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ガンプラ“廃ランナー”で作った実物大ガンダムヘッド、新宿に登場

バンダイナムコグループの「ガンダムプロジェクト」は、イベント「ガンダムR作戦 FINAL 2021」を新宿にて開催する。会期は11月21日、22日。

「ガンダムR(リサイクル)作戦」は、ガンダムのプラモデル(ガンプラ)を通じてリサイクルへの関心を高めてもらおうというイベント。リサイクルプロジェクト自体は4月から開始しているが、10月から全国で開催されたこのイベントはユーザー参加型とし、廃ランナー(パーツの枠部分)を大々的に回収した。また各会場ではリサイクル材で生産した「エコプラ」のガンダムのキットを無料配布し、その場で組み立てて、使い終わったランナーを回収に出すという、リサイクルの一連の流れを体験できるイベントとした。

新宿住友ビルで開催されるファイナルイベントでは、廃ランナーを組み合わせて作られた1/1サイズのガンダムヘッドが展示される。また廃ランナーを使ったインスタレーションなどアートの展示を行なう。これまでのイベント同様、参加者にはガンダムのエコプラが無料配布され、その場でキットの組み立てや廃ランナーの回収といったリサイクルの流れを体験可能。

廃ランナーを組み合わせて作られた1/1サイズのガンダムヘッド
会場で無料配布される「エコプラ」のガンプラ、組み立て後の状態
会場となる新宿住友ビルの三角広場

ほかにも、黒いエコプラでできた会場販売アイテムも用意される。リサイクルの過程の展示や、バンダイの秋の新商品を紹介する「HOBBY NEXT PHASE 2021 AUTUMN」で明らかになったアイテムのいくつかもケース内で展示される。

エコプラの会場販売アイテム

19日には新宿住友ビルの三角広場にて、ファイナルイベントの概要が公開された。BANDAI SPIRITSの田口博丈氏は、ファンがイベントに積極的に参加してくれたことに感謝の意を示しながら、全国31カ所で開催したイベントでは、1カ月で約1トンの廃ランナーを回収する見込みと報告。これは「エコプラ」なら1万個を生産できる量だという。

またこのファイナルイベントの会場にも約10万枚以上の使用済みランナーが集められ、会場の装飾などに使用されているほか、1/1ガンダムヘッドには約3,000枚のランナーが使用された。

田口氏は、より高度なリサイクルであるケミカルリサイクルにも取り組んでいることを紹介し、原料のスチレンモノマーを茶色く濁った状態から無色透明にできる段階まで進歩したことを報告。原料として使用するには品質などにまだ課題があり、時間がかかるとするが、リサイクルへの取り組みが今後も続いていくことを紹介した。

廃ランナーで茶室も

会場では、1/1のガンダムヘッドのほかにも、アーティストとのコラボとして、落合陽一氏、NAKEDとコラボしたコーナーをそれぞれ用意している。

作家メディアアーティストの落合陽一氏によるインスタレーション展示では、白い廃ランナーを壁として使用した本格的な茶室、「可塑庵」(ぷらあん)が登場。掛け軸部分にはプラスチックがリサイクルで溶かされるイメージが映像として流れるほか、外壁にはゴッドガンダムの光の輪も。廃ランナーが組み合わさった壁は室内に木漏れ日のような光と影を落とし、独特な空間を作り上げている。落合氏によると、茶道は道具を大切に使い、壊れた茶器も修繕して再利用するなど、リサイクルと通じる世界観があるという。(密かに)Gガンダムがモチーフになっているのは、舞台がネオジャパンだから、とのことだった。

落合陽一氏

バンダイ「HOBBY NEXT PHASE 2021 AUTUMN」で紹介のアイテムも展示