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リコー、曲がる太陽電池フィルム開発。充電レスヘッドフォン実現

リコーは、曲がる太陽電池「フレキシブル環境発電デバイス」のサンプル提供を開始した。九州大学との共同開発によるもの。

2013年から共同研究・開発した発電材料を採用。九州大学の高性能有機半導体設計/合成技術と、リコーが複合機の開発で培った有機感光体の材料技術により、屋内のような低照度(約200lx)から、屋外の日陰などの中照度(約10,000lx)環境下でも高効率な発電を実現した。

薄型・軽量・フィルム形状の有機薄膜太陽電池(OPV)で、曲げることが可能なため、さまざまな形状のIoTデバイスに搭載することを想定。充電レスヘッドフォンや、子供の見守り、ベビーカーの温度監視など、携帯型ウェアラブル端末やビーコンなどの他、トンネル内や橋梁の裏側に設置される社会インフラのモニタリング用デバイスなどの自立型電源としても活用が可能という。これら身の回りの小型電子機器類に搭載することで電池交換を不要とし、利便性向上とSDGsへも貢献する。

リコーでは、2020年から提供している屋内向け固体型色素増感太陽電池(DSSC)に次ぐ環境発電デバイスとして、IoTデバイスメーカー、サービス事業者、商社向けにサンプル提供を行ない、早期の商品ラインアップ化を目指す。また、九州大学とともに、今後も高出力・高耐久化に向けて共同開発を進める。