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東レ、100%植物由来のナイロン繊維「エコディア N510」

東レは、原料のポリマーをすべて植物由来にしたナイロン繊維「エコディア N510」を開発し、事業化を開始。バイオマス由来ポリマー素材・製品の統合ブランド「エコディア」のラインアップの1つして販売する。

ナイロン繊維は、しわになりにくく洗濯しやすいという特徴から、アパレル製品を中心にが様々な用途で長年使用されている。一方で、原料は石油由来であることから資源枯渇や地球温暖化などの地球環境問題に対する課題があり、原料の植物由来化が進められているという。東レでも、原料の一部を植物由来に置き換えた素材をポリエステルやナイロン、その他の素材で販売、展開している。

今回開発したエコディア N510は、植物由来のセバシン酸(植物:ヒマ)とペンタメチレンジアミン(植物:トウモロコシ)を重合・紡糸してつくる、100%植物由来のナイロン繊維。融点が高く、従来のナイロン6と同等の強度と耐熱性、湿度に対する優れた寸法安定性を保有する点を特徴としている。

テキスタイル

また、東レの保有する様々な技術と組み合わせ、繊維の太さを細くすることによる軽量化や、繊維の断面形状を異形にしたりすることによる機能性の付与など、繊維のさらなる高度化が可能としており、アパレル用途をはじめとした幅広い用途開拓を推進する。

テキスタイルを2023年秋冬シーズン向けから、ファイバーを2024年秋冬シーズン向けから販売開始する計画。テキスタイルではスポーツ・アウトドア用途向けを中心に、薄地織物からカットソー素材まで、ファイバーではスポーツ・アウトドアからインナーレース・資材用途までアイテムを揃える。

販売数量は、テキスタイルが2022年度20万m、2025年度60万m、ファイバーが2023年度3t/月を計画している。