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DeepL、7月に日本法人設立 「責任あるAI議論の時期」

翻訳サービスの独DeepLは、日本法人を7月に設立し、法人を中心に日本における事業を強化する。ヤロスワフ・クテロフスキーCEOが来日し、同社の事業戦略や「責任あるAI」について説明した。

DeepL ヤロスワフ・クテロフスキーCEO

DeepLは、高性能な翻訳サービスとしてグローバル展開しており、は2020年に日本語翻訳サービスを開始。日本は世界第2位の市場となっているという。無料でも翻訳サービスのDeepLを利用できるほか、有料版のDeepL Pro(1,200円~)や法人向けのサービスなども展開。さらに英文作成を支援する「DeepL Write」も1月からスタートしている。

DeepL
DeepL Write

クテロフスキーCEOは、世界をリードするAIコミュニケーション企業として、「人・企業・コンピューターが言語の壁を取り払うことを支援する」という同社のミッションについて言及。DeepLでは有料登録社が50万人、登録法人数は2万社を超えており、従業員数は500人以上となっているという。従業員の60%以上が研究者、エンジニアで、イノベーションとエンジニアリングを重視して運営されている。

DeepLの翻訳精度の高さは、高度なニューラルネットワーク技術によるもので、あらゆるデータで訓練されており、製造業や法律などの特殊な分野のデータも網羅。DeepL Proでは企業に合わせた文脈のカスタマイズや用語の統一なども行なっており、また入力された文章がDeepLの学習に使われることもない。

一方、生成AIの隆盛などでAIによる不適切な表現などのリスクも危惧されている。クテロフスキー氏は、AIの品質を保つにはAIが担う作業をどう定義するかが重要で、DeepLは品質を保つ努力を続けており、その品質が支持されていると強調した。

AIは人間の作業や意思決定を支援するなどで急成長している一方、リスクが無視できないことはクテロフスキー氏も認める。欧州での規制強化が図られており、同氏も11日に自民党で意見交換に参加するなど、この問題を社会で議論していくのは「タイミングとしては適切」と言及。AIの責任ある利用は、AI理解して、正しくリスクを見極めることであり、イノベーションを阻害するのではなく、世界をよくする後押しになるようなAI規制を求めていくとした。

7月から立ち上げる日本法人は、東京にオフィスを構え、顧客のソリューション実装などを支援していく。日本には社員が15名ほどいるが、いずれもリモートワークとなっていた。オフィスでは社員が集まり、顧客との交流を図る場とし、日本事業の本格化の拠点としていく。