ニュース

楽天、モバイル投資で赤字も「4位に甘んじるつもりはない」

楽天は12日、2020年度通期および第4四半期決算を発表した。通期の売上高は前年同期比15%増の1兆4,555億円で、営業利益はモバイルへの先行投資がかさみ、マイナス1,027億円(Non-GAAP)。モバイル、物流、投資事業の損益を除くと営業利益148.9億円。

国内外70以上のサービスによる「楽天エコシステム」を活用し、各サービスの顧客基盤拡大とサービス間のクロスユースを促進。楽天グループにおける平均月間利用者数は前連結会計年度に比べ、17.5%上昇。また、2サービス以上利用するユーザーの割合も70%を超えて、伸長を続けている。

楽天モバイル「4位に甘んじるつもりはない」

楽天モバイルは、売上高が451億円、営業利益がマイナス721億円(前年比マイナス459億円)。

2月8日時点での申込数数が250万を突破。4月からスタートの月額2,980円(税別)で、無制限かつ1GBまでは月額料金がゼロ円となる「Rakuten UN-LIMIT VI」の発表後に加入が増加しているという。1月末時点の人口カバー率は74.9%で、2021年夏には4Gカバー率96%を目指す。

楽天モバイル、1GB未満は無料、20GB未満1980円に。新料金プラン

また、Rakuten TVやRakuten VIKI、電子書籍の「Rakuten Kobo」などと連携し、海外コンテンツを強化。コンテンツ事業ではIP中心戦略を強化し、楽天モバイルとのシナジーで事業拡大を目指す。

楽天モバイルの加入目標数は非公開だが「4位に甘んじるつもりはない。楽天カード(2,100万件)の数は軽く上回りたい(三木谷会長)」という。また、黒字化目標は2023年で「加入増により前倒しされるかもしれない」とした。

EC好調。「復活購入」も増加

楽天市場や楽天トラベル、ラクマなど、国内ECの第4四半期は売上高が35.7%増、営業利益は70.3%増の209億円。総流通額は第4四半期が前年比38.5%増の1.4兆円、通期では19.9%増の4.5兆円となった。

コロナ禍により、EC需要が拡大し、新規購入者は前年比27.6%増、復活購入者27.1%増と年間を通して利用者が拡大。また楽天市場では、送料無料ライン(3,980円以上の買い物で送料無料)や物流改善などにより、楽天スーパーポイントなどの施策により、1人あたりの購入額や定着率も向上しているという。

楽天トラベルは、コロナ禍で大きな影響を受けたが、業界全体よりは影響を抑制でき、11月には国内シェア20.8%を獲得した。楽天ファッションは、取り扱いブランド数拡大のほか、UX/UIの改善、アプリのユーザー拡大などを行なうなど、ブランドイメージの改善を図った。フリマアプリの楽天ラクマは手数料率を3.5%から6%に改定し、収益化を加速する。

楽天西友ネットスーパーは、流通額が前年比39.9%増と拡大しており、需要拡大にあわせて新たな物流センターを開設。また、西友株式の20%を取得し、小売のDX推進をサポート。オフラインとオンラインを融合させたOMOリテーラーを目指す。

楽天カードは2100万枚。4月に「楽天グループ」

楽天カードは前年比21.9%増で、年間取扱高は11.6兆円。会員数は2,100万人を超えており、「カード増加の4枚に1枚は楽天カード」という。楽天カードにおけるECのシェアも2015年は9.2%だったが、2020年には19.5&と2倍となり、さらに旅行などの「オフライン消費が戻るときに一気にシェアが拡大する」と見込む。

楽天銀行は、オンライン銀行初の1,000万口座を達成(2021年1月)し、預金残高も5兆円を達成。第4四半期は決済金額が前年同期比42.2%となり、「メイン口座」としての利用が拡大しているという。

楽天証券は口座数500万を突破。2020年の新規口座開設数は134万で1位、投信積立設定額は月に314億円で「主要ネット証券最大級」という。預かり資産も10兆円を超えている。また、積立NISA口座のシェアは27.5%で国内1位。資産形成系サービスでの利用者を増やしている。

楽天ペイメントは、楽天ペイ・Edyともに取扱高が伸長。また、Suicaとの連携により、楽天ポイントの魅力を向上し、加盟店も拡大した。

EC、フィンテックともにコロナ禍において、確実に成長。特に複数の楽天サービスの利用が増えており、2サービス以上利用ユーザー比率は73.0%。楽天市場における利用金額は、楽天モバイル非加入者が前年比13%増だが、楽天モバイルユーザーは44%増となるなど、楽天モバイル利用者の楽天サービス利用も拡大しているという。

同社は、4月1日をもって楽天から「楽天グループ」に社名変更。迅速な意思決定のための体制構築とともに、IDやポイントを使った楽天エコシステムの拡大を目指す。「楽天ホールディングスなども考えたが、IDやポイントなどの事業シナジーを考えて『グループ』がよいと考えた(三木谷会長)」。