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リコー、植物由来の新素材「PLAiR」。発泡倍率を調整可能

リコーは、植物由来のポリ乳酸(PLA)を活用した新素材「PLAiR(プレアー)」を開発した。11月25日よりサンプル出荷を順次開始し、市場開発を進める。

しなやかで強い特徴を有する発泡PLAシート。発泡倍率を変えることができ、用途に応じて、緩衝・梱包材料から商品トレイまで幅広く対応可能。石油由来プラスチックの代替素材として早期の実用化が期待されるという。

PLAは、トウモロコシやさとうきびなどに含まれるデンプンを原料とした植物由来のプラスチック素材。焼却しても大気中の二酸化炭素を増加させず(カーボンニュートラル)、土の中など一定の環境下で、水と二酸化炭素に分解する(コンポスタブル性)特性をもつ。PLA製の製品はライフサイクル全体のCO2排出量が他の樹脂製品に比べて削減されるという調査結果もあるという。

加工面では、従来の一般的な発泡方法ではPLAの特性上ほとんど発泡しないという課題があった。リコーは、加工プロセスに超臨界CO2を利用し、混練工程でPLA中にフィラー(発泡核剤)を均一に分散させ、そのフィラーを核に発泡させることで、数十μ単位の均一な気泡を作成する独自の「CO2微細発泡技術」を開発。しなやかで強い発泡PLAシートを実現した。