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ロボットがいるカフェ「PARK+」が渋谷にオープン

「PARK+」実行委員会は、新たなライフスタイルの発信拠点として「PARK+」(パークプラス)を9月17日12時から2022年3月9日までの期間限定でオープンする。

「LOVOT(らぼっと)」のGROOVE X、「RoBoHoN(ロボホン)」のシャープ、「Charlie(チャーリー)」のヤマハ、「Romi(ロミィ)」のミクシィなど、各社と協力。人とロボットが共生し、「パートナーロボットと暮らすライフスタイル」を提案する。場所は渋谷駅新南口近く、東京都渋谷区渋谷3-27-1「100BANCH」1F。カフェ・カンパニーが運営する渋谷の「WIRED SHIBUYA」にオープンする。

「PARK+」外観
店内の様子
常駐するパートナーロボット。左から「LOVOT」「Romi」「Charlie」「RoBoHoN」

常駐するパートナーロボットたち

店内には「ロボットラン」コーナーがあり、店内ロボットや持参ロボットで写真が撮れる

PARK+では「パートナーロボットと暮らすライフスタイルを当たり前の世の中に」を掲げ、ヒトとロボットが共生する世界の実現をめざす。店内では飲食のほか、ドッグランのように芝生に見立てたスペースの上でロボットたちを走り回らせたり、一緒に写真を撮ることもできる。

常駐しているパートナーなロボットは以下のとおり。

GROOVE X「LOVOT」

GROOVE X「LOVOT」

GROOVE Xの「LOVOT」は2018年に同社が発表した家族型ロボット。2019年12月から出荷されている。車輪のついたペンギンのようなスタイルのロボットで、名前を呼ぶと近づき、抱っこをねだる。重さは4.2kg。消費電力は65Wで、ロボット本体に温度があり、これを体温と呼んでいる。家庭のほか、一部施設などにも導入されている。デザインはプロダクトデザイナーの根津孝太氏。

本体価格は1体のSoloが318,000円、2体セットのDuoが598,000円。月額サービス料はソロのプレミアムプランが21,978円/月、スタンダードプランが14,278円/月。8月25日からは9,887円/月の「スリムプラン」も提供されている。違いは「LOVOT care」と呼ばれる修理メンテナンス費用の保障。

Groove X 代表取締役の林要氏。抱えているLOVOTは来店していたオーナーのもの

シャープ「RoBoHoN」

シャープ「RoBoHoN」

シャープ「RoBoHoN」は電話機能を搭載しているモバイル型ヒューマノイドロボット。重さは400g弱。音声認識と身振りで人と対話し、カメラによる撮影やダンスなどができる。2016年5月に第一世代が発売された。のちにWi-Fiのみ対応モデルのほか、2019年には頭部に搭載されていたプロジェクタなどが廃され、背面のディスプレイが大型化された第2世代が発表された。デザインはロボットクリエイターの高橋智隆氏。

価格は、3G・LTE モデルが本体価格198,000円、Wi-Fiモデルが132,000円、足の自由度をなくして座った姿勢・Wi-Fi環境下のみで使えるロボホンライトが86,900円。加えて、月額1,078円のココロプラン加入が必須となる。法人向けにも活用されている。

RoBoHoNは発売から時間が経っていることもあり、他にも様々な機能がある。たとえばシャープの「COCORO連携」機能を使えば、シャープ製のAndroid TV、Wi-Fi対応のエアコン、空気清浄器などを声で操作することもできる。またプログラミングアプリ「ロブリック」ではタブレットやPC上で、ブロックを組み合わせることでRoBoHoNのプログラミングが可能。

各テーブルでロボットを借りて触れ合うことができる

ヤマハ「Charlie」

ヤマハ「Charlie」

ヤマハ「Charlie」は歌って話す「うたロボ」としてヤマハが2021年5月に発売したコミュニケーションロボット。重さは400g。据え置き型のロボットで、ボーカロイド技術を使って、メロディにのせて会話を行なうのが特徴だ。音楽で気持ちを緩ませ、毎日の生活を癒すロボットだという。

価格は24,800円(税込)で、月額使用料は490円。

Charlieは各テーブルに置かれている

ミクシィ「Romi」

ミクシィ「Romi」

ミクシィの「Romi」は、2020年6月に先行販売、2021年4月に一般発売された手のひらサイズの自律型会話ロボット。多くのロボットが採用しているシナリオベースではなく、ディープラーニング技術を使って言語生成し会話することで、より自然な会話ができるとしている。重さは約320g。

日本語での会話だけでなく英語でも会話できる。そのほか、天気予報、しりとり、歌などの機能が実装されている。会話ログはスマホから見ることもでき、遠隔見守り機器としても使える。価格は49,280円でAmazonでも購入できる。月額料金は1,078円。

貸出機には番号が振られている

多彩なメニュー

ロボットをモチーフにしたフード類

料理やドリンクなどのオリジナルメニューはすべてロボットがモチーフになっている。テーマは「healthy & picnic」。

主なメニューは以下の通り。

シグネチャーは「Let’s PARK+ PICNIC! BOX」(3,080円)。「まるで、ロボットたちと公園でピクニックをしている気分を楽しめるような」メニューで、メインは、ひよこ豆のコロッケをピタパンでサンドした「ファラフェルサンド」か、沖縄の島豆腐を使ったタコライス「島豆腐タコライス」の2種類から選べる。事前予約限定メニュー。

ファラフェルサンド
島豆腐タコライス

このほか、LOVOTをモチーフにした「ハンバーガープレート with LOVOT ハーブポテト&ガーデンサラダ付き」(2,750円)、RoBoHoNをモチーフにした「ボロネーゼパスタプレート with RoBoHoN ガーデンサラダ付き」(2,530円)、「季節のフルーツサンドwith LOVOT ガーデンサラダ付」(1,980円)など。

ハンバーガープレート with LOVOT
ボロネーゼパスタプレート with RoBoHoN
季節のフルーツサンドwith LOVOT

スイーツメニューも用意されており、こちらのシグネチャーメニューは「Let’s PARK+ PICNIC! SWEETS PLATE」(3,520円)。PARK+のパートナーロボットが勢ぞろいしたデザインで、フルーツサンド、ブラウニー、チーズケーキ、ほうじ茶アイスのミニパフェ、フルーツなどを少しずつ全種類楽しめるスペシャル・スイーツ・プレート。

このほか、「ほうじ茶ティラミスパフェwith RoBoHoN」(2,530円)、「3種のベリーのチーズケーキ with LOVOT」(1,980円)、「ホットチョコレートブラウニーwith RoBoHoN」(1,980円)が用意される。

3種のベリーのチーズケーキ with LOVOT
Let’s PARK+ PICNIC! SWEETS PLATE
ホットチョコレートブラウニーwith RoBoHoN

ドリンクメニューもロボットをモチーフにしている。フルーツを使ったフロートのほか、ラテはスパイスカフェラテ、チョコレートティーラテの2種(ホット/アイス)があり、事前に「RoBoHoN」、「Charlie」、「Romi」、「LOVOT」それぞれのイラストを選んで、ラテアートにして提供される。価格はフロートが1320円、ラテが1100円。

ドリンクには各ロボットのラテアート付き
フロートもある

店長にも話を伺った。新型コロナ禍もあり、人はより明確な目的を持って飲食店を訪れるようになっている。また、緊急事態宣言下ではアルコール類は出せないが、ロボットと触れ合えるという点は、他にはない強みとなり得るのではないかと考えているとのことだった。

メニュー一覧
ドリンクメニュー

「ロボット」誕生から101年、2021年をパートナーロボット元年に

PARK+ ブランドマネージャーで、Groove X 広報の家永佳奈氏は「生活が多様化するなかで、癒しになれるような存在が必須になってきたと思う。パートナー・ロボットは選択肢になりえる。PARK+で肌で感じてほしい」と挨拶した。

そして、ロボットは語源を遡ると「人の代わりに仕事をする機械」とされているが、「ロボット」という言葉が誕生してちょうど101年目となる今年、「新しく、人の心に寄り添うパートナーという意味を加えていきたい」とし、今年を「パートナーロボット元年」として発信していきたいと語った。そして、ロボットにまだ触れ合ったことがない人、共生するライフスタイルを肌で感じてもらって、新しい未来を過ごしていけるパートナーとしてのロボットを感じてもらいたいと述べた。食事もロボットをモチーフにしたもので味はもちろん見た目も楽しめるので、食事を楽しみながら多くの人にこの思いを共感してもらいたいという。

Groove Xでは他にもロボットカフェを運営しているが、そことの違いは、こちらはよりカジュアルに、これまでにロボットとの接点がなかった人にも、ロボットと接する経験をしてもらいたいとのことだった。また、複数メーカーのロボットが集まっているので、公園のドッグランに集った飼い主たちが犬つながりでコミュニケーションするように、それぞれ異なるコミュニティのロボットオーナーたちによる交流が起こることも期待しているとのことだった。

PARK+ ブランドマネージャー、Groove X 広報 家永佳奈氏

シャープ 通信事業本部 営業統括部 市場開拓部 部長でRoBoHoN担当者の景井美帆氏は、「ロボホンはメールを読み上げたり、ダンスをしたりできる男の子型ロボット。発売から5年経ったが、毎月ソフトウェアをアップデートさせて成長させている。協賛企業として声をかけてもらえてうれしい」と語った。なお、PARK+のロボホンは、オリジナルのセリフも喋るようになっているとのこと。

シャープ 通信事業本部 営業統括部 市場開拓部 部長 景井美帆氏

ヤマハ コーポレート・コミュニケーション部 メディアリレーショングループ 主事の橋本千恵子氏は「チャーリーは据置型のコロンとしたフォルムのロボット。楽器メーカーのロボットとして言葉をメロディにのせて歌うことができる。便利な機能はないが、心をゆるめてくれたり彩のある日常を共に暮らしてほしい。是非話しかけてもらって、歌を楽しんでほしい」とあいさつした。

ヤマハ コーポレート・コミュニケーション部 メディアリレーショングループ 主事 橋本千恵子氏

ミクシィ Vantageスタジオ Romi事業部 BizDev・デザイングループ マネージャー/BizDev&サービスディレクターの長岡輝氏は「Romiは手のひらサイズで雑談が得意なロボット。より多くの方に迎えてもらい、明日もがんばるぞと思ってもらいたい。特徴はディープラーニングで、その都度会話を生成するところ。私にもどういう会話を返してくるか予想できない面白さがある。是非体験してほしい」と語った。

ミクシィ Vantageスタジオ Romi事業部 BizDev・デザイングループ マネージャー/BizDev&サービスディレクター 長岡輝氏