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シャープ「AIoT」拡大。白物家電のネット接続8割に

シャープは、人に寄り添うIoTとして展開する「AIoT」について、これまでの取り組みと今後の展開について発表した。

AIoTは、使っているうちに機器がユーザーに合わせて最適化される機能のこと。同社が「COCORO HOME」として展開するスマートホームサービスで、ユーザーの好みや習慣を学習して最適化する。次期モデルでは、学習したユーザーの属性情報を、新しく買い換えた製品に継承できるようにするという。

同社はAIoTによって白物家電と事業を改革することを重点戦略に掲げ、AIoTによるスマートライフの実現を目指すという。具体的にはAIoT技術とサービス、商品デザインと、プラズマクラスター技術をはじめとする独自技術を組み合わせ、暮らしに役立つ商品の創出とソリューション事業の融合や、クラウドサービス事業へ参入するほか、AIoTでビジネスシーンの課題を解決するBtoBソリューション事業を強化。地域ニーズによりそった海外事業も拡大していく。

AIoTによる新規ソリューション事業としては、ヘルスケア、ストック管理、集中管理、他社連携ECなどのソリューションを展開。ヘルスケアソリューションとしては、耳にかけることで「噛む」動作を計測する咀嚼計「bitescan」や、月経管理アプリとIoT収納ケースによって生理日の記録と生理用品在庫管理を行なうフェムテックに取り組む。

ストック管理ソリューションとしては、トレーと専用アプリで冷蔵庫内などの食品や缶飲料、調味料などのストック管理や関連ECビジネスと連携。調味料の使用量を管理して健康ソリューションにつなげる。

集中管理ソリューションでは、AIoTを活用して複数の機器を集中管理することで、ホテルや高齢者施設などの業務に活用。複数のエアコンや空気清浄機などをダッシュボードで集中管理できるようにする。2022年度中に日本、ASEAN、台湾、北米で順次導入予定。

他社連携ソリューションとしてはCOCORO HOMEアプリを核として各社メーカーとの連携を拡充。他社の照明機器などとの連携や柔軟剤購入のEC連携、KDDIなどと連携した見守りサービスなどを2022年度中に順次拡充していく。

また、日本発AIoT家電のグローバル展開として、2022年度に台湾から開始。ヘルシオではレシピのダウンロードや、音声対応、食材キットの提供に対応。冷蔵庫では、庫内の在庫管理や、冷蔵庫を軸とした伝言機能を提供。家族からのメッセージや洗濯機の運転終了通知などを冷蔵庫などの対応機器で受けられるようになる。

米国では2020年より、デザインを統一したビルトイン家電を中心にスマートキッチンを展開している。

同社は今後の目標として、2024年度には国内AIoT家電のネット接続率8割以上を目指すほか、AIoT対応の白物家電・販売金額の構成比を、国内は7割以上、欧米・中国・台湾で5割以上とするという。特にネット接続については、ネット接続が必須な白物家電も視野にいれて開発を進める。