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新型コロナ感染のピークは4月1日頃。専門家会議

政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、5月29日付けの「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」を公表した。国内の約2カ月間の感染状況と対策の効果などを振り返り、検査体制や医療体制の強化を提言している。

4月7日に発せられた緊急事態宣言は、全国で5月25日に解除。日本の対策は、「欧米の先進諸国と比較して、感染者数の増加を抑制し、死亡者数や重症者数を減らすという観点から一定の成果があった」とする。

理由については、医療へのアクセスや公衆衛生水準が高いこと、市民の衛生意識の高さ、元々の生活習慣のほか、「中国由来・欧州等由来の感染拡大の早期検出」、「クラスター対策」をあげている。

欧米に比べると、中国からの流行は、早い段階で捕捉し、急激な感染拡大を防止できた。

また、日本は、早い段階で新型コロナウイルス感染症の伝播の特徴を認識。共通の感染源を特定し、濃厚接触者に網羅的な接触者調査を実施するクラスター対策を行なった。加えて、3密などのクラスターが発生しやすい場の特徴を指摘し、初期の段階から、市民に対して注意喚起できたとする。

新規感染者数数のピークは報告日ベースで4月10日頃、推定感染時刻ベースで4月1日頃。これは緊急事態宣言(4月7日)よりピークが早かったこととなる。緊急事態宣言前の3月末から、市民の行動変容等により、新規感染者は減少傾向にあったとする。

課題は検査体制。4月上旬から中旬の感染者数増大時期に、検査が必要な人にPCR等検査が迅速に行なえなかった。今後は、早期の医療提供・感染拡大防止につなげていく検査体制の拡充とともに、相談から検査までの日数を短縮。また、簡易な検査で感染力の高い人を探知できる抗原検査を活用。抗原検査とPCR等検査の役割分担を明確にし、2次感染が起こる可能性が高い院内や施設内での感染防止に向けて活用するよう提言している。