ニュース

うなぎの蒲焼の食感や風味を再現「プラントベースうなぎ」 日清が開発

日清食品ホールディングスは、動物由来原料を一切使用せずに“うなぎの蒲焼”の食感や見た目、風味を再現した「プラントベースうなぎ」の開発に成功した。

ニホンウナギは、国際自然保護連合により絶滅危惧種IB類に指定されており、ウナギの養殖は天然資源(稚魚であるシラスウナギ)に依存している。近年、シラスウナギの漁獲量は減少傾向で、価格が高騰していることから、市販されるうなぎの価格も上昇している。さらに、ウナギを卵から育てる完全養殖は、コストの問題が解決されておらず、実用化には至っていない。そのため、「『うなぎを食べる』という日本の食文化が失われてしまう可能性がある」という。

同社では、豊かな日本の食文化を守ることを目的とした「プラントベースうなぎ」の開発と商品化を進めることで、持続可能な食料システムの構築を目指す。

プラントベースうなぎの開発では、動物由来原料を使用せずに本物のうなぎの蒲焼に近い「食感」と「見た目」を実現するという課題があった。

食感については、「白身層」「中間層」「皮層」の3層に分けて生地を作成。白身層には、主に粒状大豆たん白を使用し、ふわっとしながらも繊維感のある食感を再現した。中間層は、植物油脂などを使用することで、うなぎの身と皮の間にある脂身のとろっとした食感を再現。皮層は、竹炭粉末を使い、特有の黒さを再現した。

うなぎの蒲焼特有の「見た目」は、3層の生地を専用の金型に詰めて蒸した後、タレを塗り、炙って焼き目をつけることで表現している。