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Google検索、生成AIまとめを日本でも開始 面倒な調べ物も“ざっくり解説”

検索結果に生成AIによる概要が表示されるようになる

Googleは、国内の「Google 検索」の新機能として、検索結果に生成AIがまとめた情報も表示する「生成AIによる検索体験」の日本語版の試験運用を開始した。試験運用中は、デスクトップPC向けのWebブラウザ「Chrome」と、スマートフォン(Android、iOS)の「Google アプリ」上で提供される。Googleの「Search Labs」(サーチラボ)にGoogleアカウントを登録することで利用できるようになる。

「生成AIによる検索体験」は、5月に開催されたイベント「Google I/O」で「SGE」(Search Generative Experience)として発表されたもの。米国ではすでに試験運用中で、日本は米国に次ぐ2番目の展開国になる。

Googleによれば、ユーザーは旅行の計画や大きな買い物についてGoogleで検索する際に、検索キーワードを何種類も切り替えて複数の情報を収集し、自分が求めている情報にまとめるという作業を行なっているという。

「生成AIによる検索体験」と訳されたSGEは、こうした普段の検索の面倒だったり時間がかかったりする作業を、生成AIが代わりに実行するというもの。

このため、コーディングなど、よりクリエイティブな作業向けで対話形式が基本の「Bard」とはコンセプトが異なるとしているほか、SGEをGoogle 検索の正統進化系の機能と位置づけている。

SGEを利用した際の見た目は分かりやすく、従来の検索結果の画面の上部に、生成AIがまとめた「考慮すべき重要な情報の概要」が表示される。文脈を引き継いで追加の質問が可能なほか、情報の引用元も明示され、リンク先から掘り下げた内容を確認できる。

モバイル版のUI。画面下部の「追加で聞く」から入力すると、文脈を引き継いで質問できる

検索しているトピックについて情報が不足している、情報の質が低い、などと判断された場合は、生成AIによる概要欄は表示されず、従来の検索結果の画面のみになる。また、日本国内の利用において、情報源として使われるのは基本的に日本語のWebサイトになる。

広告枠は従来と同様で、広告専用の枠を設けて、検索結果と混同しないような配置になる。表示される広告は従来と同じ。

広告枠もテスト扱いだが、ポリシーなどは従来と共通

正確性を重視、フィードバックで改善を図る

Google 検索 日本担当 ゼネラルマネージャーの村上 臣氏

Googleは生成AI関連の開発を慎重に進めているとしている。例えば生成AIでは、ハルシネーション(幻覚)と呼ばれる、事実誤認のままユーザーに誤った情報を提供してしまう問題が指摘されているが、Googleは正確性を重視した表現に重きを置くとし、「表現に硬さが残るかもしれないが、フィードバックを得て改善していきたい」(Google 検索 日本担当 ゼネラルマネージャーの村上 臣氏)としている。

このほか社内には、開発チームとは別に、品質を検査する専門チームが立ち上げられており、意図したように機能しているかや、バイアスの問題がないかどうかなどをチェックし、開発チームにフィードバックする体制になっている。

Googleのアプローチ

今回の試験運用では、生成AIがまとめた概要について、良い・悪いを表明できるボタンなども用意して、ユーザーからのフィードバックを広く受け付ける。「フィードバックを得て改善し、調整して、できるだけ多くのユーザーに提供できるようにしたい」(村上氏)としている。

試験運用という位置づけのSGEは「Search Labs」にGoogleアカウントを登録することで利用できるようになる