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時速7kmの「早歩き」はランニングより高負荷・低リスク アシックス

アシックスは、ウォーキングシューズブランド「WELLNESS WALKER」により「ファーストウォーキング(早歩き)」を推進するイベントを開催した。

一般的に、ランニングは早歩きよりもエネルギー消費が多いとされるが、同社が立命館大学大学スポーツ健康科学部の後藤一成教授と共同で行なった研究によると、時速7kmでの早歩きは、同じ速度のランニングよりもエネルギー消費が高く、脂肪分解、燃焼効果がより高いことが分かったという。また、足への衝撃も少なく、筋肉や関節、骨などへのリスクも軽減されるほか、「貧血」リスクも低くなる。

実験はトレッドミルを使い、ウォーキングは時速3kmから、ランニングは時速5kmから徐々に速度をあげながら、酸素摂取量、二酸化炭素排出量や、心拍数、動脈血酸素飽和度(spo2)などを計測して行なわれた。これによると、時速7~7.5km付近では、ウォーキングのエネルギー消費がランニングを上回ったほか、時速8kmのウォーキング時は、時速9.3kmのランニングエネルギー消費量と同一だった。

ランニングは、足への衝撃リスクが高く、特に長距離を走る選手では、足裏への衝撃から足裏の赤血球が破壊され、血液中へ鉄が漏出することで血中鉄濃度が急増。これに伴って食事から鉄の吸収を抑制する「ヘプシジン」が放出することで、慢性的な鉄欠乏が発生することがあるという。特に、長距離を走る女子選手では5名に1人の割合で鉄欠乏状態がみられたという。

ランニングによる足裏への衝撃は、最大で体重の2.2倍あるが、早歩きではこれが1.5倍に軽減されるため、衝撃によるリスクはより軽減され、鉄欠乏も軽減できるという。

また、筋肉についても同じ速度で行なう場合、ランニング時よりも早歩きのほうが活動量が多くなる。膝から上の筋活動量は、大腿直筋、大腿二頭筋、大殿筋ともに大差なく、外側広筋のみわずかにランニングが優位だが、膝から下の筋肉では、腓腹筋に大差はないが、ヒラメ筋、前脛骨筋ともにランニングを上回った。

結論として、時速7km以上の同一速度でのランニングと早歩きでは、早歩きのほうがエネルギー消費が高く、衝撃も少ない。筋肉については、膝より上の筋肉は同じように活動する一方で、膝より下の筋肉では早歩きのほうが活動量が多くなる。また、早歩きは脂肪よりも糖質を多く消費する高強度の運動に近いという。これらのことから、肥満予防や鉄欠乏のリスク軽減などに効果があるとみられ、引き続き研究を継続するとしている。

なお、時速7km以上のでウォーキングの目安は、「走り出したくなるぐらいの速度」で走らずに歩くことを目安としている。運動量は、早歩きを延々続けるのではなく、3分早歩きをして3分ゆっくり歩く、などを30分程度繰り返すことを目安としている。いずれも、今後研究を続け、詳細を明らかにしていく。