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Appl Watchが睡眠や手洗い、ヘッドフォン音大きすぎをサポート。watchOS 7

アップルは、watchOSの最新バージョン「watchOS 7」の新機能を発表した。今秋に提供開始予定で、新たに睡眠トラッキングや自動手洗い検出、ダンスを含むワークアウトの種類、新しい聴覚健康のための機能を追加する。23日から開発者向けにベータ版を提供し、正式版は今秋リリース予定で、Apple Watch Series 3/4/5に対して、無料のソフトウェアアップデートが提供される。

全体的な健康状態をより深く把握できるようになるほか、「マップ」ではサイクリングの道順を表示。音声アシスタントの「Siri」は翻訳機能も追加される。

watchOS 7では、文字盤(ウォッチフェイス)を自由にカスタマイズできるようになる。サーフィン、テニス、写真家などアクティビティに合わせてた文字盤が用意され、カスタマイズやパーソナライズが可能。メッセージやメールで共有でき、App Storeのほか、Webサイトなどからもダウンロードできる。

高精細な「クロノグラフプロ」には、一定距離に対する移動時間を基に速度を計算する「タキメーター」を搭載。「写真」の文字盤にはカラーフィルタを加えられる。

開発者は、1つの文字盤に、同じアプリから複数のコンプリケーションを提供できるようになる。たとえば、子供が生まれたばかりの親がミルクの時間、母乳の時間、搾乳の統計、昼寝時間を記録したり、Dawn Patrolでお気に入りのサーフスポットの潮の満ち引き、風速、水温を表示したりできる。

睡眠

新たに「睡眠」をサポート。ユーザーが目標とする睡眠のため、必要な睡眠時間を確保し、予定通りに就寝し、就寝前のルーティンを作るためのツールを提供する。Apple Watchに搭載された加速度センサーが睡眠中の呼吸のサインである微細な動きを検出し、身につけている人がいつ眠っているか、毎晩どれくらいの睡眠時間を取っているかを認識する。朝になったら、前の晩の睡眠について、起きている期間や眠っている期間を含めて視覚的に確認できる。

また、起床しやすいように、消音した触覚的なアラームや優しいサウンドを用意。起床画面には現在のバッテリー残量を表示する。ユーザーの充電パターンに応じ、就寝1時間以内のバッテリー残量が少ない場合は、Apple Watchがユーザーに充電するよう促す。なお、睡眠データはデバイス上、またはiCloud内で暗号化され、データは常にユーザーが管理できる。

自動手洗い検出

さらに「自動手洗い検出」を搭載。Apple Watchはモーションセンサー、マイク、デバイス上の機械学習を利用し、手を洗う動きと音を自動的に検出する。検出すると20秒のカウントダウンタイマーがスタートし、ユーザーの手を洗う時間が短い際に、もっと続けるよう促す。また、ユーザーが帰宅した時に、Apple Watchが手を洗うよう知らせる機能も用意する。

手を洗うことは健康全体にも関係するため、iPhoneのヘルスケアアプリケーションは、ユーザーの手洗いの頻度と時間を表示し、手を洗うことの重要性に関する情報も表示します。手洗いの検出に使用される音が、ヘルスケアアプリケーションやApple Watchによって自動的に録音または保存されることはありません。

ワークアウトを強化

watchOS 7では、新たにコアトレーニング、ダンス、機能的筋力トレーニング、クールダウンの4つのワークアウトを追加。

ダンスにおけるカロリー消費を正確に把握するため、高度なセンサーフュージョンを用いて、心拍数センサーからのデータと加速度センサー、ジャイロスコープからの入力を統合し、ダンス特有の体から腕までの様々な動作の測定に関する処理を行なう。ダンスは、ボリウッドダンス、カーディオダンス、ヒップホップダンス、ラテンダンスの4種類の主要なダンスを使って検証・確認が行なわれたという。

聴覚

「ヘッドフォンの音が大きすぎないか」を認識できる機能を追加。

watchOS 6では、環境音レベルや騒音にさらされる時間を測定する「ノイズ」アプリを導入しているが、watchOS 7では、ヘッドフォンによる音声通知機能を追加した。iPhone、iPod touch、Apple Watchで接続したヘッドフォンを通し、視聴しているメディアの音量レベルを認識でき、そのレベルが将来的に聴力に影響を与えるかどうかが把握できる。

ヘッドフォンを使用した聴取時間の合計が安全レベルの週間限度に達すると、Apple Watchが通知。この限度時間はWHO(世界保健機関)の推奨に基づくもので、たとえば、80デシベルまでの音量であれば、週に40時間であれば許容される。iPhoneのヘルスケアアプリで、毎週どの程度の時間、高いデシベルレベルの音量にさらされたのかを確認し、ヘッドフォン音量の最大レベルを管理できる。

その他のアップデート

自転車に乗る際に、手首の上で確認できる自転車の経路案内を追加。経路案内は大きく読みやすく表示され、自転車を降りて歩く必要がある時や時間節約のために階段を使ったほうがよい時は、マップアプリが教えてくれる。

Apple WatchのSiriを使って多くの言語の翻訳に対応。メッセージの音声入力は、デバイス上で処理される。Siriによる着信メッセージの読み上げ機能もサポートする。

ネイティブ機能用の新しいコンプリケーションには、カメラリモート、睡眠、ショートカットなどが用意される。

ヘルスケアアプリケーションで利用できる新しいMobility Metricsには、低レンジカーディオフィットネス、歩行速度、階段降段速度、階段昇段速度、6分間の歩行距離、両脚支持時間、歩幅、歩行非対称性などの項目がある。これらの計測は、患者が安全に動き、患者の年齢にふさわしい動作を容易に行う能力を持ち合わせているかどうかを医療機関が判断するためのもの。