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NTTデータ、起伏を50cm毎の細かさでデジタル化した3D地図

NTTデータとリモート・センシング技術センター(RESTEC)は、日本全土をカバーするデジタル3D地図「AW3D日本全国高精細3D地図」を5月23日より販売開始。50cm解像度の三次元情報に基づき、地図縮尺1/2,500相当の位置精度を持つ。この精度の日本全土のデジタル3D地図整備は国内初の試み。

50cm解像度地形データ(数値地表モデル/Digital Surface Model)

AW3D日本全国高精細3D地図では、50cm解像度地形データ、30~40cm解像度衛星画像(オルソ画像)、建物3Dデータの3種類の地図データを提供。

50cm解像度地形データは、地表面の起伏(標高)を50cmの格子間隔(50×50cmの正方形)ごとに高さの値としてデジタル化したもの。

30~40cm解像度衛星画像は、衛星画像の地形の標高に起因する歪みをなくし、正しい大きさと位置に変換した画像。30cmから40cmの格子の集合で画像が構成されている。

30~40cm解像度衛星画像(オルソ画像)

建物3Dデータは、建物1棟1棟の形状と高さがデジタル化されたデータ。オプションとして、テクスチャ付建物3Dデータが用意されている。

建物3Dデータ
テクスチャ付建物3Dデータ(オプション)

AW3D日本全国高精細3D地図の特徴は、地図縮尺1/2,500相当の位置精度により、座標・高さの計測ができる点。また、日本全国の細かな地形起伏を把握することができ、物量・勾配計算(傾きの度合い)、各種シミュレーションが可能。データは定期的に更新し、最新の情報を提供するという。

AW3D日本全国高精細3D地図の活用例

NTTデータとRESTECはこれまで「AW3D全世界デジタル3D地図(AW3D)」を共同で提供。2014年に世界で初めて5m解像度の数値標高モデルで世界中の陸地の起伏を表現する3D地図としてサービス提供を開始。2015年には都市部などで最高50cmまで解像度を向上させ、建築物レベルの細かな起伏の表現が可能となった。

昨今、日本国内では、無線ネットワーク・防災計画等のシミュレーション、航空機・ドローンの運行管理、都市・交通計画等において、広域なデジタル3D地図の即時利用への要望が増加。こうした状況を受け、またAIやクラウド等最先端技術の活用によりAW3D作成技術の高度化が進み、AW3D日本全国高精細3D地図の販売を開始することとなったとしている。

今後NTTデータとRESTECは、AW3Dにおいて、2022年度末までに50億円の売り上げを目指す。