゲームプレイは、スループットが低下するなどの不安定な環境だと映像のコマ落ちが発生、快適なプレイは難しくなる。今回の検証では、コマ落ちや、快適にプレイできるかといった項目を設定し「ゲーム体感レベル」として定量化して検証。過去の検証時よりネットワーク環境のリソース配分を最適化したことで、「ゲーム体感レベル」を高いレベルで実現、ゲームストリーミングに必要な品質を、周辺が混雑していても提供できるようになったとしている。

なお今回検証が完了したネットワークスライシングを活用するゲームストリーミングについて、「東京ゲームショウ」(9月21日、ビジネスデイ)で体感できるデモを実施する予定。

ソニーはゲーム機以外にも放送用機材やドローンといったさまざまな分野を手掛けている。今回検証されたようなネットワークスライシングによる安定した通信・映像配信サービスについて、さまざまな分野でKDDIと協力していく方針。

ネットワークスライシングは5G SAエリアで利用できる。auの5G SAエリアは現在拡大中で、生活動線を中心に、引き続きエリア拡大に取り組んでいく方針。